【1】前回のまとめ

ブラック企業回避術、5つ目の記事になります。先ずは、これまでの記事の内容を、簡単にまとめておきます。

(1)ブラック企業とは、人道的にも法令的にも「問題の多い企業」で、関わりたくない組織。

(2)ブラック企業も「組織」なので、組織維持の為に求人を出す。そこには、ブラック企業にありがちな「特徴」というものがチラホラ存在する。例としては、
●同業他社に比べて、やたらと賃金が高い。
●「初心者歓迎」「誰にでも出来る仕事」などという言葉が多い。
募集職種が、「プランナー」「プロデューサー」みたいなカタカナ表記ばかりで、業務内容が想像できない。企業の目的は、イメージ操作である。

(3)厚労省が発表している「業界別の離職率」を調べてみると、離職傾向が高い業界として「接客の機会が多い業界」が目に付く。具体的には、飲食店・ホテル・娯楽関連・小売・教育などである。離職率の高い業界は、ブラックが発生しやすい環境だ…と言える。

(4)最も大事なのは、情報を自分で収集・調査し、自分で判断・確認・最終決定することである。「人がこう言っているから」という理由だけで結論を出すと、多くの場合うまくいかない。
この作業は、ブラック企業を避けるだけでなく、普段の仕事を進める上でも重要なスキルである。

さて、前回の記事では、「業界の離職率」という視点から記事を書きました。今回も前回と同じ視点から、数値の分析をしてみたいと思います。

但し、今回注目する点は「事業規模別の離職率」です。事業規模とは、簡単に言えば「組織の人数」です。人数の違いによって、離職傾向に差が出てくるのでしょうか?。

もし「離職率が高い事業規模」があるならば、そういう場所に入る前に用心が必要です。人が辞めやすいという事は、それなりに理由があります。関係を持つ前に、よくよく調べておく事が肝要です。

【2】事業規模別の離職率

今回使用するデータも、前回と同様に「厚生労働省資料」からのものです。
分類方法でデータが分かれていますが、これも前回と同様に「大卒」の離職率を見てみます。

「新卒で入社した人で、3年以内に退職した人がどれくらいいたのか?」の統計を取っています。直近である「平成24年」のデータを一覧にすると、以下の様になります。

事業規模(組織・会社の人数)ごとの離職率

5人未満 59.6%

5~29人 51.5%

30~99人 39.0%

100~499人 32.2%

500~999人 29.3%

1000人以上 22.8%

上記データを見るに、事業規模と離職率に明らかな関連が見られます。事業規模が大きくなればなるほど、離職率が下がる傾向にあります。

【3】なぜ、そうなるのか?

厚生労働省の調査結果には、内容の分析が添えられていません。従って、理由を探る為に、他の材料等から推測する必要があります。

転職サイト「リクナビNEXT」が行った、「退職理由のホンネは?」という調査結果があります。そこから考えてみましょう。

1位 上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった 23%
2位 労働時間・環境が不満だった 14%
3位 同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった 13%
4位 給与が低かった 12%
5位 仕事内容が面白くなかった 9%
6位 社長がワンマンだった 7%
7位 社風が合わなかった 6%
8位 会社の経営方針・経営状況が変化した 6%
9位 キャリアアップしたかった 6%
10位 昇進・評価が不満だった 4%

出典 http://next.rikunabi.com

どの会社でもありそうな内容ですが、事業規模が小さいところほどありそうなモノは、「労働時間・環境が不満だった」「給与が低かった」「社長がワンマンだった」「会社の経営方針・経営状況が変化した」あたりでしょうか。

事業規模が小さくなればなるほど、経営者との距離が縮まります。その経営者がワンマンで、他の従業員の意見を聞かない状態だと、従業員の負担が大きいです。結果、嫌になり辞めてしまう…そんな人は多いのではないでしょうか。

また、給与・労働環境・福利厚生などは、事業規模によって変わりやすいものです。企業の体力も、事業規模で変わってきます。

それらの懸念を、経営サイドが上手に処理してくれればありがたいのですが、上手く処理できなかった場合、悪いサイクルに陥ります。

経営者が、法令・道徳の許容範囲内で動いてくれれば問題ありません。しかし、残念ながらそうでない経営者もいます。
その結果、従業員の給料を削る、不当に残業させる、休みを取らせない、反対意見を言う従業員は冷遇する…。つまりブラック化します。

【4】大企業よりも評判が高い? そんな中小企業もある

ここまでの文章を読んで頂くと、「中小はNG」との感想を持つ方もいらっしゃるかもしれません。しかし、決してそうではない事を添えておきたいと思います。

上記資料は、中小企業庁が発表した調査結果です。この文章に、興味深い事例が掲載されていますので、一部を抜粋して紹介します。

なお、掲載場所は「第2部 中小企業・小規模事業者のさらなる飛躍」→「第2章 中小企業・小規模事業者における人材の確保・育成」→「第2節 中小企業・小規模事業者の人材確保・定着」→「2 人材の定着」まで辿る必要があります。

事例2-2-5. 拓新産業株式会社

会社の全員で作り出す“理想の労務環境”完全週休二日・有給取得率90%・一人当たり年間残業時間2時間

福岡県福岡市の拓新産業株式会社 (従業員75名、資本金4,500万円)は、建設機材のレンタル業を営む企業である。人材の確保が難しい業界において、同社は徹底した働きやすい労務環境(完全週休二日・有給取得率90%・一人当たり年間残業時間2時間等)を整備することで、多くの人材をひきつけ、新卒採用の競争倍率は100倍を超えることもある

出典 http://www.chusho.meti.go.jp

この様な企業も、存在しています。中小だからといって、それだけで判断するのは避けた方が良いでしょう。(強調朱は、筆者によるもの)

【5】まとめ

「ブラックになりやすい組織」というものは、何も中小企業だけという話ではありません。事業規模が大きく、全国展開している様な大企業でも、そういった事が起こらないとは言えません。実際に、大企業でも「ブラック特有の事件」が起こり、ニュースで報じられています。

ただ、数字は無常です。中小企業に何らかの理由があるが故に、離職率データに反映されていると思われます。関係を持つ前によくよく調査し、自分で納得した上で行動して下さい。
本記事を、「考える切っ掛け」「考えの材料」にして頂ければ幸いです。

次回は、求人票・求人情報の話に戻ります。「ブラック企業にありがちな文言」と題し、掘り下げていきます。

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