この頃では、”オーストリア発のケーキ”としてザッハトルテのイメージがかなり定着してきましたよね。しかし、かつてハプスブルク帝国の帝都であったウィーンは、日本ではまだまだ知られていない、知られざる銘スイーツの宝庫!フランス菓子とも一味違う、独特のケーキ類をこれから紹介したいと思います。

出典Hotel Sacher

オーストリアを代表するケーキといえばこれ!昨今では日本でもよく見掛けるようになりましたよね。しかし”オリジナル(元祖)”を称することができるのはホテル・ザッハーの商品のみ。しかも、すべての製造工程を掌握しているのがたった三人のみという、門外不出のレシピを持つオーストリアの高級チョコレートケーキです。
ザッハトルテのしっとりとしたスポンジと、中に挟み込まれた甘酸っぱいアンズのペースト、そしてちょっぴり苦みの効いたチョコレート・フォンダンの組み合わせはまさに贅沢そのもので、「世界一のチョコレートケーキ」や「チョコレートケーキの王様」などと称されるのも納得です。

マラコフトルテ

出典筆者

ザッハトルテに比べるとぐっと知名度が下がるものの、ウィーンっ子たちのスイーツマニアの間では根強い人気を誇るのが、こちらのマラコフトルテです。ケーキ名の“マラコフ”の由来には諸説あるようですが、クリミア戦争で獅子奮迅の活躍したフランス軍元帥マラコフ公爵、そして同じくクリミア戦争の激戦地・マラコフ砲台の二説が有力とされています。しかし、当のケーキはそんな物騒な経緯はみじんも感じさせない芸術的ビジュアルで、サクランボのリキュールに浸したビスコッティの層を積み上げたものを、仕上げにバニラクリームと生クリーム、それに前述のリキュールを混ぜたペーストを塗って作られたもの。

出典筆者

昨今のウィーンの流行りとしては、従来のクリームよりもアーモンド・バタークリームやウォールナッツ・バニラクリームなど、少し変化球の効いたテイストが好まれているようです。ケーキの上にひとひらのビスコッティをあしらっただけのごくシンプルなデザインが定番ですが、皇室御用達店デーメルなどは、シシィ(皇后エリザベート)がこよなく愛したスミレの砂糖漬けと、香ばしくローストしたピスタチオをケーキにトッピング。
当時の皇帝一家や貴族たちの宮廷文化を疑似体験できてしまいそうな、この上なく雅やかなマラコフトルテをサーブしていることで知られています。

エスターハージートルテ

出典筆者

かつてハプスブルク家がオーストリア=ハンガリー二重帝国時代を築き上げていたことをご存知の方もいらっしゃることでしょうが、このエスターハージートルテはその二重帝国時代にブダペストのパティシエによって生み出されたクリームケーキの一種。ハプスブルク家に奉公していた貴族であるエスターハージー家から名前が付けられたとされています。


出典筆者

このケーキは、うっすらと黄みを帯びたバタークリームとビスケットの層が交互に重ねて作られており、トップのアイシング部分には、何とダークチョコレートでエスターハージー家の紋章が見事に施されています!サイドはブリトルや砂糖漬けフルーツなどがあしらわれているなど、少し重めの質感がいかにもオーストリアらしさを感じさせるケーキであると言えるでしょう。

出典筆者

オーストリアにはこの他にも、驚くような芸術的、歴史的ケーキがまだまだたくさん。
ご興味のある方は、ぜひ一度ウィーンに味わいにいらして下さいね!

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