道路わきにしゃがみこむ男性の姿が

夕方、外出先から車で家に戻ろうとしていた時の事。家までの最後の交差点を右折しようとして、安全確認のため左側を見たら、年配の男性らしきが道路脇に座っているではないか。。

「酔っぱらってしまいました。。」

何事?と気になったけど、車を停められなかったので、とりあえず、家まで戻って車を停めて、徒歩で確かめに行った。

すると、男性は、倒れないように電柱につかまって、なんとか立とうとしているのだが、立てずにまたしりもちをついてた姿を目撃。。

思わず駆け寄って「どうされました?」と声をかけて、男性の前にかがんだ。すると、男性は私の顔を見て、ニコリとほほえみ、かぶっていた帽子をとって、こう答えた。「酔っぱらってしまいました。。」 

会話

「大丈夫ですか?家はこの近くですか?」

「はい、後ほんの100メートルくらいのところ。。」

「立てないんですか?誰か家にいらっしゃいますか?」

「いえいえ、私1人なんですよ。。寂しい1人暮らしなんですよ。。」

「歩けないんだったら、私、車、持ってきましょうか?」

「いえ、大丈夫です。ご親切にありがとうございます!」と男性は言い、私に対して手を合わせた。まるで拝むように。。

そんな会話を続けても、どうしようもないと判断した私は、「ちょっと待っててくださいね。私の主人を呼んできますから!」

誰一人立ち止まることもなく声すらかけてくれない

その間、道路わきにしゃがみこんでる私たちを尻目に何台かの車が通り過ぎて行ったが、1台も停まって「どうかしましたか?」という言葉をかけてくれる人はいなかった。歩行者も何人か通りがかったが、誰も声をかけてはくれないし、立ち止まることもしなかった。

男性の様子が明らかにおかしいというのは、ちょっと見ただけでもわかるのに。。私と男性の会話を聞いてても異変が起きているということははっきりとわかるのに。。

夕暮れ時の道路わきにそのまましゃがみこんでいたら、とても危険である。

男性からすぐそばの交差点では、数年前に横断歩道で女性が交通事故に遭い死亡している。横断歩道ですらそんな事故が起きるのに、ましてや薄暗くなった道路わきに人が座っているなんて、とても危険な行為である。

何故、誰も声をかけてくれないのか?

女性の私1人では、どうしようもなかったので、仕方なく家まで戻って夫と息子を呼んでくることにしたのだ。

家族で駆け付けた

幸い日曜日だったので、息子も仕事が休みで家にいた。

家の玄関を開けたら、そこに夫がいた。

夫に対して「ちょっと来て!助けて!」息子にも「ちょっと出てきて!手伝って!」

「いったいどうした?!」「近所の男性が酔っぱらって道路に腰を抜かして立てないでいるの!家が近くだというので、送ってあげたいの!」

夫と息子を連れて男性のところに再び戻った。

男性が座り込んでいた家の前の人がちょうど帰ってきたところで、初めて「どうかされたんですか?お知り合い?」と声をかけられた。

「いいえ、通りがかりなんですけど、家がすぐ近くだと言われるので、送っていこうと思います。」

「大丈夫ですか?何か手がいりますか?」

「たぶん。。私たちだけで大丈夫だと思います。」

結局、その人だけが声をかけてくれた。何人も知らん顔で通り過ぎて行った人はいたけど。。日本って、こんな国だっけ?

家まで送った

夫と息子がそれぞれ男性の腕を肩に回し、私が男性の体を後ろから支える形でなんとかその場から立ち上がらせることができた。

そしてそのまま、男性の家までゆっくりと歩いて送っていった。男性の意識ははっきりしていた。でも、やっぱり酔っぱらっていたので、言うことが時々おかしかった。

男性「まだ、30歳ですから。。」
私「いえ、どう見ても30には見えませんから。。」

男性の家はそこから約300メートルくらい行ったところにあった。
男性が道案内をしたのだ。100メートルと言ってたけど、男性を支えたままで歩くには、結構遠かった。

家の玄関の鍵を開け、男性が中に無事入るのを確認してもう1人で大丈夫か?ということを確認して、玄関を私が閉めた。

私たち家族が門を出ようとしたら、「ドン!」という大きな倒れる音がして、慌てて戻って玄関を開けたら、男性が玄関の上り口で仰向けに横になっていた。

「本当に大丈夫なんですか?」と尋ねたら、「はい、大丈夫です!ありがとう!」と手を振ってきたので、それ以上はもう何もできないと判断して再び玄関を閉めて私たち家族は立ち去った。

なんでみんな知らん顔ができるのか?

「なんでみんな知らん顔してたんだろう?(男性が座り込んでいた家の前の)奥さん以外、誰も声すらかけてくれなかったんだよ。車は何台も通ったし、人もそばを通ったのに。。」と私が言うと、夫がこう言った。

「日本は酔っ払いが結構路上にいるんで、みんな慣れちゃって、関わりたくない人が多いのかもしれない。。」

私「でも、どうしたのか?と聞いて見なければ、あの男性が酔っ払いだとはわからなかったと思う。あんなところにしゃがみこんでたら、危ないし、普通、どうしたのか?くらいきいてもいいと思う。。私はね。。そう思った。。みんな冷たすぎるよ!」

夫「まぁなぁ~。。」

息子「僕、酔っ払いって初めて見た!」

そうなんだ。私たち母子は、アメリカでずっと暮らしていた。アメリカには道路に酔っ払いがそうそういることはなかったんで。。私たち母子が特別そういうのに慣れてなかったからなのか?

それにしても、明らかに酔っ払いとわかるようなくだまいているような感じなら別だが、ただ黙って座りこんでた人に対して、しかも、住宅地なんだし。。。明らかにどうみてもご近所さんだし。。やはりどうしたんですか?くらいきいてもいいと思う。

男性は、スーツ姿だったのだ。身なりはキチンとしていた。男性いわく、「xx庵のお茶会に行った。。」そうだ。毎年、そこでお茶会が開かれるのは、私も知っている。でも、そこでお酒はでないけど。。

結構な数の人たちがみんな無視していたことになる

ここは、駅とか、飲み屋街とかではない。静かな住宅地なのだ。そこで道路わきに人がしゃがみこんでいたら、やはり声を普通なら。。かけると思うのだが。。

私が通りかかるまで男性がいつからあそこにああしていたのかは不明。けど、私が男性に声をかけている間でも、何台も車はそばを通ったし、人も通った。

結構な数の人たちが、みんな無視していたということになる。

そんなものなのだろうか?それともこの住宅地が特別で、冷たい人たちが多かったのだろうか?

男性が酔っぱらってしゃがみこんでいたことよりも、私は誰も声をかけなかったことの方がとても衝撃的で、信じられなかったのだ。

あなたならどうしますか?

さて、あなたなら、声をかけましたか?

それともやはり関わりたくないので、見て見ないふりをしましたか?

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最後まで読んでいただきありがとうございました。
日本生まれですが、米国に30年間住んでいた米国籍のライターです。2014年に家族で日本に移住してきました。どうぞよろしくお願いします。

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