急に立ち上がった時にふと眩暈がして、そのまま座り込んでしまったことってありませんか?これは一時的に血圧が下がるために起こる症状で、その場にじっと座っていればすぐに治る人がほとんど。

ところが、心拍数が増えて立ち上がることができなくなるというケースもあるのです。この場合は、明らかな血圧低下は見られず心拍数の増加だけが著しく表れるという症状で、一般的に「体位性頻脈症候群・起立性調整障害(POTS)」と呼ばれています。

体位性頻脈症候群(POTS=ポッツ)は、立ちくらみやめまい、頭痛、だるさとともに、頻脈(心拍数の増加)がみられるのが特徴です。通常、立ち上がったときの心拍数は、寝ているときと比べて多少増えるのが普通です。健康な場合の心拍数が1分間に60だとすると、立ち上がったときには75程度に増えます。ところが、体位性頻脈症候群では、これが95ほど、つまり寝ているときより35拍以上増えてしまうのです。

◆特徴的な症状は、立ちくらみ、めまい、動悸、頭痛、全身倦怠感など。

どうしてこのような症状がおこるのか、また、立ち上がったときに心拍数が増えて頻脈が発生するのか、原因はまだはっきりわかっていません。本来、体には、姿勢を変えても脳への血流量を一定に保つ機能が備わっています。体位性頻脈症候群では、この機能がうまく働かず、脳に十分な血液が流れなくなっているのではないかというのが有力な考え方です。

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日本では、小児のPOTSが増加傾向に

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日本では「朝なかなか子供が起きられない」というケースが増えているそう。あまりにその状態が続くようだと受診が必要です。これは決して「怠けている」のではなく、低血圧やもしくはPOTSによるもの。

現在、日本では子供の「起立性調整障害」に対する認知度は深まってきているようですが、これは大人にも起こるもの。ただ、子供ほど認知度が高くないので病院を何軒も回ってやっと診断されたという人も少なくありません。

原因が解明されておらず、明確な治療法もないというこのPOTSは普段の日常生活を自分がどのように調整していくかにかかってきます。とはいえ、重症の場合は立ち上がることができないという不自由を強いられることになり、精神的にも相当辛いものがあるでしょう。

POTSとその他疾患を抱える20歳の豪女性

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オーストラリア、ゴールドコースト在住のクラウディア・パウエルさん(20歳)は、自称「立ち上がりアレルギー」だと言います。重篤なPOTSを患っているために、たまの外出には車椅子が欠かせません。

ほんの少しでも立ち上がろうと思えば、著しく心拍数が上がり眩暈や動悸、頭痛を引き起こします。パウエルさんは子宮内膜症と胃不全麻痺という慢性疾患も患っており、日常生活は「痛み」や「倦怠感」との戦いなのです。

「うんざりで疲れた」心境をFacebookに吐露

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20歳で人生これからという時に診断された辛い病状は、パウエルさんを日々苦しめています。自分の病気のことを多くの人に知ってもらいたいと始めたFacebookにも、つい「苦しくて疲れた」と心境を吐露。

流動食と血圧計は必須

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少しでも立ち上がると、眩暈から失神までも起こしてしまうパウエルさんは血圧計を手放すことはできません。そして胃不全麻痺という慢性疾患の為に流動食で「1日のほとんどをベッドで費やしている」というパウエルさん。

1年ほど前に子宮内膜症と診断され今は治療を受けているパウエルさんですが、完治するかどうかは全く予測不可能なために、今後のことを思うと不安でたまらないことでしょう。日本でも今や「現代病」とさえ言われている子宮内膜症は、20代~40代の女性を中心に増加傾向にあるそう。

子宮内膜は卵巣からのホルモンの作用で肥厚しますが、妊娠しないと剥離し、月経となって体外へ排出されます。この子宮内膜が正規の子宮内腔になく、骨盤の腹膜や、卵巣などの中に入り込んでいる場合を子宮内膜症と呼びます。

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パウエルさんの場合、手術もしたそうですが痛みも治まらず何も変化がないという状態。薬を飲んではいるものの、POTSを始めこうした慢性疾患と付き合っていかなければならない自分にほとほと疲れを感じていると言います。

それでも前向きな姿勢を忘れない

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普段、風邪をひいたぐらいで健康に過ごしている人たちからはきっと想像もつかないような生活を送っているであろうパウエルさんの日常。ほとんど寝たきり、外出時は車椅子、慢性的に起こる痛み…どれをとっても落ち込まない要素なんてないといってもいいぐらい。

それでも、Facebookで自身の心境を綴るとともに同じ病気に苦しむ人の励みになればと前向きな姿勢を忘れないパウエルさん。時に投げ出したくなるであろう人生と向き合って、強く生きて行こうとしている彼女の勇気と精神力にエールを送らずにはいられません。

毎日を元気で過ごせることがいかに大切かということが今更のように胸に沁みる筆者。将来よりも、今や明日のことさえわからない不安な日々を抱えて生きなければならない人はこの世にたくさん存在します。

病気であっても、国家の治安状況によっても、明日どうなるかわからないという毎日を生きる人たちは、普段何気なく過ごしている私達よりも数倍精神力が強いのではないでしょうか。パウエルさんを始めとするそのような人たちは、1秒という時間さえも「生きる」ということに意味を生み出し、前向きに進もうとする姿勢を忘れないのでしょう。

自分の心境をFacebookに綴ることでたくさんの人から反響が寄せられているというパウエルさん。慢性疾患と向き合う辛い日々を、これからもポジティブに乗り超えていってほしいですね。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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