楽しみにしていた子供を死産で失ってしまうというのは計り知れない悲しみがあるもの。イギリス西サセックス州在住のタムジン・ロリンソンさん(29歳)は、3週間前に生まれてくるはずだった我が子を失いました。

娘を包んでいた毛布と同じものがほしい…

母親がくれたという毛布で死産した娘をくるんだタムジンさん。娘の亡骸は手元に置いておくことはできないけれど、娘を包んでいたあの毛布をどうしても自分の手元に置いておきたい…そんな気持ちで大手スーパーTESCOで探してみるとちょうど在庫切れということでした。

いつ頃在庫が入って来るのかとスーパーのスタッフに問い合わせをしたタムジンさん。その時に事情も話したそう。するとその翌日、デリバリースタッフが在庫の入った毛布と花束、そしてカードを添えて現れたのです。

わざわざデリバリーしてくれたスタッフの優しさに涙

実はタムジンさん、「在庫が入れば近所の支店まで取りに行きます」と言っていたそう。翌日の朝「倉庫に在庫がありました」とTESCOからメール連絡があったため、後日毛布が近所の店に来れば取りに行く予定をしていました。

ところがその日、自宅にいるパートナーのデイヴィッドさんから出先のタムジンさんに電話があり「スタッフがわざわざデリバリーしてくれた」と聞いたのです。頼んでいた毛布だけではなく、お悔やみの花束とカードまで…タムジンさんは、スタッフの思いやりに胸が熱くなりました。

約26kmの距離を届けに来てくれた

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近所の支店からではなく、26kmの距離をわざわざ届けに来てくれた優しさに心打たれたタムジンさんはFacebookでその感動の気持ちを綴りました。

「娘を包んだ毛布とどうしても同じ毛布を記念として残しておきたかったんです。」母親の子供を亡くしたばかりという非常に辛い気持ちを察したスタッフの計らいで、急きょ毛布の在庫を確認し翌日届けたという素早さは、正直、イギリスのサービスでは滅多に見られることではないといっても過言ではありません。

長年イギリス暮らしをしている筆者なので、イギリスのスーパーのカスタマーサービスというのはあまり頼りにならないことを知っていますが、この思い遣りに溢れた行為には胸を打たれました。

「まだこの社会には、人情というものが残っていたんだね」と誰かがタムジンさんの投稿にコメントしているように「捨てたものではないな」と思ってしまう出来事。こんな出来事がどこかで起こっていると知っただけでも、嬉しくなります。

タムジンさんには8歳と10歳の子供がおり、3女を失くしても子育てに忙しく、悲しみに浸っている暇はないかも知れません。でも誰かのちょっとした思いやりに心が随分救われることもあるのです。子供を失った悲しみから立ち直るにはまだまだ時間はかかると思いますが、今はゆっくり傷を癒してほしいと思います。

誰かをほんの少しでも思う気持ち、いつも私たちも忘れずにいたいものですね。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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