うのたろうです。
職業は一般の会社員じゃありません。就職活動なんてもともとしてない。それがぼくのアウトロー。そしてそれがフリーライターという職業です。ときに……

「傾く」

これの読み方をご存じですか?

「かぶく」と読むんです。予想のななめうえをいくみたいな、まっすぐストレートに生きていないみたいな……

そう。
まるで……

というわけで。
本日、歌舞伎のお話し。

先日のラブリン&紀香カップルの結婚からなにかと注目を集める歌舞伎界。

っていうか、なんでそもそも「傾く」から「歌舞伎」なのか?

その秘密はなんと……

ということで。
本日は、その歌舞伎の豆知識トリビアを集めましたのでお送りいたします。

伝統芸能や梨園などと呼ばれて、ぼくたち一般とは隔たりがあるように感じる歌舞伎界。

じつはぼくらの日常生活に歌舞伎って深く浸透しているんです。

たとえば、好きなミュージシャンのライヴにいったりするとどんなようすですか?

おなじ現象が歌舞伎の舞台でも起こっているのです。

たとえば、あなたはどんな男性が好きですか?

イケメンですか?
二枚目ですか?
カッコイイ男の子ですか?

この3つのなかにもすでに歌舞伎用語が1つ隠れているんです。

その1つとは……

さて。
トリビアをひとつずつ見ていきましょう……

トリビア①「歌舞伎の語源は?」

歌舞伎――梨園だなんだとコムズカシイ単語ばかりがきこえてきますが、そもそも歌舞伎とはどういう意味なのでしょうか?

ただの伝統芸能という言葉で片づけてしまっては、わからないことだらけです。
そんなわけで、まずはこの「歌舞伎の語源」からお話しです。

歌舞伎の語源は「かぶきもの」。つまり「かぶいている人」。動詞にすれば「かぶく」人というわけです。

では、この「かぶく」という言葉はどういった意味なのでしょうか?

冒頭でお話ししたように「かぶく」を漢字でで書くと「傾く」。つまりかたむいている人という意味になります。では、なにがかたむいているのでしょうか?

それは人生や身なりです。

ようするに「斜に構えている人」=「かぶきもの」という図式ができるとうわけです。

このように「常識はずれ」や「異様な風体」をしている人、これがもともの「かぶきもの」だったというわけです。

そして同時に「かぶく」という言葉は「傾く」と同時に「頭(かぶ)」というダブルミーニング的な意味もあります。これは「頭を傾ける人」というのが本来の意味とされています。

ようするにちょっとイカれた日本のロケンロー。
それが歌舞伎というわけだったのです。

どうでしょう?
ぐっと歌舞伎が近づいた気がしませんか?

トリビア②「かけ声と大向こうの会の関係性」

さて、そんな歌舞伎。
どんなイメージがありますか?

歌舞伎ではときどき「○○屋」や「××屋」なんてヤジみたいなかけ声が客席からあがるというイメージがあると思います。

これはいったいなんなのでしょうか?

「○○屋」「××屋」

これは正確には「成田屋」「音羽屋」「中村屋」「紀伊国屋」などという単語です。
読み方は「ナリタヤ」「オトワヤ」「ナカムラヤ」「キノクニヤ」。通常、歌舞伎役者は姓名ではなく屋号で呼ぶことになっています。そのため、その役者の名前を呼んでいるといった感じになります。

演目中に役者の名前を大声で呼ぶ――これは野次ではなくあいの手のようなものだと思ってください。

歌でもありますよね。
歌手がワンフレーズうたったタイミングで「ひできー」といれるような。あの感じです。
西條秀樹の場合はファン全員がかけ声をあげていたりしますが、歌舞伎の場合はどうなのでしょうか?

結論からいいますと歌舞伎でもおなじです。
誰が声をあげてもOKです。

ただし、注意点があります。それは……

「へたくそなかけ声はご遠慮願います」

これが歌舞伎の面倒くさいところです。もっともいいたいこともわかります。
前述の曲の場合もおなじです。もともとの形式を知らなければ、どのタイミングで「ひできー」といっていいかわかりません。声をかけるには、その曲自体をしっかりと把握していなければいけないということです。

「ひできー」を「ひろみー」と呼んでしまってはひんしゅくものですものね。

これとおなじことが歌舞伎にもいえます。
歌舞伎で声をかけるためには演目の流れや基礎知識をしっかりと頭にいれていなければいけません。そしてそのうえでかけるべきかけ声をあげることが重要になってきます。間違っても「成田屋」を「播磨屋」と呼んでしまわないように。

ひんしゅくを買ってしまいますよ?

