『LINEスタンプは儲かるぞ!』
昨年からのマスコミ報道に乗って、沢山の企業やクリエーターたちが、一攫千金を夢みて続々とLINEスタンプに参入していったのは周知の通り。

さぞや今頃は市場が活況を呈していることと思いきや、実際はさにあらず。
『現実は厳しいという声が、そこかしこから聞こえてきます。
なんとLINEスタンプの市場は、早くも過当競争の時代に突入してしまっているのです。

しかしそんな逆風にも関わらず、ビジネスとは一線を画したポジションで、LINEスタンプを謳歌しているクリエーターたちがいます。

本当は、こっちこそが本道なのでは?』
そんな気持ちにさせてくれる、新しい流れをご紹介したいと思います。

LINEスタンプの市場では何が起きているのか?

出典©まめつぶ

LINEがスタンプの販売を一般に開放したのが2014年。
初期には、公開されているスタンプが少ない寡占状態であったため、参入を果たしたクリエーターにとって、おいしい市場であったのは確かなようです。

2014年5月8日
「LINE Creators Market」で世界中のクリエイターが作成したスタンプの販売をスタート!

出典 http://creator-mag.line.me

当初はLINEの審査(スタンプの販売に際しては、LINEの審査が必要)に3か月以上掛かるのが当たり前。これがクリエーターたちからの不評を買っていました。

劇的に改善されたのが、昨年の夏。
LINEが審査のスキームを見直し、担当スタッフを増員したのです。

平均5日で販売開始! クリエイターズスタンプの審査期間が大幅短縮&スタンプショップに「カテゴリ」追加!

出典 http://creator-mag.line.me

LINE側の努力によって、現在は審査期間は3か月から平均5日に短縮。当初の20倍に迫るスタンプセットが、毎日リリースされるようになりました。
LINEの資料によれば、今や毎日500~1000セットものスタンプが、新たに発売されているのだそうです。

審査のハードルが下がったのは喜ばしいことですが、その反面で、毎日大量のスタンプが供給されることでの副作用が生じてきました。
今や、存在自体を知られること無く、1セットも売れないまま埋没するスタンプも多いのだとか。

これが前述の、『現実は厳しい』という状況を生み出している原因のようです。

そもそも、LINEスタンプは何のためにあるの?

出典©まめつぶ

LINEスタンプはともすればビジネス的側面だけが、取り上げられがち。
しかし、そもそもスタンプは商売道具ではなく、テキストでのコミュニケーションを、より円滑で楽しくするツールであるはずです。

一歩引いて本来の視点に立ち返えれば、『儲かりそう』ではなく、”家族や友人たちに気持ちを伝えたい”、”人を楽しませたい”、”新しい何かを表現したい”という、内なる欲求と制作意欲こそが、クリエーターを突き動かすエネルギーであるべきではないでしょうか。

実際、ネット上でスタンプ作者たちの動向を探ってみると、必ずしも全てのクリエーターたちが、売上至上主義と言うわけでもありません。

ここでは、自分のペットをモチーフにし、自分と仲間たちのコミュニケーションのためにスタンプを作成している、3人のクリエーターとその活動をご紹介したいと思います。

3人のクリエーター

出典©まめつぶ

まめつぶ
【自己紹介】
動物が大好きでたくさんのペット(猫6匹、ミニチュアダックス1匹、ビーグル系ミックス2匹、山羊3頭)と暮らしています。
趣味は何かを作ること。グッズや、手作りの小物なども制作しています。
静かにのんびり暮らすのが好きです。
最新スタンプ:『フレブルでござんす』

出典 http://ameblo.jp

出典©ははぅえ

ははぅえ
【自己紹介】
保護犬を含めて4匹のボルゾイ、ヨーキーと暮らしています。
ボルゾイは見た目、スラリとかっこいいイメージですが、一緒に暮らすとちょっと抜けている一面があり、かなりのほんわか天然キャラなのです。そのギャップを、ゆるいイラストで表現しています。
羊毛を使った、ぬいぐるみも作っています。
最新スタンプ:『白ねこ暮らし(バレンタイン)』

出典 http://ameblo.jp

出典©Peachy

ピーチー・パパ(筆者&インタビュアー)
【自己紹介】
ミニチュア・ブルテリアのピーチーと暮らしています。ブルテリアは表情が豊かで飽きない犬です。
昨年はピーチーが重い急性疾患に罹り、もう今日明日にでも、天国に旅立ってしまいそうな時期がありました。だからこそというのでしょうか……
仲間のブルテリア達と共に、同時代を生きた証としてスタンプを作りました。
最新スタンプ:『ブルテリアのピーチーと、おかしな仲間たち』

出典 http://ameblo.jp

まめつぶさんと、ははぅえさんにお話しを聞いてみた

出典©ははぅえ

実際にLINEスタンプを制作しているクリエーターたちは、いったいどういう姿勢で作品に臨んででいるのでしょうか? 動物をモチーフとしたイラストで活躍されている、まめつぶさん、ははぅえさんのお2人にお話しを聞いてみました。(インタビュー:ピーチー・パパ)

Q1:まずはLINEスタンプを制作しようと思ったきっかけを教えてください。

(まめつぶ)
 とにかく絵を描くのが好きで、いつも落書きばかりしていたんですが、そのうち知人にやってみたらと勧められちゃって。
(ははぅえ)
 ボルゾイ友だちに送るラインメッセージに、ボルゾイと暮らしている人にしかわからないような、地味に笑えるスタンプが欲しかったんです。それで自分で作ってみました。

Q2:LINEスタンプを制作してみて、良かったことは何ですか?

