老婆の施し

小学校で教員やってたとき、そこの先輩が話してくれた話なのですが、その先輩は50くらいですが、たくましい体のおじさんでした。その先輩の若いころ。先輩はサイクリングが趣味で、一人で自転車にのり、いろいろなところに行ったそうです。大学受験が終わり、暇をもてあましたころ、ふと思い立って、泊りがけでG県に行きました。詳しい経過はよく覚えてませんが、なんやかんやあり、G県のとある駅に野宿することになり、先輩はそういう野宿はよくやってたそうで、戸惑うこともなく寝支度をしていました。寝袋の中に入っても、なんだか寝付けなかった。真っ暗の無人駅なので、暗い、暗い、暗い。ぼんやり暗闇を眺めていると、明かりが近づいてきました。何だ・・・?目をこらすと、蝋燭。蝋燭を持った老婆。「何をしてる?」老婆は比較的明るい声で聞いてきました。その声に先輩は比較的安心し、野宿することになったと事情を話しました。すると老婆は気の毒そうな顔をして、「コレをたべんさい」と言って、持っていたカバンから、茶碗に盛られたご飯を出しました。先輩は驚き、なんですか?と尋ねると、「ああ・・ご飯だけじゃ食べにくいなぁ」と答え、まだ暖かいご飯に「腕時計」を乗せました蝋燭の乏しい灯りでみると、やけに赤い、なんだか皮膚らしきものも付着している。先輩はパニックにおちいり、寝袋をひっつかんで逃げました。話はこれだけです。殆ど意味不明だったのですが、とても怖かったので・・・

サヨちゃん

俺は小学校に入るまでは、広島の田舎の方に住んでいた。その時に知り合い(仲良しではない)だった、「サヨちゃん」の話をしよう。俺の母方の実家は、見渡す限り畑ばかりのド田舎で、幼稚園も保育園も無い。俺は母親と祖母とともに家で遊んでは、父親の帰りを待っている毎日で、退屈しきっていた。近くの町に出かける時だけが楽しみで、よくお決まりの公園に行っては、買い物をしている母親を待ちながら、遊んでいたものだ。ある日、公園に同じ歳くらいのかわいい女の子がいて、一緒に遊ぶようになった。その子は「サヨちゃん」といって、この町に住んでるらしく、一人で遊びに来てるらしい。黒いスカートと白いシャツを着た、オカッパのかわいい子で、俺はすぐに打ち解けて砂遊びを始めた。乾いた砂場をスコップで掘り返し、大きな砂山を作って、二人で両方の側面から穴を掘っていく。手で砂をかき分けながら掘り進み、ちょうど山の内部でお互いの手が触れ合えばトンネル開通だ。俺はそろそろサヨちゃんの手に触れるかな?と、真ん中あたりまで掘り進んだ時、何かが俺の手を掴んだ。そのまま俺はすごい力で引っ張られて、頭から砂山に突っ込んだ。しっかり押し固められた砂山は崩れず、俺は砂山に押し付けられる形で窒息しそうになり、「やめてよ!サヨちゃん!」と叫んだ。すると「え?な~に~?」と、サヨちゃんが砂山の向こう側からこちらを見ていた。サヨちゃんは中腰姿勢で手を砂山に突っ込んだまま、俺を見ながらニヤニヤしていた。それはどう見ても5、6歳の少女の手の長さとは考えられず、俺はわけのわからないまま、「やめて!やめて!」と連呼した。そこにタイミングよく母親が帰ってきて、俺はサヨちゃんの手から解放された。しゃっくりをあげ始めていた俺の横をすり抜けて母親に礼をすると、サヨちゃんは走って去った。子供ながら、母親に話しても信じてもらえないと考えた俺は、結局何も言えずに家に帰った。それ以来どうも俺は、彼女に目をつけられたらしい。母親は町に出かけるたびに俺を公園にほっぽり出し、俺はその度にサヨちゃんと遊ばなくてはいけなかった。彼女はいつも黒いスカートと白いシャツの一張羅で、親が付き添って来た事は一度も無かった。丁度母親が公園から出て行くのを見計らうように、入れ違いに現れるのだ。公園には他の子供が先に遊んでいる時も多々あったが、サヨちゃんが公園に入ってくるだけで、俺と同じくらいの年の子はおろか、小学校の高学年らしき子さえもコソコソ逃げ出していく。俺は何よりサヨちゃんに逆らう事ができず、サヨちゃんのいいなりだった。公園の片隅に落ちていたライターを、サヨちゃんがちょん、と触るだけで、いきなり火がついた事があったし、塀の上を歩いている猫に向かって、サヨちゃんが枯葉を丸めて投げつけると、猫が受身もとらずに背中から落ちた事もあった。サヨちゃんに会うごとに信じられない事が度々起こり、俺は彼女に会うのに恐怖を感じるようになった。色々あったが、書ききれねーや

