【1】話題の女医が逮捕

「とある医師が、詐欺容疑で逮捕された」こんなニュースが、世間を沸かせています。
その医師とは、脇坂英理子」女史(37歳)。タレントとしても活動していた様子ですが、本業の医師の方では、相当酷かったみたいです。

上記リンク先の記事などを参考に、事件の概要をまとめると、以下の様になります。

(1)指定暴力団・住吉会系組長らによる「診療報酬詐取事件」が発覚。書類等を誤魔化し、自治体や健康保険組合から療養費や診療報酬を騙し取ったとの疑い。

(2)歯科医院などを舞台に、1000人単位での不正が発覚。金額は2億円近くになるとの見込み。歯科医師が逮捕される。詐欺に関わった者の中に、タレント・芸能人が複数いた…との情報アリ。

(3)捜査線上に、脇坂容疑者が浮上。かつて自身が院長を勤めていたクリニックを舞台に、同様の詐欺を行っていたものと警察は見ている。
なお、このクリニックについては、「前払い代金が、返金されない」との苦情が、元患者達から寄せられている。


(4)3月9日に、警視庁が脇坂容疑者を逮捕。「タレント医師が逮捕される」というニュースそのもののインパクトも強かったが、連行される時の映像が、ブログ写真等とかけ離れた姿だったので、更に驚かれる。

(5)警視庁によれば、不正請求額は約7000万円。1度通院しただけの患者を、何度も繰り返し治療を受けた様にレセプト(診療報酬明細書)を偽造する手口で、水増しをしていた。
患者は診療代金を支払っていない。それどころか、報酬を受け取った者もいたらしい。


(6)不正請求は、クリニック開業直後から行われており、正規の請求は数%程度・殆ど不正請求ばかりだった…と思われる。

(7)逮捕直後、脇坂容疑者のコメント「弁護士が来るまで、話しません」

上記画像の様な本が出たり、自身がテレビに出演したり等、露出は多かった様子です。
下記リンクで紹介されている様に「一晩でホストクラブに900万円散財した」なんて話もしていたそうです。景気のいい話ですね。

未だ容疑者の段階なので、裁判でどうなるか?は分かりません。冤罪の可能性も、全く無いとは言えません。
しかし、今までの報道を見ていると、「何もやってない」とも思えません。今後の展開がどうなるか、注視したいと思います。

【2】医師免許の行方

ネット等で、この話題が出てくる度に、「こんな医者は、免許剥奪しろ!」という文言を見かけます。
感情的には理解できる発言…かも知れませんが、感情だけで決めれるものでも無いでしょう。裁判も始まっていませんし、結論を出すには早急です。

ここで、ふと疑問に思った事があります。それは
「医師免許って、剥奪されるのか?」
「もし剥奪されるなら、どういう状況で剥奪されるのか?」
という点です。

過去に、医師が問題を起こしたとのニュースはありました。しかし、免許が剥奪されたかどうか?まで追いかけたニュースを、筆者は見た記憶がありません。

実際のところは、どういった手続きが取られているのでしょうか?。調べてみました。

【3】「医師法」という法律

医師として活動するには、「医師法」という法律に従う必要があります。この法律には、免許や試験などについて、様々な規定が記されています。

「免許の剥奪」について主に規定しているのは、医師法四条と七条の辺りだと読めます。

第四条
次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。
一  心身の障害により医師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
二  麻薬、大麻又はあへんの中毒者
三  罰金以上の刑に処せられた者
四  前号に該当する者を除くほか、医事に関し犯罪又は不正の行為のあつた者

出典 http://law.e-gov.go.jp

 第七条  
2  医師が第四条各号のいずれかに該当し、又は医師としての品位を損するような行為のあつたときは、厚生労働大臣は、次に掲げる処分をすることができる。
一  戒告
二  三年以内の医業の停止
三  免許の取消し

出典 http://law.e-gov.go.jp

これらの条文から考えると…

仮に報道内容が全て真実であるならば、脇坂容疑者は「医事に関する犯罪」を行った事になり得ます。そうなると、「免許の取消し」の要件に該当すると思われます。

【4】医道審議会

しかし、一人の人間の独断と偏見だけで、処分ができる訳ではありません。医師法には、下記の規定もあります。

第七条  
4  厚生労働大臣は、前三項に規定する処分をなすに当つては、あらかじめ、医道審議会の意見を聴かなければならない。

出典 http://law.e-gov.go.jp

処分の可否や内容を決めるには、厚生労働省の「医道審議会・医道分科会」の意見を聴かなければならない…法律が、そう定めています。

【5】本当に、処分が行われているのか?

法律や審議会が存在している事は分かりました。しかし「実際は、処分なんてしてないんじゃないの?」と疑いを持たれる方もいらっしゃると思います。

しかし、それはどうやら勘違いみたいです。実際に処分がおこなわれている旨の記事があります。

厚生労働省は27日、刑事事件で有罪が確定したり、保険医登録を取り消されたりした医師と歯科医師計34人の行政処分を決めたと発表した。同日の医道審議会医道分科会に45人の審議を諮問し、答申を受けて処分内容を決めた。残る11人のうち10人は厳重注意、1人は保留とした。処分は3月13日に発効する。

出典 http://www.nikkei.com

日本経済新聞、2014/2/27の記事。この記事には、「医師の名前」「処分の内容」「勤務先の病院名と所在地」等がハッキリと記載されています。

この時、医師免許を取り消されたのは4人。免許取り消しは、実際に行われています。
勤務先や名前も晒されていますので、かなり厳しい処分だと言えるでしょう。

医師・歯科医師の行政処分について
 医師46名、歯科医師10名に対する行政処分について諮問がなされ、審議の結果、医師40名、歯科医師7名に対する行政処分及び医師6名、歯科医師2名に対する行政指導(厳重注意)並びに歯科医師1名を保留(継続審議)とする旨の答申をした。

[答申の概要]
(医師)40件
・医師免許取消・・・・・・・・・・1件(薬事法違反)
・医業停止3年・・・・・・・・・・3件(麻薬及び向精神薬取締法違反2件、詐欺1件)
・医業停止1年・・・・・・・・・・2件(道路交通法違反2件)
・医業停止9月・・・・・・・・・・2件(道路交通法違反2件)
・医業停止8月・・・・・・・・・・1件(道路交通法違反・過失運転致傷1件)
・医業停止6月・・・・・・・・・・1件 ( 公然わいせつ1件 )
・医業停止3月・・・・・・・・・・5件 (業務上過失致死1件、診療報酬不正請求4件
・医業停止2月・・・・・・・・・・12件 (精神保健指定医の指導医としての不正12件)
・医業停止1月・・・・・・・・・・12件 (法人税法違反・所得税法違反1件、精神保健指定医の指定申請時におる不正11件)
・戒告・・・・・・・・・・・・・・・・・・1件(傷害1件)

出典 http://www.mhlw.go.jp

2015年9月30日の医道審議会・医道分科会議事要旨より。直近の記録です。(見やすくする為、多少の改行や朱入れをしています)

診療報酬不正請求では、医業停止(医療行為の禁止)3ヶ月という処分が下っています。どの程度の不正請求が行われたのか?、議事要旨からは読めないので、詳細は分かりかねますが…。
「不正請求が、直ちに免許取消になる訳では無い」とは言えるでしょう。

【6】まとめ

脇坂容疑者の件については、これからの捜査・裁判次第でどうなるか?は分かりません。ただ、それらの結果次第では、医師免許を取り消される可能性はあります。

結論が出るのは、まだまだ先になりそうです。詳しい事は当事者・専門家の方々に任せて、展開を静かに見守りましょう。

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