世の中にはいろんな悪い奴がいます。相手の傷口に塩を塗っておいて平気で金儲けをするような悪質な人間がこの世に存在するのだという怒りが沸々と湧いてくるニュースがこのほどイギリスで起こりました。

生後35日でこの世を旅立ったヒューゴくん

Pinned from metro.co.uk

2014年に、リー・ケンダルさん(38歳)とパートナーのマーティン・パーカーさん(43歳)の間に生まれたヒューゴ君。16週目の早産となり、未熟児で生まれたヒューゴ君が悲しくもこの世を去ってしまったことを2015年にメディア「Huffpost Paretns UK」に投稿したリーさん。抑えきれようがない悲しみを少しでも世間に知って欲しくて、心情を綴ったのです。

「私たちにはヒューゴという素晴らしい子供が生まれました。でもたった35週目に旅立ってしまったのです。私は子供を抱くことのない空っぽの腕を持つ母になってしまいました。」この文章からしてリーさんがどれほど心を痛め、また、ヒューゴ君を恋しく思っているか察することができるでしょう。

「ヒューゴに会いたくてたまりません。周りではSNSで子供が生まれたとか、こんな赤ちゃんだよとか写真やメッセージが山のように溢れているけれど…私は目を覆いたくなります。個人的に誰に対してどうというのでは決してなく、ただただ、私は失った我が子が恋しいのです。」

2015年に投稿されたリーさんのこのメッセージ。2016年になってもきっとまだまだ心は癒えないことでしょう。楽しみにしていた最愛の我が子を失ってしまうことほど親にとって辛いことはないのですから。

それなのに、世の中には心無いことをする人がいるのです。ヒューゴ君の死から2年経って、リーさんは募金サイト「GoFundMe」で、全く見知らぬアメリカ人の誰かがヒューゴ君の写真を使って1万ドル(約100万円)の募金を集めようとしていたことを発見したのです。

「お願い、誰か力を貸してください」

怒りと悲しみのあまり、Facebookで訴えたリーさん。「どうかみなさん。私に力を貸してください。亡くなった私たち息子のヒューゴの写真が悪用されているのです。全く見知らぬ人が、息子の写真を利用して寄付金を募っているのです。このアメリカ人の女性が募金を募っている内容が真実か嘘かは私にはわかりません。

でも、ヒューゴの写真を利用することは私たちにとって許し難いことです。いったいどうしたらいいのでしょう。サイトへ苦情を申し立てたけれど、写真が削除されるかどうがわかりません。どうかみなさんも一緒に苦情を申し立ててください。少しでも多くの苦情が集まれば、息子の写真は削除されるかも知れませんから。本当に気分が悪くて吐きそうです。」とメッセージを綴りました。

「みんなの温かいサポートに深く感謝します」

Pinned from metro.co.uk

幸い、リーさんのメッセージによって友人たちが「GoFundMe」サイトへ激しく抗議したために数時間でヒューゴ君の写真は削除されたそう。詐欺まがいで募金を集めようとしたアメリカ人女性にも、全く寄付金は入らないようにブロック。リーさんはその後、メッセージを更新してこのように心情を伝えています。

「みなさんの温かいサポートのおかげで、息子の写真は削除されました。今はもう、写真を悪用した女性を訴えることとかは考えていません。息子の死がリスペクトされることが何より大切なので、私たちは前向きに生きていこうと思っています。」

見知らぬ病気の赤ちゃんの写真を利用して、「高額な医療費がかかるので援助してほしい」と嘘をついて寄付金をだまし取ろうとしたアメリカ人女性。「病気の子供のために寄付金を募るという行為を侮辱したも同じ」とリーさんは怒りを隠せません。

心が折れそうになっている人の心情を真似し、更には他人の赤ちゃんの写真まで利用するという卑劣な詐欺行為。普通なら法的な訴えを起こしてもおかしくはないのですが、それをしなかったリーさんとマーティンさんは立派。否定的なことに精神をフォーカスするよりも、周りの人が温かくサポートしてくれた事実を喜び、愛する息子の死をリスペクトすることがリーさんにとってはなにより大切だったのでしょう。

ネットユーザの意見はやはり賛否両論

Licensed by gettyimages ®

このニュースを知ったネットユーザーたちは「だから繊細な子供の写真をサイトにアップするのはよくないってことなのよ」「SNSは気を付けないと」「なんて非道な輩なの」とここでもまた賛否両論の意見が。どんなニュースでも、いつでも誰かが賛否両論を唱えるということはやはりそれだけ否定的な見方をする人も存在するということ。

それを十分頭に入れて、私たちもSNSを利用しなければいけないということを改めて再認識させられます。とにかく今回はリーさんの最愛の息子、ヒューゴ君の写真が削除されたことが何より救いです。人の姿をしておきながら人とは思えない心を持つ人間がこの世にはたくさん存在します。そんな輩からお互い守り合うのもまたSNSのサポートの力といえるでしょう。リーさんの心が少しでも癒えることを願う筆者です。

この記事を書いたユーザー

Mayo このユーザーの他の記事を見る

公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

得意ジャンル
  • 話題
  • 社会問題
  • 動物
  • 海外旅行
  • 育児
  • テレビ
  • カルチャー
  • 美容、健康
  • ファッション
  • 感動
  • コラム
  • おもしろ

権利侵害申告はこちら