ちなみに。
このかけ声をかけることにはさらに面倒くさいしきたりがあります。

それが「大向こうの会」というものです。

これはもともと「向こう桟敷」の総称として呼ばれていたものなのですが、現在ではしっかりと会として活動をしています。

では、この「向こう桟敷」とはいったいなんなのでしょうか?
シンプルにいえば「大向こうの常連グループ」といった感じといえばわかりやすいでしょうか。

この「大向こう」とは「歌舞伎座ならば3階の奥に仕切られた一幕見の席」のこと。
これは芝居通が通う常連用の席というにゃんすのものです。特性としてはその芝居の好きか場面を一幕だけ見られる席。音楽でいうところの「特等席でサビだけを聴いて帰る」みたいなニュアンスの席です。

こういう聴き方は、通ですよね。
そんな通がもともと「○○屋」「××屋」や「待ってました」などのかけ声をあげていました。常連ならばその演目に詳しいですし、なによりテンションがあがって自然発生的に声がでたりもするものです。音楽のライヴなどと似ていますよね。

現在この「大向こう」には「大向こうグループ」と呼ばれる団体があります。
たとえば東京には3つ。

①弥生会
②寿会
③声友会

そして関西には「初音会」、博多には「飛梅会」というグループがあります。ちなみに、この大向こうの会はスカウトによって入会できるそうです。

自分が常連として通い、かけ声をあげているうちに肩をポンポンとたたかれ「興味があったら会長に紹介したいんだが」といわれるようです。なんだかおもしろいですよね。

トリビア③「隈取の色」

歌舞伎では顔に模様をつけるイメージがあると思います。

隈取――くまどりと呼ばれるものです。
じつはこの色にはきちんと意味があるのです。

隈取の色の基本は「赤」「青」

ざっくりとした説明ですが正義(いいもの)は赤の隈取、悪(わるもの)は青の隈取で顔をペイントしています。

この基本さえわかれば、歌舞伎を見始めた初心者の方でも「赤だから正義側なんだな」ということや「青だから悪者なんだな」ということが感覚的にわかります。

これもかけ声のトリビアといっしょに覚えておくと便利ですよ。

トリビア④「歌舞伎からうまれた言葉」

その1「市松模様」

びっくりですよね。
ルイ・ヴィトンでも採用されている柄「市松模様」。それがじつは歌舞伎からうまれた言葉だったのです。

市松模様とは色違いの正方形を交互に組みあわせた模様のこと。この模様を広めたのは江戸時代中期の歌舞伎俳優(若衆形・女形)の「佐野市松」。彼の当たり役となった「高野心中」での小姓粂之助役の衣装がこの模様だったことから、市松模様は彼のアイコンのようなものになりました。こうして「市松」の着物の模様が一般に定着したというわけです。佐野市松が広めたから「市松模様」なんですね。

その2「幕の内弁当」

芝居が終わると定式幕が引かれます。そして次の芝居が始まるまでのあいだ、ちょっとした休憩時間のような穴の時間が発生します。そのさいに食べる簡単な弁当がありました。幕と幕のあいだ――つまり「幕の内」に食べる弁当。だから「幕の内弁当」というように呼ばれました。

もともと「幕の内弁当」は俵型のおにぎり+おかずという簡素なものでしたが、時代とともに豪華なおかずのついたお弁当というニュアンスになり、今では芝居のあいまに食べる豪華なお弁当という形になっています。

その3「口説き」

男女の恋愛でつかう「口説き」という言葉。これもじつは歌舞伎が由来でした。
口説きの語源は「くどくどと心情を述べ嘆き悲しむこと」。ひらたくいえば、自分はこう思っている、だから……なんていう男女間の懇願のことを「口説き」と呼んでいました。それがそのまま現代では「口説く」という言葉になっているというわけです。

その4「主役・二枚目・三枚目」

主役、二枚目、三枚目という言葉も歌舞伎が由来です。
歌舞伎では興業のさいに役者の看板をかかげます。かかげる順番は一番右が「主役」、二番目が 若手の和事師(色男役の美男子)、三番目が道化役という決まりがあります。

この順番から、美男子のことを「二枚目」と呼ぶようになり、おちゃらけた人のことを「三枚目」と呼ぶようになり現在でもこの言葉が一般的にも使用されているというわけです。

その5「十八番(おはこ)」

これはベタで誰でも知っている知識ですが、歌舞伎のトリビアとしていれないわけにはいかないものです。歌舞伎では役者の得意芸を十八番と呼んでいます。言葉の由来は「七世 市川團十郎」。彼は自身の得意な芸「18作品」を選んで、それをだいじに「箱」にしまっていました。

それが「十八番」と呼ばれるようになりました。現在でもつかわれる言葉ですよね。

まとめ

いかがでしたか?
じつは歌舞伎にまつわるトリビアはこれだけではありません。
かなり厳選してご紹介いたしました。

かけ声にかんしましても「江戸っ子の訛り」「役者と客のべたなやりとり」などがあったり、歌舞伎語源の言葉には「泥仕合」「なあなあ」「裏方」などといった現代社会でビジネスでも使用されているような言葉があったりします。

そして歌舞伎の語源や音楽ライヴとの類似性などを考えると、今まで遠く感じていた歌舞伎という伝統芸能がぐっと近づいた気がしませんか?

これを機に、歌舞伎通になってみるのもいいかもしれませんね。

二枚目半のうのた屋たろうでした。
なんちゃって。

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