(まめつぶ)
 イラスト制作において、スタンプという打ち込める対象ができました。それと動物たちにモデルになっていただく過程で、たくさんの飼い主さんとお友だちになれたことも良かったですね。
(ははぅえ)
 ボルゾイと暮らしてらっしゃる方々から、嬉しいメッセージやコメントをいただけたことです。

Q3:イラストまたはデザインは、ご本業なのですか?

(まめつぶ)
 本業は歯科技工士をやっています。イラストの方が本業にできたら嬉しいですね。
(ははぅえ)
 私も、いつか本業になればいいなと思っています。人の心を、少しだけ優しくできるようなイラストと言葉を、たくさん届けたいです。

Q4:お二人ともモチーフがペットですね。きっと動物がお好きなんでしょうね?

(まめつぶ)
 猫(ミックス)6匹、ミニチュアダックス1匹、ビーグル系ミックス2匹、山羊3頭と暮らしています。子供の頃からいつも動物がいる生活だったので、捨て猫を保護したりしてるうちに、気がつけばこんな数に。
 忙しい時は世話が大変ですし、いたずらされるとムカつきますが、あなたしかいませんという目で見られると頑張って面倒みなくちゃと思います。
(ははぅえ)
 うちはに保護犬2匹を含めて、ボルゾイが全部で5匹と、ニホンイシガメがいます。動物との生活は楽しいです!
 娘が二人いるのですが、高校生と中学生なので遊んでくれませんwww
 主人の仕事が休みの日は、ほぼ毎週日曜日にドッグランに行っています。犬たちが楽しいと、主人も私も楽しいです☆

Q5:LINEスタンプの市場は厳しいみたいですが、売上は気になりますか?

(まめつぶ)
 もちろん気になります。それはスタンプの評価と同じですからね。
 でも、売上を目的にしているわけじゃありませんから、それが制作のモチベーションという訳ではありません。
(ははぅえ)
 気にならないと言うと嘘になりますね。むしろ結構こまめにチェックします。でも売上よりも統計情報の方が気になります。やはり使ってもらうと嬉しいですから。
 ※スタンプの利用状況は、統計情報としてクリエーターに報告されます。

Q6:これからもLINEスタンプの制作をなさいますか?

(まめつぶ)
 もちろんです。今は丁度「こんなスタンプを作って欲しい」という要望を、大勢の方からお聞きしているところ。    
 今後の予定はブルドッグ、ブルテリア方言バージョン、ワイマラナー、山羊、猫など色々あります。
(ははぅえ)
 これまで手掛けてきた『あおい犬のメッセージシリーズ』も、『ボルゾイスタンプ』も、引き続き制作したいと思っています。
 最近もネコのスタンプを発売したばかり。犬以外の動物も好きなので、これからカメやフクロウも制作予定です。

Q7:最後に、これからLINEスタンプを制作なさる方にアドバイスはありますか?

(まめつぶ)
 LINEスタンプは制作上の規定さえ守れば、たとえ絵が上手でなくても、世界中に自分の作品を見てもらうことができる楽しい場です。
 売上にこだわるんじゃなく、自分や家族が楽しめるスタンプを作るのも良いんじゃないでしょうか?
(ははぅえ)

 時には自分で「自己満足かなぁ」と思ったりもしましたが、色んな方たちが色んな使い方をしてくださると、制作して良かったなって思うし、作る楽しさが広がります☆
「あったらいいな」と思うスタンプを作って、自己満足の輪を広げましょうwww

ありがとうございました。これからも素敵な作品で楽しませてください。

LINEスタンプの可能性

出典©ははぅえ

画像データとしてのLINEスタンプのスペックは、解像度が370×320dotで、1670万色+半透明の表現が可能となっています。

デジタルイラストレーションの黎明期に、先進的な作品の多くが解像度640×480dot未満であり、256色や16色で制作されていたことを考えると、LINEスタンプは芸術作品を生み出し得る、優れたキャンバスと言っても過言ではないでしょう。

とかく市場性や売上だけがクローズアップされがちなLINEスタンプ。
しかし『現実は厳しい』という声は、何もLINEスタンプだけに限った話ではありません。

過去にブレイクしたメディア芸術の分野は、例外なく一度はオーバーシュートし、低迷期を迎えています。
やがてそんな低迷期を打ち破るスターが生まれ、新しい道が切り拓かれてきたのです。

さて、LINEスタンプからも新しいスターは生まれてくるのでしょうか?

もし生まれてくるのだとしたら、それは自分の才能を信じ、愛情を込めて1つ1つ作品を作り上げているクリエーターの中からに違いありません。

何故ならば、それがこれまで多くのメディア芸術が通ってきた道だからです。

補足:クリエーター情報

出典©Peachy,©まめつぶ,©ははぅえ

お世話になっている動物病院から、
「患者さんからネコカレンダーのリクエストあるよ♪」
と、嬉しいお言葉をいただきまして(〃∇〃)
ははぅえ、調子に乗って作ってしまいましたwww
 

  昨日、ようやく審査を通ったLINEスタンプ
『ブルテリアのピーチーとおかしな仲間たち』
 
 
 約1か月の承認期間ですが、ここに至るまでに、思いもよらぬドタバタがありました。

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某大学工学部を卒業後、当時黎明期だったビデオゲーム業界に。エンジニアを希望するが、配属先は企画。結局在籍中はデザイナーとして過ごす。退職後はデザインツールの開発、CGの技術開発、TVアニメの企画など。目下の興味の中心は”犬との生活”。14歳のミニチュア・ブルテリア、ピーチーが相棒。

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