ペットを飼うからには最後まで責任を持って面倒を見る。これは飼い主としての常識です。ところがその責任を放棄して虐待したり捨てたりする飼い主は後を絶ちません。そして飼い主が不幸にも先に亡くなってしまった時にも、ペットたちは飼い主を失って路頭に迷うことだってあるのです。

このほど、米コネチカット州で起きた悲しい出来事が動物保護団体「The Little Guild」のFacebookに投稿されていました。施設の郵便受けの傍に置かれていた箱。そこには一通の手紙がありました。

「本当にごめんなさい」

出典 https://www.facebook.com

「この猫はバルといいます。彼をこんな風にここに置いていくこと、本当に本当にごめんなさい。バルの飼い主が予期せずに亡くなってしまってから私たちが彼の面倒を見ていましたが、もう無理なんです。
バルに新しい家をどうか見つけてやってください。箱に少ないけど餌を入れておきます。どうかわかってください。私たちはバルのために、もうこれ以上何もできないんです。」

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誰かのペットであったらしいバルは、この手紙の主に短期間面倒を見てもらっていたようです。でも何らかの事情によりこの飼い主もバルを手放さなければならないことに。そして猫を箱に入れ、雨降る寒い中そのまま放置したのです。

箱は空っぽだった…

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施設のスタッフが気付いた時には、箱は空き箱となっていました。どうやら猫は箱から出て逃げてしまった様子。近辺をスタッフと近所住民が協力して探し回ったものの、バルがどんな猫かもわからないということもあり、結局見つけることはできませんでした。

「絶対に捨てないで」

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バルにとってもっと幸せな飼い主と家が見つかれば…という切迫した状況で、この手紙の主はバルを捨てたのでしょう。それでも、ペットを捨てるということは絶対にしないでと施設のスタッフは訴えます。

このように箱から逃げ出したことによって、ひょっとしたら事故に遭うかもしれません。飢え死にしてしまう可能性だってあるのです。亡くなった元の飼い主の代わりに例え少しの間でも世話をしていたなら、どうして施設に直接持ち込むぐらいの優しさを見せてくれなかったのか…。

手放さなければならない事情ができたのなら、少なくとも手順を踏むことはできたはず、と保護団体はFacebookで訴えています。「無慈悲で違法」といわれるペット放置はどこの国でも後を絶たないために、きっとシェルター(保護施設)にいる犬猫の何倍ものペットが今でも路上を彷徨っているに違いありません。

それでも「諦める前に精一杯のことをしてあげてほしい」と保護団体。今回も、元の飼い主が亡くなってしまったことが不幸でしたが、やはり箱の中にペットを入れて放置するというのは愛情を持ったやり方ではないのではないでしょうか。

日本でも増加している他人事ではない事情

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最近は日本でもペットを飼っていた高齢者が亡くなった後に、ペットが放置されているケースが増加している様子。飼い主の傍を離れずにペットもその横で餓死していたという悲しい結果に終わってしまうのは見るに耐えません。

病気や事故が原因で突然飼い主に先立たれるペットたちを十分に保護してケアする社会になるには、まだもう少し時間がかかりそうな日本。震災が起こり、被災地でもペットと暮らすことの困難を痛感している被災者たちも大勢いると聞きます。

ペットを飼っている人は、そのほとんどがペットを「家族の一員」だと思っています。引き受けたからには最後まで責任を持つ必要があるのではないでしょうか。どんなに切迫した状況であっても、この手紙の主は自分の家族を外に放置したりはしないでしょう。

「捨てる前に考えてほしい」動物保護団体をサポートするメディアは訴えます。そしてペットを飼う時には、私たちが万が一先立ってしまう場合のことも事前に考えておく必要があるのではないでしょうか。去ってしまったバルがどこかで元気でいることを願ってやみません。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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