性犯罪の加害者って?

みなさんは、性犯罪の加害者というとどんなイメージをお持ちでしょうか?
粗暴な人?自分とは関係ない異常な性欲の持ち主・・・などでしょうか?
実は、加害者は性暴力を振るう時以外は、私たちと同じような生活をしています。

平成26年に行われた内閣府調査(「男女間における暴力に関する調査」)によると、女性の15人にひとりが「無理やり性交されたことがある」と答えています。(有効回答数1811人、全体の6.5%が1回、ないしは複数回にわたり被害にあったことがあると回答。また、7.5%は無回答。)
そのうち、実に7割以上が顔見知りからの被害であり、全く面識のない相手からの被害は11.1%にとどまります。
内訳としては、交際相手(元交際相手含む)や配偶者(元配偶者など含む)からの被害が最も多く、それぞれ28.2%、19.7%となっており、また、実の親兄弟を含む親戚からの被害もも8.5%という、これも決して少なくない数字となっています。
職場の関係者からの被害も多く、全体の13.7%。学校など所属するコミュニティの関係者、友人などといった親しい間柄の人物から被害を受ける人もあり、これは全体の4.3%となっています。
また、「その他」という回答も13.7%あり、これを全くの他人ではないと捉えると、面識のある相手からの被害は9割近い数字となります。

このことから、多くイメージするような
『夜道を歩いていたら見知らぬ男に暗がりに連れ込まれ・・・』
というようなイメージは、実は誤りであることがわかります。
実際は、よく見知った相手から被害を受けることの方がずっと多いのです。
もちろん見知らぬ相手からの被害があることは事実です。「警戒をしなくても良い」などということではなく、出来る範囲の自衛を怠らないことは身を守るためにとても大切です。
しかし、なぜこのような誤ったイメージが先行するのでしょうか?

言い出せない被害

性犯罪の被害者が警察に届出をする数は、発生した件数全体の僅か5%~10%程度と言われ、多くの被害者が届出をせず泣き寝入りしているのが実情です。

「男女間における暴力に関する調査」によると、実際に被害にあった女性の約7割は、被害後どこにも相談しなかったという調査結果が出ており、また、相談をしていたとしても、相談先として最も多いのは友人・知人です。警察や病院などの公の機関に相談をしたのはわずか6%にとどまっているため、先の数字は概ね正しいと言えます。
その実際に出された被害届を見ると、他人からの被害が8割にのぼり、実態とは逆転していることもわかります。性犯罪の実態について、周知されていないというのがやはり実情なのでしょう。
これが、性犯罪に対して実際から離れたイメージを抱かせることの要因のひとつではないでしょうか。

そして身内からの犯行においては、より被害届を出しにくい、泣き寝入りせざるを得ないと考えてしまうという事実があります。
親しい間柄からの被害は、これまで築いてきた周囲との関係・地位を失いたくないなどといった「自分さえ我慢すれば」といった感情に加えて、「自分にも悪いところがあったのでは」などといった自罰的な感情をより起こさせやすいものですし、さらには「周囲には理解してもらえないのではないか?」といった不安も強く感じるものです。
近年、DVに対しての認知はずいぶん広まっていますが、身内からの犯行は問題視されにくいなどといった問題もあります。

あなたは悪くない

その被害は誰にでも起こり得るもので、特殊なものではありません。被害にあうどんな理由があったとしても(もちろんなくても)被害者には一切の責任はありません
被害にあったとき、多くの女性が自身に起きたこと恥じて、あるいは思い出すことが辛いと口をつぐみます。
それすら非難されるべきことではありません。

万が一被害にあってしまったとき、どれだけの知識があっても感情として到底納得できるものではありません。知っていたのに何故と思うこともあるでしょう。
しかし、知らないよりは知っている方が絶対に良いのです。知識はいつか必ず自分自身を助けます。また、被害を告発する助けにもなるでしょう。

女性が自分自身を守るということは、こういった事実があることを知識としてしっかりと持つことから始まるのではないでしょうか。

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瑠璃茉莉 このユーザーの他の記事を見る

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