ばあちゃん、介護施設を間違えたらもっとボケるで!

出典楸獅 雪那

介護関係の仕事をしているので、介護に関する本を読むことが多い。

そのなかで出会ったのが、丸尾和宏さん、丸尾多重子さんの

「ばあちゃん、介護施設を間違えたらもっとボケるで!(ブックマン社)」という本だ。


今まで私が読んできた本は、介護技術やコミュニケーションの基礎を学ぶものだった。

本屋でこのタイトルを見たときに、気になって中身もチェックせずに即購入をした。

私は介護の仕事が好きだ。

この本を読み終えたとき、介護の現実を突き付けられた気持ちだった。

私の働いている施設は「いい施設」の部類に入るのだろう。

私は、今のところしか知らない。

この本を読んで「他のところなんて絶対行かない」と思ったくらいだ。


それ以降、責任者や社長からほかの施設について聞いたり

他の施設も利用している利用者さんにそれとなく聞いてみたりしている。


これから先の時代

介護の仕事は需要が拡大してくる。

とても誇り高い仕事であるはずなのに…

介護業界の現実は、働く側にとっても厳しいが

利用する側にとっては、もっと厳しい。

介護施設はとてもいいところ?

新しい介護施設ができるよ、新聞に公告が入っていたり
テレビCMで流れたりする。

中には、ニュースやメディアで取り上げられる施設もある。

外観はホテルのように綺麗だが

綺麗だからという理由で施設を選んでいいのかじっくりと考えてほしい。


介護施設に入所するということは

住み慣れた自分の家から離れて
その施設を自分の家として、生活をするということだ。

そして家族でもない、ただの他人と一緒に暮らしていく。

自分の家に戻ることはないと言ってもいいだろう。

最期をそこで迎えるのだ。

この本を読んでもらえればよくわかるが

見た目に騙されてはいけない。


施設が入居者を得るためにアピールしているところは

すべていいところである。

悪いところを隠すのは当たり前。

エントランスはホテルのように綺麗でも
入居者の部屋はいつ掃除したかわからないくらいホコリまみれだったと書いてある。


実際、私も他の施設を見たことがあるが
デイサービスを受けている利用者がいる部屋が尿のにおいで臭いと思った。


介護施設は全国にたくさんある。
次々と新しい施設ができている。

質の高い施設も低い施設も
ピンからキリまで。


例え、ホテルのように綺麗な施設であっても

一生、そこで生活をしていくことは
本当に幸せなのかと私は思います。

間違えたら人らしい生活は送れない

介護施設を間違えると、利用者は人として扱われない。

私の友人は特別養護老人ホーム(特養)で働いている。

介護職員初任者研修を経て、技術を身に着けるために特養勤務を選んだ。

そこの施設は彼女曰く「利用者が人として扱われていない」と。

ただ機械的に介護をしているだけ。

その施設が特別なのかもしれないが
実際にそのような施設も存在しているのだ。

利用者は、認知症である。

重度の人も軽度の人も一緒の場所にいて
利用者同士でコミュニケーションをとるころは難しい。

そこは、スタッフのコミュニケーション技術で
利用者同士の間に入り、手助けをするのが理想だ。


しかし、機械的に介護をしているだけなので
コミュニケーションをとることは一切しない。


それでは軽度の認知症の人も悪化してしまう。

特養で働く彼女は、優しく強く、思いやりもある。
その話を聞いたとき「辞めてほしい」と思った。

彼女はそこにはもったいない。

しかし、彼女は強い人だから
負けたくないと言っている。

この間は気の合うスタッフと

「一発なんかやってやろうぜ‼」と盛り上がったらしい。

彼女の施設にも、そう思っているスタッフがいることに安堵した。

自分がされて嫌なことは誰でも嫌

介護施設での虐待などは

ニュースで取り上げられているため知っている人も多いだろう。


人の痛みがわからないのはなぜか

それは、痛みを感じたことがないから。


殴られたことのない人は
殴られた痛みを知らない。

傷ついたことのない人は
傷つけられた痛みを知らない。

嫌な思いをしたことのない人は
人がなにを嫌だと思うのかわからない。


強くて、優しい人たちは
本当につらくて、苦しい体験をしてきた人だ。


そんな人は、人を傷つけたりはしない。

しないのではない、できないのだ。

自分が痛みを知っているから。


「もし自分がこんなことをされたら」

そう考えてほしい。

最期まで人らしく生きられるように

誰かと会話をすること
コミュニケーションをとること

自分の役割があること

できることはできる限り自分ですること。


そうしなければ、人は「生きている」ことを実感することはできない。


介護は機械的にお世話をすることではない。

その人が、日常生活をいつもどおりに送れるよう

「手助け」をすることが介護という仕事である。



自分でなにもすることがない

誰とも話をしない。


そんな生活をしていて

生きていて楽しいのか

幸せなのか


しっかり考えてほしい。

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