去年、コロラド州で起きた身の毛もよだつような、そして何とも痛ましい事件が起こったのを覚えているでしょうか。当時妊娠8ヶ月だった女性が、一人の女に襲われ子宮を切り裂かれてしまった事件です。

ミッシェルさんはある日、ある広告を見つけた

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去年、妊娠8か月目だったミッシェル・ウィルキンスさん(当時26歳)は、ある日、あるサイトの広告に「ベビー服売ります」という文字を見つけました。広告を出していたのはダニエル・レーン(36歳)。ミッシェルさんは早速ダニエルに連絡し、彼女の家にベビー服を取りに行くことに。

これが悲劇の原因となった…

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もうすぐ生まれてくる我が子のためにとダニエルの家にベビー服を受け取りに行ったミッシェルさんは、殴られてダニエルにキッチンナイフでお腹を切り裂かれました。そして胎児を引っ張り出されてしまったのです。

ミッシェルさんは意識が朦朧としながらも救急に連絡し一命を取り留めましたが、残念ながら胎児は死亡。ミッシェルさんが血まみれで倒れている間に、ダニエルはミッシェルさんの子供を仕事から戻ってきた夫に「流産した」と見せていたのです。

風呂場に行くと出血したかのような痕跡があったために、夫はダニエルさんと子供をすぐに病院へ連れて行きました。その時、家でミッシェルさんが倒れていたことには全く気付かなかったと話しています。

病院で「この子を助けて下さい」とダニエルは懇願したそうですが、ミッシェルさんの子供がは命を吹き返すことはありませんでした。

二児の母であるダニエルにはもう一人子供が

実はダニエルは、2002年に当時19か月の息子を事故により亡くしていました。当時3歳と5歳だったダニエルの娘二人が、池で溺れている弟を発見したのだそう。それ以来、深く沈むようになったダニエル。

可愛い盛りの我が子を失った絶望から、狂気が芽生えてしまったのでしょうか。8か月の妊婦のお腹を裂いて子宮から胎児を取り出すというのは、まともな神経ではできないこと。ダニエルの頭には見知らぬ妊婦のお腹にいる胎児が、失ってしまった息子に思えてしまったのか、息子の生まれ変わりだから自分が欲しいと思ったのか…真実はわかりません。

ミッシェルさんを襲う前、妊娠したフリをしていた

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ダニエルが子供を亡くして以来、精神を病んでいたかも知れないということで裁判でも判決に微妙な揺れが生じ、アメリカ中を震撼とさせた凶悪犯罪事件であるにも関わらず「殺人罪」には適用されない可能性もあるとなったことから、全米中が激怒。

何の罪もない妊婦を地獄に陥れ、胎児の命を奪った罪は、我が子を亡くした悲しみにより引き起こされた不幸な事件であっても同情の余地はないのではないかという声が多くよせられたそう。

度重なる裁判では、反省の言葉も謝罪の言葉もなかったというダニエル。ところが、自分の娘二人からの手紙の内容を聞いた時に涙が頬を伝いました。そしてついに謝罪の言葉をミッシェルさんに口にしたのです。

殺された我が子の引き延ばした写真を裁判に同席

「ベビー服を売ります」と言ってきたダニエルさんを親切な人だと思っていたミッシェルさんの気持ちを裏切るどころか、腹部まで切り裂かれ胎児を奪われたミッシェルさんの苦悩は想像を絶するものでしょう。

ダニエルの謝罪や反省の言葉を全く聞けないまま、裁判では弁護士同士が「殺人罪」「傷害致死罪」で争う羽目に。そのたびに、裁判に同席させていた亡き娘の、まるで眠っているような姿の写真を眺めながらミッシェルさんは何を感じていたでしょうか。

最後の最後に謝罪の言葉を本人の口から聞いたものの、「できるだけ極刑にしてほしい」と裁判官にお願いしたミッシェルさん。心待ちにしていた最愛の我が子をこんな形で奪われれば、誰でも相手に極刑を求めるのは当然のことでしょう。

「懲役100年」という判決が下された

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ダニエルには実刑「禁固100年」が科せられました。「正しい判決ではあったと思います」とミッシェルさん。

家族と抱き合って判決をかみしめる瞬間

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この1年間、ミッシェルさんが絶えて来た毎日は計り知れない苦悩だったことでしょう。「あなたは自分のしたことに対して、まっすぐに向き合わなければいけない」判決が下されたダニエルに言葉を投げかけたミッシェルさん。

判決が100年でも200年でも、ミッシェルさんのお腹ですくすく育っていた子供の命は残忍な犯行により奪われ、その事実は一生消えることはなくミッシェルさんを苦しめることでしょう。

ダニエルによって無残にも命を奪われた子供は、ミッシェルさんを「ママ」と呼ぶ機会さえ与えられなかったのです。裁判の度に自分がされたことを思い出さないといけない辛さも相当精神的に応えたことと思います。

それでも強く、犯人と向き合い、判決を自分の目で耳で確かめたミッシェルさん。最期にメディアに向かって「ありがとうございました」と涙ぐみながら言った姿に多くの人が心打たれました。

事件を起こした時点で「母」であることを止めたダニエル

出典 https://www.youtube.com

ダニエルは、自身も二人の子供の母親でありながら、その最愛の子供たちを不幸のどん底に突き落としました。彼女が犯した犯罪は、今17歳と19歳の娘の心にも消えない傷を植え付けまたのです。子供たちから読み上げられた手紙に涙するダニエル。でも、その数百倍もの涙をミッシェルさんと家族は流し続けてきたのです。

子供を失う悲しみを自らが知っていながら、見も知らぬ妊婦の胎児を奪ったダニエルの罪はやはり重いでしょう。懲役100年が妥当かどうかは誰にもわかりません。彼女が牢獄の中で、ミッシェルさんに懺悔を請うことはあるのでしょうか。

二人の娘のことを思って流した涙が、ミッシェルさんのために流される日がいつか来ることを願わずにはいられません。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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