自己責任の一方で

『 自己責任 』という言葉がもてはやされて、もう数年は経っただろうか。

この言葉が流行し始めた頃は、何でもかんでも『 自己責任で 』と言えば全て通用してしまうような、無責任な世の中になってしまうのかと危惧していたが、どうやらそれほど単純に受け入れられはしなかったようで、それに関しては少しは安堵している。

ただし、その代わりと言うわけではないだろうが、テレビの様々な番組を観ていても分かるように、数多くの『 注釈 』が氾濫し、小うるさい文章が画面の片隅に小さく表示される、いちいち何に対しても個人で判断することを許さず、事細かく手取り足取り指導されることが、この国では当たり前のように通用してしまっている世の中になってしまったようだ。


当たり前のことが当たり前に通用しない日本

『 このドラマはフィクションです。』に始まり、『 安全に配慮して、専門家の指導の下に実施しています。』とか、『 番組の為に特別に試食させて頂きました 』だの『 危険ですので絶対に真似しないで下さい。』や『 あくまでも個人の利用した感想です。』等々、注釈・注意書き等の小さな文字が、放送中に出てこない番組を探す方が困難なほど、このような無駄な文章がどの放送局の番組でも氾濫している。

手取り足取りは、テレビ番組の中だけではない

こういう、そんなこといちいち言われなくても、当たり前に分かり切ってることだろうという様な事まで、いちいち説明文や注釈にしてしまう『 余計なお世話 』的な文章が氾濫しているのは、なにもテレビの番組の中だけではない。

商品を買えばその全てに、これでもかと言わんばかりの『 注意書き 』が羅列されているし、ちょっと見れば分かるようなものでも、例えば『 これはお酒です 』や、『 これは飲物ではありません 』とか、『 小さなお子様の手の届かない場所へ保管して下さい 』だの、およそありとあらゆる事柄を想定して、全ての起こりうる危険や事故の心配をして、未然に思い付く限りの注意事項を書きまくっているとしか言いようがない物ばかりである。

いったいどれほどクレームを言われるというのか

メーカーやテレビ局は、いったい何をそんなに恐れているというのだろうか?

一般的に売られている商品を使って、あるいはその食品を食べた消費者が、いったいどれほどの多人数の人間が、その商品のせいで怪我をしたり、あるいは危険な目に合ったり、飲料や食品を摂取して体調不良に陥ったり、誤飲や誤食をしたり、それをもとにメーカーにクレームを起こすというのだろうか?

いくらモンスタークレーマー供が多く繁殖している時代だとしても、あまりにも異常な事態だと言えるのではないだろうか。


それとも日本人は自分の頭で判断できない?

いくら日本中に、ゾンビの如く モンスタークレーマー供が増殖しているとはいえ、そこまでメーカーやテレビでありとあらゆる事を想定して、事前に懸命に訴えなければならないような、非常識な要求を突き付けるクレームが、どれほど多く殺到するというのだろうか。

それとも、企業が消費者を、事細かく説明しなければ理解できないほど、頭が回らない人間ばかりだと判断しているか、もしくはその反対に、日本人はメーカーやテレビ局から、何でもかんでも、事細かく全て注釈を用いて説明されなければ何も判断出来ないような、頭の悪い人間しかこの国には存在しないのだろうか?

危険を基準にされては困る

いちいち番組の最後に注意文を画面上に表示して放送されければ正しい判断ができないような、全ての商品の裏側に注意書きが書いていなければその品物を正しく利用できないような頭の悪い人間や、あるいは何かにつけてメーカーやテレビ局に対して、商品の使い心地とか番組の内容に関して、いちいち文句をつけるようなおかしな人間を基準にされては困るのである。

ごくごく普通に、当たり前に生活を送り、ごく普通にテレビを観て、普通の商品を当たり前の使い方で利用し、当たり前の飲食物を、ごく普通に摂取できるはずの大多数の人間を対象にすべきものを、ごく少数であろうはずの、危険な商品の使い方や間違った飲食物の摂取方法をする人間の為に、一般的に利用する人間が犠牲にならざるを得ないのは納得がいかないだろう。

まして、最初から悪質なクレームが来るのを想定して、メーカーやテレビ局などの企業が、商品や番組の終わりの注意書きにそういう表示をするというのは、国民や消費者を 最初からモンスタークレーマー等の、悪の対象として認識していると言わざるを得ないのではないか。

普通の暮らしをしたいだけなのに

なぜこんな国に成り果ててしまったのだろう。

なぜ自分の頭で考え、当たり前のことを当たり前に、正しく判断してスムーズに実行できないような、愚かな国民の氾濫する国に成り下がってしまったのか。

放送事業者もメーカーも最初から視聴者や消費者を疑い、国民は国民で重箱の隅をつつくように、何から何まで目くじらを立てて文句を言いクレームにする。

そんな国になってしまって、いったい何がそんなに楽しいのか。

注意書きの文章を読んでいると、今迄自分の頭でちゃんと理解出来ていた筈の、当たり前の判断が出来なくなってしまうような錯覚に陥りそうになってしまう。

危険危険、あぶないアブナイと、いつもいつも言われ続けているうちに、普段の何ともない事さえも、まるで今にも危険なことが起きるような予想をしてしまう暗示に掛けられてしまっているようである。

すべての国民が もっとしっかりと自分の頭で考えて判断し、自分の頭で理解して行動してくれる、他人に手取り足取りいちいち指導されなくとも的確な判断をして正しく行動できる、ごく当たり前の自然な国に立ち返ってほしいとつくづく痛感させられる出来事である。

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