銃大国アメリカでは、銃による殺人事件、強盗事件、更に乱射事件などが発生し、毎年多くの人々が犠牲となっている。

それなのに、アメリカ政府は銃規制に対して法を改正しようとも、厳しくしようとはしない。それは何故なのか? 日本人にとっては、不思議としか言いようがないのだが。。

米大統領選で立候補者たちが”銃規制”を公約としないのは、なぜなのか?

アメリカ人にとっては、銃は日常生活の中で当たり前の存在、猟師の家に銃が普通に置いてあるように、開拓者時代から、アメリカ人にとっては、銃はなくてはならない存在となってきた。

そんな銃愛好者たちがよく口にする言葉は「銃が犯罪を犯すのではない。人間が犯罪を犯すのだ」的な理屈。「そこに銃があるから犯罪が起きる」という風には考えようとはしない人たちが圧倒的に多いのだ。これはもう国民性としか言いようがない。

もちろん、銃に対して規制を求める声も上がっている。けれど、それは銃愛好者たちの声をかき消すことができない程度なのだ。

 アメリカ大統領選挙でも、銃規制に対して立候補者たちが敢えて口にすることはない。これだけ銃犯罪が多発している国の大統領選なのに、普通なら、銃規制を公約とする立候補者がいても何らおかしくはないのに、そんな立候補者はなかなか現れない。

2000年の大統領選がその鍵を握っている

何故、銃犯罪が多発しているアメリカの大統領選で、立候補者が銃規制を公約に掲げないのか?2000年の大統領選挙がその鍵を握ると言われている。

民主党のアル・ゴア立候補者が、その前のクリントン政権時代に副大統領としてクリントン大統領とともに銃規制に対して積極的に取り組んでいたが、共和党で銃擁護派のジョージ・W・ブッシュ立候補者に敗北した。

これに対して全米ライフル協会は、「ゴアが大統領選に敗北したのは、銃規制に対して語ったからだ」と言っている。

2000年の大統領選はブッシュvs.ゴア事件として、有名である。ブッシュ立候補者は、通常ならゴア立候補者に敗北していたのに、それを覆すような申し立てをした結果、ブッシュ立候補者が逆転勝利を得たという、これまでにない大統領選であった。

結果、大統領選に勝利した共和党のブッシュ大統領は、民主党のクリントン政権時代に強化された銃規制を緩和した。

あの時、ゴア大統領がもし誕生していたら、アメリカの銃規制はもっと強化かもしれない。

これ以降、大統領立候補者たちは、敢えて銃規制に対して演説はしないという傾向ができた。

何故なら、有権者の多くが銃に対して規制されることに反対で、銃規制を掲げた政治家には、目に見えない何者かの圧力がかかるからということが、アル・ゴア立候補者の敗北でよく判ってしまったからだ。

いくら銃による犯罪が起ころうとも、死傷者が出ようとも、アメリカ国民たちの銃による考え方を変えることはかなり厳しいものがある。

それだけ、アメリカ人とっては銃は生活の必需品という考えが長年の歴史によって浸透しているのだ。

銃依存症のアメリカ

では、銃擁護派たちの家族が銃による犯罪の犠牲となったら、その考え方が変わるのだろうか?いや、もし、そうなった場合には、彼らはきっとこう声をあげるだろう。「だから銃が必要なのだ!自分たちを守るために!」と更に銃に対する依存が強まることであろう。

70名もの死傷者を出したアメリカ史上最悪と言われる2012年に発生したコロラド州オーロラでの映画館の銃乱射事件でも、「あの時、銃を持っている人がいたら、犯人を狙撃でき、こんなに犠牲者を出さずにすんだ!」と言う人もいたくらいなのだ。

だから銃大国アメリカの銃による犯罪は、これかも発生するだろう。この国のこの問題に終わりはない。アメリカ人たちの銃に対する考え方が変わらない限り、銃問題はこれからも解決することはないのである。

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さくらまい このユーザーの他の記事を見る

最後まで読んでいただきありがとうございました。
日本生まれですが、米国に30年間住んでいた米国籍のライターです。2014年に家族で日本に移住してきました。どうぞよろしくお願いします。

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