記事提供:Doctors Me

医師が解説する医療・健康サイト「Doctors Me」編集部です。
アメリカで出産をすると翌日には退院することが普通だとテレビ番組で見ました。
その理由は無痛分娩が主流だから、とのことです。

今回のテーマは「無痛分娩」です。日本ではとられることが少ない方法という無痛分娩についての質問を医師に聞きました。

Q.無痛分娩はそのほかの分娩とはどう違うの?

無痛分娩とは、出産時に関わる傷みを麻酔を使用する事で和らげながら行う出産方法です。

その他の分娩とは、麻酔を使用するという点で異なります。

Q.「無痛分娩」という文字だけ見ると、痛いのが嫌な人が選択したくなると思います。

「無痛」といえども、出産するときにまったく傷みを感じないわけではありません。

出産時、麻酔の使用を開始することができるタイミングは決まっています。

通常、出産は以下のような流れで進みます。
1. 陣痛が起こる。
2. 陣痛が少しずつ増すことで子宮が少しずつ収縮する。
3. 赤ちゃんが下の方に降りてくる。
4. 陣痛の進行とともに子宮口(子宮と子宮頚部の境目。子宮頚部は膣へと繋がる)が開いてくる。

子宮口がある程度開いていないと、赤ちゃんは出てくることができません。
子宮口がある程度大きく開くまでは出産の進行状況の予測がつかず、麻酔の使用が進行に影響が出る可能性があります。

そのため、麻酔を使用開始するのは子宮口が6cmほど開いたことを確認してからになります。
※子宮口が何cm開いたらという規定は、その施設や、出産状況による事もあります。

陣痛は、少しずつゆっくり大きくなっていくものです。
麻酔を陣痛の最初から使用する事ができない事や陣痛の強弱、波の起こり方、陣痛の感じ方、薬の効き方にも個人差があります。

「痛くなさそうだから」と安易に選択をせずに、よく検討するといいですね。

Q.日本では無痛分娩での出産が少ない理由は何でしょうか。

理由はいくつかあると思います。

≪理由1:出産する施設≫
日本には多くの産院や助産院も含めた小さな施設も多くあります。
無痛分娩には、麻酔が必要です。出産時に担当する麻酔科医が常駐している事が理想です。
しかし、一施設当たりの分娩数が少なく、無痛分娩を担当する麻酔科医を常時配置が難しい現状があります。

≪理由2:むかしからの考え方≫
日本では「お腹を痛めて産んだ」という表現もあります。
痛みに耐えたから、愛着がわき、良好な母子関係がつくられると考えられていたこともあるようです。

しかし、海外で出産した日本人の多くが、無痛分娩を選択しています。
そして良好な母子関係を築かれている事実があります。日本で出産する女性だけが、痛みに耐える必要がないことを表しているでしょう。

これらだけが理由とは限りませんが、このような理由で日本では無痛分娩で出産するケースが欧米より少ないと考えられます。

Q4.無痛分娩を選択したいときに、注意点などあるのでしょうか。

まずは、出産の経過と陣痛を理解した上で無痛分娩を選択するようにしましょう。

無痛分娩のメリットが、陣痛の一番つらい時期の痛みを緩和して出産できることが挙げられます。

一方でデメリットもあります。
施設によっては取り扱いがない場合もあり、分娩施設が制限されることです。

無痛分娩といえども、痛みの感じ方には個人差があります。出産の経過も人それぞれです。自分が想像していたよりも、痛みがあったと感じる可能性もあります。

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最後に医師からアドバイス

まずは出産の経過や陣痛などの体調や無痛分娩の現状(デメリットやメリット)などをよく理解しましょう。

そのうえで分娩方法を選択すると、より納得した満足な出産を選択できるようになります。

(監修:Doctors Me 医師)

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