6月、カナダは卒業シーズンです。

今日は、隣家の娘が高校を卒業しました。
午後から、友人たちを招いて賑やかにパーティーが繰り広げられている模様。
歓声も音楽も、若いエネルギーに溢れていて、こちらまで元気がもらえそうです。

でも、何を隠そう、実は私もカナダで高校課程を修了したのでした。
しかも、50歳を過ぎてから。


なぜそんなことをしたのか。

英語で全教科を学んでみたかったからです。
幸い、自宅近くに校外学習センターのような施設があり、毎日通って勉強することができました。
授業は基本的に自習ですが、先生が教室に常駐しているので、質問があれば答えてくれます。

この学校、言って見ればオルタナティブスクールですので、通常の学校へ通わない生徒が学ぶ場でもありました。
また、ケガや病気などで長期間通常校を休んだ後に、一時的に在学している生徒もいました。

私が住むオンタリオ州は、州外から越して来て就活するカナダ人にも、同じようにオンタリオ州の高校卒業課程と同等の資格取得を要求するため、他州から移って来た人々もしばらく通うことになったりします。就職が決まった会社から言われて、試験を受けに来るのです。

そしてまた、私のような新移民の人々もいます。
外国で取得した学位をそのまま認めてくれる場合も多いのですが、面白そうなので求められている全科目を勉強して受験してみました。
エッセイを書く作業が多く、結局1年ほどかかってしまいました。

他には、若い頃になんらかの事情があって高校を卒業できなかったという高齢者もいて、通学できない人には自宅学習という方法がとられています。
決められた日に出席したり、課題を電子メールや郵便で提出したり、できる範囲で頑張れるように、様々な手段がありました。

いよいよ私の全単位が揃い、卒業できることになりました。
卒業証書(ディプロマ)だけもらえば良いと思っていたのですが、同地域の他校と合同卒業式をするとのことで、卒業式に呼んでもらえました。

いい年をしたアジア人のおばさんが…と一瞬躊躇したものの、カナダの高校の卒業式というものに行ったことがなかったですし、まして自分が卒業する側というのは滅多に経験できないぞ、と思い直して参列しました。

会場へは黒いビジネススーツで行ったのですが、長いガウンを貸してもらえました。
テレビドラマで見る、袖のゆったりしている、あの服です。

ガウンを羽織ったら、記念撮影。
ポーズを変えての個人撮影、分校ごとでの撮影と、老いも若きも満面の笑顔です。
日頃会う機会がなかったけれど同じ学校だったのね、という白髪の人たちの多いこと。
何年もかかって卒業したそうですが、喜びもひとしおでしょう。
こんなに卒業生の年齢に幅があるのって、ステキです。

テレビや映画で見る大学の卒業式のように、名前が呼ばれて壇上で一人ひとりに証書が手渡されました。

証書が全て渡された後、州の教育委員会の方のスピーチの中に、
「日本では7回転んだら8回起き上がれば良い、という諺がある」
というのを聞いて、遠い日本をふと思い出したのでした。

年齢を問わず多くの人に門戸の開かれたカナダの高校教育に、感動した一日でした。

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名古屋市出身。転勤族の夫に帯同し、バンコク、香港、東京、カイロ、リヤド、アルジェに赴任後にカナダへ移住、現在に至る。

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