頬を伝い落ちる自分の涙さえ拭けない…健常者からはその辛さは恐らく想像もつかないでしょう。9歳の時に交通事故に遭い重傷を負った一人の少女。命を落としてもおかしくないほどの事故で奇跡的に助かったものの、少女は一生「四肢麻痺」という障がいを背負うことになってしまったのです。

少女の人生は9歳の時に変わった

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フィンランド在住のジャスミン・ブリトニーさん(26歳)は、3人きょうだいの末っ子として生まれました。本名はカタリーナ・コスキランタ。両親の愛に恵まれた少女は、当時爆発的に人気があったイギリスのポップグループ、スパイスガールズの大ファンでした。

ある日、スパイスガールズのキャンディを買いに近所のお店に行く途中で、家の目の前の道路を渡った瞬間、車に撥ねられたジャスミンさん。運転手の「ながら電話」のせいでジャスミンさんはバンパーで頭を強打、23メートルもの高さに跳ね飛ばされたのです。

12時間意識不明の後、気付いた時には既にジャスミンさんの人生は変わってしまっていました。医師から「死んでもおかしくなかった」と言われても9歳の少女には、目覚めた後、急に手足が動かせなくなり、話すこともできなくなっていることを受け入れるだけの心の余裕などなかったのです。

なんとか退院できたジャスミンさんでしたが、周りの友達は何も変わらずに学校に行ったり外で走り回って遊んでいるのとは逆に、24時間ケアが必要な四肢麻痺になってしまったのです。脊髄損傷は幼い9歳のジャスミンさんに身体的なダメージだけではなく、心にも様々な不安や恐怖、絶望がトラウマとなって襲い掛かったことでしょう。

でも、両親や姉、兄の心強いサポートを受けたジャスミンさんは「負けない」と誓ったのです。

以降、ジャスミンさんは「体が自由に動かせなくても、憧れていたバービー人形やブリトニー・スピアーズのように綺麗に化粧をして着飾りたい」「歩けなくても、一生そうだとは信じたくない」「障がい者でも、したいことはできるんだって周りに教えたい」そんな強い思いから「車椅子のバービー」へと変身するように。

メイクアップやヘアに3,4時間かけるジャスミンさん

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ケアの女性に手伝ってもらいながらゆっくりとメイクアップをするジャスミンさん。とはいえ、四肢が麻痺した状態なのでほとんど自分ではできません。でもジャスミンさんは3,4時間かかってでも、歩けなくても、バービーのように素敵なコスチュームを身に着け、お気に入りのルブタンのハイヒールを履くのです。

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幼い頃からポップスターやバービーに憧れていたジャスミンさんは、四肢麻痺になっても憧れを諦めようとはしませんでした。「毎日事故の相手を恨んで、泣いて傷ついて、寝たきりの生活だってやろうと思えばできます。でも、そんなことしても自分の人生に何の意味があるの?って思ったんです。」

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脳にダメージを受け呼吸器官も損傷してしまったジャスミンさんは、今生きているのが本当に奇跡。喉の切開手術をしてチューブを通しそこから流動食を摂取しています。最初は困難だったコミュニケーションも、なんとかチューブを通しながらもできるように。

大好きなブリトニー・スピアーズやバービーのインスピレーションを受けたジャスミンさんは、メイクも彼女たちに似せるようにしているとのこと。

「外出したら人は変に思うかも知れないというのはわかっています。障がい者がそんなヒールなんて履いて、おめかししてどうするんだ⁉って。でも、障がい者だからって好きなことをなぜしてはいけないの?って思うんです。」

ジャスミンさんにとったら、「四肢麻痺という重い障がいを背負っていても健常者と同じように好きなことをできる」と信じたいという思いがあるのではないでしょうか。そしてこうしてバービーになったり好きなシンガーのメイクを真似たりすることで、日々の辛さを乗り越えようとしているのかも知れません。

誰しも、生き甲斐を持てないと絶望しか見えてこないと思います。でもジャスミンさんはあえて目の前にある絶望を見ないように「希望」を信じて日々生活しているのです。「絶対に一生歩けないとは信じたくない」ーその強い思いは、毎日ジャスミンさんの生きる力になっていることでしょう。

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今、ジャスミンさんは24時間ケアを必要としながらも周りのサポートを受けて大学生活を送っています。そして同じように麻痺の障がいを持った人にカウンセリングをしたり、ボランティア活動もしているそう。

将来の夢は靴のデザイナーになること。「だからいつか歩くことができた時のために、大好きな靴を買い揃えているんです。」ジャスミンさんはYouTubeの動画で「励ましてくれるみんなに感謝しています」とメッセージを送っています。

と、同時に「ながら運転はやめてほしい」ともメディアを通して訴えています。「あなたのほんの一瞬の隙が、誰かの人生を永遠に大きく狂わせてしまうんです。こんな風に動けないバービーを作ってしまうんですよ。」犠牲者である彼女の言葉には誰よりも重みがあります。

障がい者でも「やりたいことを諦めない」という勇気を社会に見せたジャスミンさんが、いつの日かデザイナーになることと歩けるようになることの、この二つの夢が叶うことを願わずにはいられません。

出典 YouTube

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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