先日、認知症の方が電車に轢かれた事故による賠償請求の訴訟で、最高裁判所にて、家族側の責任はない、という判決が出ました。
ツイッターでも、議論が分かれています。

まずは、本件のおさらいです。

事故が起きたのは2007年。
認知症の男性を看ていた男性が、男性の妻がまどろんでいる隙に外出してしまう。
男性はそのままJR東海の駅に行き、線路で列車にはねられて亡くなった。
JR東海は、遺族に対して、振替輸送費用など720万円の賠償を求めた。

介護の方針は長男が決めていて、その長男は月3回、横浜から男性の自宅に通っていた。

一審では、妻と長男に監督責任があるということで全額の支払いを命じられた。
二審では、長男が長期別居していたことから監督責任が無く、妻にはあるとした。


責任能力のない男性の起こした事故で、監督責任が誰にどこまであるかが問題になりました。そして最高裁判決では、長男にも男性の妻にも監督義務はない、という判決となりました。

判決では、今回のようなケースとしての判決であることが言及されています。
認知症の人を含む精神的な障害がある人について、妻や実の息子だからと言って、それだけで無条件で監督する義務を負うものではない

引用:NHK様

出典 http://www3.nhk.or.jp

本件のおさらいで、経緯の説明に参考にさせていただきました。

引用:中日新聞様

出典 http://www.chunichi.co.jp

解説が出ています。

引用:判決の全文(PDF)

出典 http://www.courts.go.jp

記号が多いので、読みたい方向けに。

それでは、ツイッターに投稿された意見を見ていきます。

まずは好意的な意見から。
24時間介護ができなかったら特養、なんて杓子定規ができないことはみんな知っている。

介護する側もされる側も、それぞれの事情を抱えています。

懐疑的な意見は意外と?多い。

少し極論めいていますが、そう考えてしまう方がいてもおかしくはないです。

これは本当にそうです。対策が求められるというよりは、対策をしないと泣き寝入りになってしまう現実があります。

男性によって被害を受けた人は、どうしたらいいのか。
これもまた、重い問題です。

最高裁判決をそのままとると、こうなってしまいます。

拘束しないと責任がつきまとい、拘束すると虐待と言われる。
じゃあどうしろというの?
当事者の方は常に悩まされます。

すべてのケースにあてはめてしまうと非常に危険なことをうかがわせています。

原告側に寄り添った意見も。

JR東海様から見れば自分たちも被害者。泣き寝入りするわけにいかず、訴えるしかない。悲壮な決断だったことがわかります。

まとめ

いかがでしたか。
どちらかというと好意的な意見が多かったのですが、「当然」と言い切る方もいるのは少し疑問に感じました。
懐疑的な見方をする人の中には、今回のケースがすべてにあてはまるという極論的な見方をする人もいましたし、きちんと原告側に立った意見もありました。

私自身は、たんに訴訟の部分だけにはとどまらない、と考えています。
介護する側される側、監督管理や見守り、事故を起こしたときの対処。
どこまで行っても完全なケースでの解決は見ない、永久にグレーゾーンな問題に思えます。

今回の判決についても、あくまで今回のようなケースに限定されています
認知症の方が起こした事故で再度訴訟が発生した時、今回の判例をもとに、介護する側の責任が問われない、となるとは限りまません。

認知症の方が起こした事故で、本人に意志があることや、家族に監督責任が問われ、莫大な賠償を背負うことになる可能性も十分にあります。

誰にどんな責任があるのか、本当にひとつひとつのケースを検証していかなければいけないことです。その意味ではすごく価値のある判決だったと思います。

高齢者には、(生きていれば)誰もがなります。
認知症になる可能性も、寝たきりになる可能性も、全員にあります。
色々なことを考えるきっかけになる訴訟だったのではないでしょうか。


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