ゴメン。細部まで全部思い出すと鬱になるんで、最後だけ書かせてくれ。俺は>>134の前述通り、公園で毎回怖い目に会ってたんだ。その内、自然と家に篭もりがちになり、母親の買い物にもついて行かなくなった。子供ながら、サヨちゃんから逃げようとしたわけだ。公園に行かなくなって一ヵ月くらい後、久々に父母ともに親子揃って買い物行こう、という事になった。親父が車を出すというので、ならサヨちゃんに会わなくても済む、と思って俺は快諾した。デパートをまわって楽しい一時を過ごした後、俺の乗った車は帰り道で公園の前に差し掛かった。公園の入り口はこちらの車線の歩道にあって、タイミングの悪い事に、車は丁度その入り口近くで信号機に止められた。俺は内心サヨちゃんに見つからないようにドキドキしながら窓からこっそり公園の中を窺った。すると彼女は居た。一人で。何か指差しながらゲラゲラ笑っていた。よほど可笑しいのか、まるでのたうち回るように、地面に這いつくばって笑い転げていた。俺は唖然となったが、その時信号が青に変わって車が発車した。サヨちゃんの姿が流れて行った。しかし、サヨちゃんの指先は俺の車の動く方向へスライドしていった。彼女は俺の乗った車を指差して笑っていたのだ。俺は、なぜ俺が乗っていたのがわかったのか、と考えるより先に怯えた。次の日、親父は車の激しい追突事故でカマを掘られ、頚椎に損傷。ほぼ一生入院生活が決まり、九州の病院へ。母親と俺は共に九州に行き、父方の実家の世話になり、そこで小学校に入学した。サヨちゃんと会う事はもう無かった。俺は、親父の事故は彼女のせいだとは思っていない、というか思いたくない。俺まで連帯責任を感じてしまうし、何よりあの女の仕業かも、と考えるだけで恐ろしく、忌々しく感じて、今でも腹が立つからだ。嘘というにはちとショボイ、本当の話。

遊ぼおじさん

不安の種って漫画見てて、自分の子供時代のそっくりな体験思い出した。というのも、『遊ぼおじさん』の話。公園で遊んでいると、遊ぼおじさんはしょっちゅう現れた。足をびっこひきながら近づいてくるその様子と、「あ~ぞ~ぼ~」と言う低音ボイス、常によだれを垂れている口元が、子供心に恐怖を覚えた。というのも、重度の知的&身体障害者だった。みんなは怖がったが、自分は興味本位で一緒に遊んでしまった。数日後、小学校のグラウンドで体育の授業をしていると、どこで嗅ぎ付けたのかおじさんがやってきた。学校でも有名だったからか、そのときはみんなパニックになった。泣く子、逃げ出す子。その様子はまさに阿鼻叫喚だった。そのときは先生が丸くおさめて帰らせたからことなきを得たが、何も知らない俺は何が怖いの?って感じだった。そのことを母親に話した。「今度あったら一応挨拶しておく」と言った。それからしばらく、遊ぼおじさんは見かけなくなった。あるとき、一人で留守番をしながらスーファミしてた。おじさんが家の前を歩いているのを窓から見てしまった。目が合い、自宅を気付かれてしまったようだ。俺の家は一階建ての平屋。なんとなくヤバイ感じがして、俺は全部の窓とドアの鍵を閉めに行った。すると遊ぼおじさんは、本当に身体障害者かよというぐらいの速さで全速力で走ってきた。「あぞぼ!!あぞぼ!!」ドンドン!とドアを無茶苦茶に叩き始めた。しばらくしたらおさまった。ヤレヤレだぜと思い、ゲームを再開した。目の前の窓に遊ぼおじさんが張り付いていた。俺は、星のカービィスーパーデラックスのデータが消えていたことに泣いた。

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