▮閉鎖された売店

昨年末、ある公共施設の売店が、経営難から閉店することになりました。

売店では、いろいろな駄菓子が売られていたことから、施設を利用した後の子供たちの社交場にもなっていたのです。小学校低学年の子供が、1個10円や15円のお菓子をいくつか選び計算したうえ、売店のおばちゃんにお金を渡すわけで、親からの評判も高く親しみのある売店でした。

▮少年の願い:やっぱりあった方がいいなぁ

閉店後、一か月ほどしてから、売店のない寂しさを子供たちは感じ始めるようになりました。そこで、お店のあった公共施設の「提案箱」に、次のコメントを書き込んで投函したのです。

出典www.illust-ac.com

売店は、駄菓子だけでなく、アイスクリームやパンやお菓子なども売ってはいました。しかし、近所に次々とオープンするコンビニやファストフードの店舗に押され、なかなか売上が伸びません。結局、撤退せざるを得ない状況となったのです。

閉店するのは仕方ないと、子供たちはある程度理解している様子でした。とはいえ、提案箱に入れたその言葉には、子供たちの切実な思いが詰まっていたのです。

▮でも、どういう意味?

提案箱の担当者が、束になったいろいろな提案を読んでいると、

   「売店を復活させてほしい!!」

という言葉に、紙をめくる手が止まってしまったのでした。

他にも売店復活の要望は多くあったことから、少年たちの要望は痛いほどわかります。
しかし、この担当者が気になったのは、この言い回しなのです。

職場で働く若い女子に「この日本語って、おかしくない?」と聞いたのですが、
「おかしくないですよ。どこがおかしいんですか?」との答え。

はて、では何がおかしいのか・・・

▮「復活する」は、動詞または名詞+動詞?

考える前に、この文章をふたつに分けることにしました。

  「売店を復活させる」「ほしい」

前段の「売店を復活させる」という中で、「売店」は名詞ですが、「復活する」という言葉は何なんでしょうか。「動詞」なのか、それとも「名詞+動詞」なのか。以下のサイトでは、このことをわかりやすく解説しています。

「勉強する」という単語に置き換えて説明させてください。
面倒くさがらずに問題をやってみてください。

問題、次の穴を埋めなさい。
①、日本語○勉強しました。
②、日本語○勉強をしました。

簡単でしょう。
そこにあなたの質問に対する「回答」があります。

答え
①、<を>
勉強する→日本語を勉強する
「勉強する」という単語が一つの動詞ですから、
その前は「を」という助詞で目的語「日本語」を受けます。

②、<の>
勉強をする→日本語の勉強をする
「する」だけが動詞ですね。「日本語」と「勉強」が2つとも名詞で、
それを「の」でつないだ「日本語の勉強」が目的語です。

出典 http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

ということで、「復活する」は、「復活する」という動詞ということになります。

▮では、自動詞なの?他動詞なの?使役は?

動詞には、自動詞と他動詞があるからややこしい。

「売店が復活する」「売店を復活させる」

これに加えて、使役も使われているようです。

★自動詞の場合「売店が復活する」

「何を」という目的語を必要としていない動詞を「自動詞」といいます。
●空に雲が浮かぶ。
●態度が変わる。
●事故が起きる。
●犯人が逃げる。

出典 http://goo.gl

この場合、オーナーが売店を一度は閉めたものの、再び立ち上げたというイメージ。しかし「売店が復活しました」とはいうものの、復活したのはオーナー自身であって、売店ではないことから、「売店を復活させました」の方が自然のように思えます。

★他動詞の場合「売店を復活させる」

他に働きかける動作・作用を表し、目的語を必要とする動詞を「他動詞」といいます。
●お金を集める。
●勉強を始める。
●音楽を流す。
●ボールを捕る。

出典 http://goo.gl

目的語が「売店」であり、主語は「オーナー」、「復活する」は「復活させる」というように他動詞として使うことで、わかりやすくなります。「オーナーが売店を復活させた」という言い回しは、なじみ深いと思います。

それでは、「売店を復活させてほしい」という少年の願いは、

●「オーナーが売店を復活させてほしい」ということなのでしょうか。それとも、
●「オーナーに売店を復活させてほしい」ということなのでしょうか。もっとも、
●「わたしに、売店を復活させてほしい」という言い回しが、一番わかりやすいのですが。とはいえ、少なくとも少年たちにその意思があるとは思えません。

うーん。。。。

★使役で「売店を復活させて」

使役文は、自動詞か他動詞かという違いによって、以下の使い分けがある。
(1)自動詞の使役
 ・子供が学校へ行く。→母が子供を(に)学校へ行かせる。
  (使役文の動作主体は「〜を」または「〜に」で表す。)
(2)他動詞の使役
 ・子供が野菜を食べる。→母が子供に野菜を食べさせる。
  (使役文の動作主体は「〜に」で表す。)

出典 http://www.nihongokyoshi.co.jp

使役的表現で考えた場合、「私は、担当者がオーナーに働きかけ、売店を復活させてほしい」となるわけですが、それであれば、むしろ「私は、オーナーに売店を復活してほしい」の方がいいような気もします。だんだん、わからなくなってきました。

英語で考えると、

① I want to rebirth the shop.
② I want to be rebirth the shop.
③ I want you to rebirth the shop.(you:オーナー)
④ I want you to be rebirth the shop. (you:担当者)

という言い回しになりましょうか。私としては、③を選びたいところです。

出典www.illust-ac.com

日本語は難しいです。国語は苦手なジャンル。職場の若い女子に対して、この内容で「説得」できたとしても、「納得」はされないような。。。。

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