記事提供:Doctors Me

医師が解説する医療・健康サイト「Doctors Me」編集部です。
女優の酒井若菜さんが、膠原病と闘っているとの報道がありました。

膠原(こうげん)病とはどのような病気なのでしょうか。医師に詳しく聞きました。

Q1. 膠原病とはどのような病気ですか?

膠原病とは身体のいくつもの臓器に炎症が起こり、それぞれの臓器がうまく働かなくなってしまう疾患をまとめて呼ぶ総称です。
全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、シューグレン症候群などが含まれます。

症状は、膠原病と言われる疾患の、どれを発症したかによって異なります。
全身症状としては発熱の他、リンパ節の腫れが見られたり、体重が減少したりします。
また、関節痛もいろいろな膠原病の疾患に見られる症状です。さらに筋力の低下や筋肉の炎症がみられたり、顔に紅い斑点が現れたり指先が変色する、皮膚のしこりなどの症状がみられることもあります。

膠原病の原因については、まだはっきりわかっていない部分も多いです。
私たちの血液の中にある「抗体」と呼ばれる物質が、ほかの物質と複合体を作ることで、私たち自身の身体の組織を攻撃したり、組織に沈着したりすることで発症すると考えられています。

Q2. 膠原病は日常生活にどのような影響がありますか?

酒井さんは、指が外に向いてしまっている、ペットボトルが開けられないと話しているそうです。
膠原病の症状が日常生活に影響するケースは数限りなくあります。

ほかにも日常生活に影響する症状を例として挙げます。
・長い間続く発熱
・皮膚の病気によって特徴的な発疹ができる
・強い関節や筋肉の痛みによって日常のかんたんな動作ができなくなる
・全身の強い倦怠感によって症状が強いケースでは起き上がれなくなる

これら挙げた症状は、あくまで一例です。

Q3. 膠原病は、どのような治療を行うのですか?

膠原病に対する治療は、消炎鎮痛剤を用いた治療に加え、副腎皮質ステロイドを中心とした免疫を抑える薬剤、免疫抑制剤を用いたものになります。

最近では作用機序(薬物が効果を及ぼす仕組み)の異なる「生物学的製剤」と呼ばれる新しいジャンルのお薬が使用されるようになりました。これにより、病気の症状を抑えるのに高い効果をあげています。

病気の状態によって、例えば関節の変形などといった症状が出ている場合には、整形外科的な手術を行って治療をしていく場合もあります。

なお、現状は膠原病は完治させることは難しいです。
しかし薬を使って炎症を抑えながら、日常生活に大きな影響がない状態にまで病状を上手にコントロールしていくことはだんだんできるようになってきています。

膠原病の中でも病気によって、原因と思われる細胞の働きに特異的に作用する薬を用いた治療法なども行われています。

治療方法は日々進歩しています。

Q4. 膠原病が起こりやすい人はどんな人ですか?

膠原病は、つい最近まで原因不明の病気として扱われてきました。
近年の研究によると、つまり遺伝的な要素(遺伝子)も発症にかかわっているのではないかといわれています。遺伝子という視点からの研究も進められています。

ただ、発症の原因は遺伝的な要素のみではありません。
その遺伝的な性質を持つ方が、さらに何らかの刺激(ウイルス感染や紫外線など)を受け、それが引き金となって発症する可能性があるのではないかと考えられています。

例えば「生活習慣病のように食事内容やタバコなどが大きな原因となる」と言えるような原因は今のところ見つかっていません。

このことからわかるように、「何をしたら予防になる」ということも考えにくいのがこの膠原病の難しいところです。

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最後に医師からアドバイス

膠原病は、疾患の範囲が広い病気です。今回の酒井さんのように若い健康な方でも罹患する可能性が十分あります。

調子が悪いと感じたら早めの受診が早期発見につながります。原因不明の熱などが続いたら、ひとつの可能性として膠原病を疑ってみる必要があります。

(監修:Doctors Me 医師)

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