超能力や超常現象は、信じないまでも (興味は持っている)という人は少なくなさそうです。イギリスやアメリカでは19世紀末に超能力・超常現象ブームがあり、降霊、ラップ音、騒霊、透視、念力、などという言葉もこのころ生まれ、体験者も増えて広く世間に知られるようになったのです。その余韻が20世紀につながり、アメリカのいくつかの大学では大真面目に科学的検証を試みるところまで現れました。

カリフォルニア大学デイビス校もそのひとつで、一般に呼びかけて、超能力があると思っている人のための能力検査・検証を公開で行ったのです。(現在もまだ続行中かも知れません)

超能力を持っている(と思う)人は誰でも、いつでも大学を訪れて(検査)を受けることが出来るというものです。一例をあげると、透視能力検査では、一室に被験者が座り、壁の向こうの隣室の様子を透視して、見えた(と思う)ものを紙に書くというものです。隣室の様子は毎回変えて、人が(いるとしたら)男女の別、めがねの有無、服装、と透視できたものを書き、テーブルの上の備品、照明器具なども解れば全て付記するというものです。

これまで数百人の被験者がありましたが、結果は、ウイリアム・ジエームズの法則(超能力があると思う人には証拠が見つかり、ないと思う人には証拠不十分)の再確認で曖昧さを残すものでした。被験者の多くは隣室の男女の存在を正確に言い当てた場合でも、部屋の構造を正確に述べることが出来ず、部屋の形状が矩形なのを長方形と誤認したり、その逆に部屋の様子には詳しく迫りながら人物の透視ができなかったり、眼鏡や服装に該当性がなかったり、机上のものや備品について正解率が少なく、よく出来たものも曖昧さが奇禍となって総合点数が50ポイントを越えることが出来なかったというものでした。

サイコキネシス(念力)、テレフォーカス(遠視)などの一般公募テストでも特に際立った超能力者の出現はなかったようで、過去数十年間に公表された調査結果のいずれもジャャーナリズムに取り上げられるほどの(ユリゲラーのような)ものは一人もなく、やや期待はずれに終っているとのことです。フォキャスト〔予知能力〕に至っては現代社会の凡庸な関心事を過剰に反映したものが多く、近未来は多雨による陸地の水没、大地震による文明世界の破滅、といった想像力に欠けたものが多く、後に検査の対象から外されたということです。

しかし、視点をかえてみると、超能力とは言わないまでも、非凡な能力というものはあるかも知れません。普通人の理解を超えた能力というものはあるようです。その一例はフラッシュ暗算という能力で、今ではよく知られているものですが、ブラウン管に連続して十分の一秒で瞬く3,4桁の数字を十数個、瞬時に暗算するというものです。日本の小中学生のそろばん塾などで訓練しているというので、もはや稀少とも言えないかも知れませんが、それでも過去にはなかったものです。

上級者の中には4桁以上の数列数十個を一秒以内という早さでブラウン管にフラッシュされる問題を殆ど瞬時に算出する複写コンピュータのような人もいるとのことです。どのように計算するのか、計算の経緯は詳らかではありませんが、回答者の子供に問うと、計算の過程は判らないが解答の数字が頭の内側の(額の辺り)に見えるとのことで面妖な話になります。

通常人には想像も付かない才能というものは他にもあります。それは通常人からみるとハンディキャップを持っていると思われる人々の中に多く芽生える才能で、重度の自閉症の一つにサヴァン症候群という病気がありますが、その患者の中には障害の代償に(神に)与えられたのかと思われるほど稀有な才能がたまに見受けられるのです。

ハリウッド映画の「レインマン」という作品に実在の人物として紹介されていますが、主人公はサヴァン症候群患者で、知的障碍者でありながら、フラッシュ計算以上の不可思議な能力を見せるのです。正常者の兄と一緒にレストランで食事を済ませ席を立ったときウエートレスが楊枝入れをフロアーに落とすのですが、それを見て瞬時に、「98本」とつぶやくのです。それはフロアーに撒かれた楊枝の数を言い当てていたのです。この病気の特徴は異常な執着心(強いこだわり)といものだそうですが、それが時に不思議な才能として顕現するするというものです。

サヴァン症候群に限らず、自閉症者に画才に恵まれた人が多いのは周知のことですが、その中でも人間の脳機能の範囲を越えた(と思われる)記憶力を駆使して風景描写をする青年が・・・

                             (続く)

超能力の痕跡・・

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まじ 東風 このユーザーの他の記事を見る

八ヶ岳南麓に隠棲。世事にまだ興味深々。

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