読み物『アマギさんと避難訓練』

◎登場人物
アマギ 会社で働くOL。しっかりもの。趣味は貯金。
モエ アマギの友だちで同僚。マイペースで天然。


 ここは、会社のオフィス。 
 仕事中に急にサイレンが流れ出した。

「地震発生、地震発生」

 けたたましいサイレンと共に音声が流れる。

「ぎゃああああ、死ぬぅうううっ! ……死んだ」

 突然叫びだしたモエはパタリとその場に倒れ込む。
 アマギはそんな友人を見て、隣から静かに声をかけた。

「落ち着いて、モエ。これは地震の訓練よ」

「え、そうなの!?」

 死んだはずのモエが顔を上げて目を丸くした。

「とにかくしゃがんで机の下に入って。地震が起きたら、まず自分の身を守らなくちゃ」

 他の社員たちはすでに机の下に避難していて姿が隠れている。
 アマギは机の下にモエを引っ張り入れた。

「朝礼の話聞いてなかったのね……。午後から訓練のサイレンが鳴るって言ってたでしょ」

「訓練だったのか。びっくりしたなぁ」

「びっくりしたのはこっちよ。急に叫び出すんだから。地震が起きたら、あわてずに落ち着いて行動しなくちゃだめよ」

 アマギがそう言った時、また放送が流れた。

「揺れがおさまりました。落ち着いて、誘導灯の付いた出口へ移動してください」

 モエが机から飛び出していきそうになったので、アマギはモエの背中のあたりをつかむ。

「焦らずに。走らないで」

「……ほーい」

 非常口の前では、ヘルメットをかぶった上司が手を振っていて、「非常口はこちらです! 走らず落ち着いて進んでください!」

 と大声で呼びかけている。
 その時、近くから誰かが叫ぶ。

「給湯室から出火! アマギさんは消防に連絡を! モエさん、消火器を持ってきてください!」

「はっ、消火器!? ど、どこにあるの! 早く消さないと火事がっ!」

 モエはパニックになって探し回っている。

「そこにあるわよ。普段からどこにあるか知っておく必要があるわね」

 部屋の隅に置いてある消火器を指さしてアマギが言った。
 
 避難訓練は無事に終了。 
 無事に建物の外へ出てきた社員たち。
 アマギとモエも会社の前に出てきた。

「訓練だけど、怖かったぁ」

 モエがため息をつく。と、その次に大きなあくびが出た。

「朝礼の時、居眠りしてたのがいけないのよ」

 アマギがあきれたように言う。

「あ、ばれてた?」

「目は少し開いてたけど、口からよだれがたれてたわ」

「え、うそぉ!」

 モエは口のまわりを手のひらでごしごしとこすり始める。

 実は、アマギは避難訓練のことをモエが聞いてないと知っていたのだが、教えるのを忘れていた。

(まぁ、いいわよね)
 アマギは心の中でほほえんだ。


非常時のポイント

・まずは身を守る(姿勢は低く、頭を守る)
・あわてずに避難する
・日頃から非常口の避難通路、消火器のある場所の把握
 

◎参考にしたもの
・神奈川県地震防災チェックシート(H28.1月発行)
・ダイエー防災ブック保存版
・東京都防災ホームページ

◎あとがき
近日の震災から、防災関連の記事を書こうと思いつきました。
ただまとめる記事ではなく、ライトノベルを読む感覚で防災の情報を知ることはできないかと考えた結果このような記事の作成に至りました。

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ふと世の中のために何かしてみようと思い立ち、世の中について考え、世の中を良くしていけるような何かを創造したいと思います。
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