記事提供:Doctors Me

医師が解説する医療・健康サイト「Doctors Me」編集部です。
住野よるさんの小説『君の膵臓を食べたい』が本屋大賞にノミネートされ、話題となっています。

ところで、『膵臓(すいぞう)』とは、どのような臓器かいまいちピンとこない方もいるのではないでしょうか。

今回は膵臓の病気について、医師に聞きました。

膵臓ってどんな臓器?

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膵臓は、肝臓や胃などの裏側にあるやわらかい臓器です。実はさまざまな重要な働きをしています。

1.消化に関わる役割
膵液という炭水化物やタンパク質、脂肪を分解する消化液を分泌します。

2.ホルモンを分泌する役割
「インスリン」「グルカゴン」という糖に関わるホルモンを分泌します。

・インスリン
血糖の調整をします。血液から細胞の中に糖を取り込んだり、グリコーゲンを作ったりする働きをして糖のバランスを保ちます。
・グルカゴン
血糖が足りないとき分泌されます。グリコーゲンの分解をうながしたり、糖の合成に関わることで糖のバランスを保ちます。

膵臓の病気って、どんなものがあるの?

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膵臓の病気で代表的なものは以下の3つです。
急性膵炎
慢性膵炎
膵がん

1.急性膵炎
膵酵素が活性化されてしまうことで自分の膵臓が消化されてしまい、膵臓やその他の主要な臓器に炎症や障害が起こる病気です。
急激に進行することがあり、状況によっては死に至ることもあります。アルコールや胆石症が原因となることが多く、急激に背中に痛みが起こります。熱や吐き気や嘔吐なども起こることがあります。

2.慢性膵炎
膵臓で炎症が繰り返されることで膵臓が線維化したり石灰化したり、正常な働きができなくなっていく病気。長年の過度の飲酒などが原因で起こります。背中が痛くなったり、体重が落ちたりします。インスリンが作られず、糖尿病となることもあります。

3.膵がん
症状が出にくく、見つかりにくい癌です。転移もしやすく悪性度の高く、病気になった後の見通しが悪いことも特徴です。
50~80歳に多く、症状が進むと背中の痛みや腹痛、体重減少、食欲不振、黄疸などがあらわれます。
まれに膵腺房細胞がんなど若年性の膵臓がんもあり、10代から発症することもあります。

膵がんのリスクが高い人

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膵がんのリスクが高くなる人の特徴をお伝えします。
・喫煙者
・コーヒーをよく飲む人
・加工肉などの肉類や脂肪をよくとる人
・肥満がある人

また、慢性膵炎や糖尿病、遺伝性膵炎などがある人にも起きやすくなります。若年性の膵がんは、遺伝要素が大きいため、家族に若年性の膵がんの人がいる場合は気をつけましょう。

なかなか症状が現れにくいことが、膵臓は「沈黙の臓器」とも言われる理由です。膵臓の病気の予防や早期発見のために、膵がんのリスクの高い人は、お腹の調子が悪いといった症状、腰や背中の痛み、食欲不振などがあれば、早めに受診することが大切です。

【医師からのアドバイス】

小説のように10代の方でも膵臓の病気を患うこともあります。また、Apple社を創業したスティーブ・ジョブズも膵がんを患っていたなど、膵臓の病気を患っている人は少なくありません。

膵臓を健康に保つためには、禁煙し、アルコールの過度の摂取は控え、野菜などをしっかりとり、バランスのとれた食生活をするといいですね。

(監修:Doctors Me 医師)

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