大人から子供まで楽しめる定番のテーマパークといえば動物園と答える人は多いでしょう。動物園に行けば世界各地の多種多様な動物を見て回ることが出来ます。

動物園は世界中にあります、正式な統計は取られていませんが世界中に200以上の動物園があるといわれています。

日本には89の動物園があり旭山動物園や上野動物園などが広く知られていますよね、この記事ではそんな動物園で飼育されていた1匹のホッキョクグマにスポットライトをあててご紹介したいと思います。

彼の名前は「アルトゥーロ」といいます。

アルゼンチンのメンドーサ動物園で飼育されていたオスのホッキョクグマです。

彼は「世界で最も悲しいホッキョクグマ」と呼ばれていました。



そんな奇妙なあだ名がついたのは彼が動物園に行くことになった時のことです。

彼が家族のいるアメリカからアルゼンチンに連れてこられたのは8歳の時でした。その当時からホッキョクグマを南米で飼育することに反対する声が多かったそうです。

想像してみてください、本来野生のホッキョクグマは流氷の浮かぶ冷たい海で獲物を狩って生活しています。マイナスの世界から連れてこられた先は年間を通して気温が40度にも届く灼熱の国でした。彼にとってどれほど過酷な環境かは子供でも理解できたはずです。

しかしアルトゥーロはアルゼンチンに来ることになりました。人々は反対を押し切って彼を連れてきた人たちと、彼自身を憐れんで「世界で最も悲しいホッキョクグマ」と呼ぶようになったのです。

過酷な環境と捕らわれたストレスから彼は情緒不安定になります。さらには奇妙な行動をとるようになります。

誰が見ても精神に異常をきたしているのは明らか、しかし動物園側はそれでもアルトゥーロを手放すことはしませんでした。

出典 YouTube

悲しく吠えるアルトゥーロ、同じ行動をひたすら繰り返しています。この動画を見ているだけでも胸が痛くなります。

さらに彼を追い詰める出来事が起こります。

2014年に唯一の心のよりどころだったパートナーのペルサが病死してしまいます、そのことをきっかけにアルトゥーロはひどいうつ状態に陥ってしまうのです。

度重なるストレスが原因だったのでしょうか、老化で右目を失明していたアルトゥーロは徐々に左目の視覚や嗅覚も徐々に衰え、晩年は同い年くらいの平均的なホッキョクグマと比べてもかなり体重が減っていたそうです。

動物園の環境も万全ではありませんでした。

狭い檻。体を冷やすはずのプールも浅すぎて十分に体を浸けることが出来なかったといいます。

世界で最も悲しいホッキョクグマのニュースは世界中に広がり、環境の適したカナダの動物園へ移動を求める署名活動が起こりました。

アルトゥーロを自由に!!

彼を救うため数千人の署名が集まりました。しかしアルトゥーロがカナダに行くことはありませんでした。動物園側がアルトゥーロが高齢であることを理由にその申し出を断ったのです。

22年前、アメリカから連れてこられた時から南米でホッキョクグマを飼育することを危険視する声はとても多かったものの、動物園側は「手厚くケアをするから問題ない」と一蹴しています。しかしアルトゥーロが過ごした環境は万全とは程遠いものだったと思います。

2016年7月3日の午後、アルトゥーロは永眠しました。

死因は血行障害が引き起こした多臓器の代償障害だそうです。医療チームはアルトゥーロにつきっきりで懸命に治療したものの、病状の悪化はとても早かったとのことです。


彼の生涯はおよそ自分自身の望んだかたちとはかけ離れていたと思います、安楽死という手段はとられなかったものの、アルトゥーロは安らかな状態で亡くなったというのがせめてもの救いです。

出典 YouTube

出典 YouTube

出典 YouTube

現在彼の死は世界中で報道されて様々な物議を醸しだしています。

動物を適切な環境で飼育していなかったと、そもそも動物を人間が管理していいかという根本的な問題を問う声もあります。

アルトゥーロの生涯は幸せだったのでしょうか?

動物は本来野生で暮らす状態がベストであると頭ではわかっています、しかし近くで鑑賞出来ることによって我々人間は多くのものを得ることがあります。本当のところはわかりませんが、手厚く飼育されることにより幸せに暮らす動物もいることでしょう。

アルトゥーロの死のニュースは改めて命の重さと生きる自由は彼も私たちも同じことを問いかけてくれたのでした。

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