今回は「地球の海は系外惑星の海に比べてほんのわずか」という内容について話題になっていたので、太陽系外惑星天文学の立場から、自らの研究成果と交えながらやや詳しく考察と議論したいと思います。

地球の海は「他の系外惑星に比べて少ない」のはウソ?

地球の海は全体のほんのごくわずか

出典Mail Online http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-3441430/A-wet-blue-marble-Stunning-image-reveals-Earth-s-water-form-sphere-just-860-miles-wide.html

私たちの住む地球は、大気、海洋、そして地下まで水で満たされています、それでも他の系外惑星に対して水がほんの一握りに過ぎず、地球の場合太陽の少しの異変で簡単に、かつ完全に海が消失する可能性が指摘されています。

筆者独自の研究そのものなのですが、以下では系外惑星天文学的な視点から話を進めたいと思います。

惑星の半径と惑星の海洋保有率

出典町田系外惑星天文学研究所[IEAM] http://ieam4358.f5.si/gate/gate.cgi

縦軸は、地球に対して惑星が海洋をどれだけ保有しているか(海洋保有率)を示し、横軸は地球に対する惑星の半径です。地球の10倍ぐらいまでの大きさの惑星を「スーパーアース」と呼びます。スーパーアースの厳密な定義はありません。特に黄緑色のプロットに注目して下さい。惑星が大きくなるほど海洋保有率が高まる傾向にあることが分かります。

何故、上記のことが指摘されているのか、話が少し難しくなりますが学術的に説明します。ちょうど私が独自で進めていた研究を数日前に別の記事で指摘された気がして止まないのです。今回は特別に、自分の研究から得たデータを公表することとしました。

 今回この図では黄緑のプロットに注目して下さい。該当する惑星が海洋を地球に対してどれだけ保有しているかを示しています。

 見にくいかもしれませんが地球はこの図では左下の底に位置しています。それに対して右上に向かうほど惑星の大きさも、海洋保有率も高まると考えて下さい。他の惑星はその大きさが巨大になるほど海洋の保有の度合いが高まっていくのが分かります。したがって、他の記事で指摘されていた「地球の海の保有が少ないこと」は、この図の示す通りピッタリ合致しているのです。火星でさえもこのデータから、最大で43%の海洋保有率があると筆者は見込んでいます。

ハビタブル惑星 地球

出典 http://www.dailymail.co.uk

地球は陸:海が7:3で成り立つ、「水の惑星」です。まさにハビタブル惑星(居住可能惑星)なのです。人も生物も自然も大切に!

我々が住む地球こそ、「水の惑星」なのでハビタブル惑星(居住可能惑星)なのです。地球以外の「第2の地球」の議論があちこちで飛び交っていますが、筆者も「第2の地球」の存在に期待しています。最近では我々陸上の生物の存在を否定する海洋惑星にも関心が向いていますので、後にその話も紹介できれば良いと思います。

おわりに

今回は初めて、自分の研究成果を示す記事となりました。専門性が高い話になりましたが、従来のSFの壁を越えてハビタブル惑星の存在が現実味を帯びていることは、人類誰もが大変興味深いこととして今後もヒートアップしていくと思います。

今では系外惑星は、系外惑星天文学という「天文学として」取り扱われ、決して想像で片付いてしまう「SFではない」という意識を皆さんに持って頂きたいと思います。

秒刊SUNDAY

出典 http://www.yukawanet.com

Mail Online

出典 http://www.dailymail.co.uk

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天文学者(系外惑星)・理論系外惑星物理者/個人研究事業 町田系外惑星天文学研究所(IEAM)・事業代表責任者(理学修士)。大学院時代の2年間、国立天文台太陽系外惑星探査プロジェクト室に所属。大学院修了後もフリーで研究活動を継続中。得意分野は天文学、特に太陽系外惑星天文学におけるハビタブル惑星及び海洋惑星の研究(研究テーマ:惑星海洋保有関数論)を「惑星と水」をキーワードにして進めている。
参考サイト(個人研究事業 町田系外惑星天文学研究所):http://ieam4358.f5.si/

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