去年、日本で「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」として放映されたイギリスのE.L.ジェイムズによる官能小説を基にした映画は、母国イギリスではまず小説がベストセラーとなり、官能シーン満載の小説が映画化されると、想像した以上の激しい性描写にイギリスだけでなくアメリカでも男女ともに大興奮。

その後、SM的要素を含む際どいシーンがあるこの映画はイギリス人の間では男女の激しい理想のセックスの在り方としても話題になりました。

この映画の大ヒット後、イギリスでは密かに「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」のSM的なプレイを好むフェチが集まるクラブが開かれるように。北ヨークシャー州に住むある男性は、ヨーク大学主催の「SMフェチクラブ」に2010年~2012年の間参加。当時、「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」はオンライン小説から書籍化されたばかりで、イギリスでは既にじわじわと人気になっていました。

「そんな昔のことにどうしろと…」

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男性からするとSMプレイを楽しんでいた時代はもはや昔の話。今は2児の父親です。「自分は何の罪も犯していないし、だいたいこれまでの人生で違反切符も切られたことがない。」と今回の処罰に憤りを隠せない様子。

このフェチクラブが警察に目を付けられてから、参加していた男性の身元が調査され過去にインターネットサイト「Tinder」でこの男性が卑猥なプレイをしていたという事実があることが発覚。そのため警察はこの男性を「Sexcial Risk Order」(性犯罪の危険性がある)と認定したのです。

「警察に人生台無しにされたも同じ」

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過去に性犯罪者としての前科があるならともかく、犯罪を犯してもいないこの男性に裁判所で前代未聞ともいえる判決が下されたことに対し、男性には怒り以上に絶望感が広がっています。

男性が言い渡されたのは

●女性とセックスする24時間前には警察に報告すること
●警察にその女性の名前、住所を明らかにすること
●報告を受けた警察は、その女性に男が「危険を及ぼす可能性が無きにしも非ず」ということを伝える義務を持つこと
●携帯電話、PCなど電子機器を警察が要求すればすみやかに手渡すこと
●インターコム使用禁止

ということだそう。

人権問題に関わるのでは…?

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犯罪を犯してもいないこの男性に対してここまでとなると、さすがに人権問題に関わるのではと思わざるを得ません。この男性に対しては、裁判所で「レイピストではない」という判決がはっきり出ているにも関わらず、これはさすがにちょっと酷な気もするのですが…。

「女性と関係を持つことなんて一生不可能だ」

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「もし、誰か新しい恋人ができてロマンチックにフレンチレストランかどこかでディナーをして、良い雰囲気になったとしても『ところで、僕とセックスしたかったら24時間以内に警察に君の住所と名前を報告しなきゃいけないんだ』と言わなきゃいけない。これがどんなに雰囲気をぶち壊すか想像するのは簡単でしょう。」と男性。

「もしもし、あなたがあの男と明日セックスする女性?」

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「仮に僕が警察に『明日女性とセックスします』って言ったとして、警察はその女性の家を訪ね、僕が性犯罪の危険性がある人物だと判決を受けたという旨を伝えて、また帰っていくんです。こんなバカバカしいことってないでしょう。」

確かに想像すると呆れてしまいますね。こんなことを聞かされた女性側は「百年の恋も冷める」でしょう。この時点で男性と女性の関係が続かないのは明白。

「警察は、僕が女性と関係を持つことを一生不可能にした。クラブに参加していて、色んなセックスの形があることを知りみなそれを楽しんでいただけだ。何一つ害があることじゃない。」

この男性、警察になんと電子機器の暗証番号まで聞かれたそう。「教える義務なんてない」と怒り心頭ですが、裁判でそのような判決が出た以上逆らうことは許されないのです。

「刑務所内のほうがまだ自由がある」

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今回の判決の決め手となったのは、男性が過去にSMクラブに通っていたことと、医師にSM癖について相談したこと。この医師が少し誤解して裁判で証言したことにより「単なるSMプレイ好き」の男性が「女性に危害を加えかねない危険人物」となってしまった様子。

ただ、犯罪者でない以上これはやり過ぎではと思う気持ちが否めません。男性が言うように「まだ刑務所に入っている方が自由がある」という言葉に納得。男性は今後法的措置を取るつもりだそうですが、どこまで解決できるのかはわかりません。

みなさんはこの驚くべき裁判所の判決をどのように思いますか?警察側はメディアに対しノーコメントだそうですがこのニュースを知った人達は驚きを隠せないようです。

まだ45歳の男性。全てを諦めるにはまだ早い年齢であるにも関わらずこのような判決を下されてしまいショックの日々を過ごしているということです。「人生台無し」とはまさにこのこと。この判決を覆せない限り男性に希望の日が訪れることはないというのが本当に気の毒ですね。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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