「おそらく、映像に記録されるのは初めてのことだと思いますよ。あの場所は誰も見たことのない “幻の富士山”といわれてましたからね。」と、やや興奮気味に語るのは、フリーカメラマンの尾﨑洋さん。

尾﨑さんは、話題となった『東京の駅前富士山』(鹿砦社)の著書や富士山の特集番組に出演するなど、富士山のスペシャリスト。
その尾﨑さんさえ目にしたことがないという“幻の富士山”はどこにあるのか。


■山手線の内側で富士山を見ることができる貴重な場所

「東京のど真ん中の神宮外苑です。富士山を望めるのは絵画館前の西側となりますが、山手線の内側であれだけくっきりと見えるのはここぐらいなものです」(尾﨑さん)

尾﨑さんによれば、山手線内の路上から富士山を確認できるのは5カ所ほどで、富士見坂も文京区の1カ所のみだという。
それだけにこの外苑富士は貴重な存在といえるが、発見は東京五輪がらみだった。

2020年東京五輪メーンスタジアムの新国立競技場建設が揉めに揉めたのは周知の通り。前回1964年の聖地だった旧競技場は昨年夏に解体された。その後、皮肉なことに更地となったその跡地で富士山が望めるようになったのだ。

「ですから、幻だったんですが、もともと外苑周辺は富士見ゆかりの場所でもあり、千駄ヶ谷の鳩森八幡神社には江戸時代の富士塚も残っていますし、葛飾北斎も『冨嶽三十六景』で2枚(青山圓座枩・隠田の水車)も描いています。いまでも代々木公園や代々木体育館からは見えるので、外苑から代々木公園・渋谷は絶好の富士見通りでもあるんです」(尾﨑さん)

外苑富士はアクセスもよく、富士山ファンが連日押しかけている。そして、2月になれば、富士山からのビッグプレゼントがあるという。


■2月5日は特別な日

「太陽が富士山頂上に沈む“ダイヤモンド富士”を眺められるんです。期間は2月3~6日の夕方5時ごろで、中でも5日は文句なしのダイヤモンド富士となるはずです。どのくらいの人が来るのかわかりませんが、とにかく富士見晴れを期待したいですね」(尾﨑さん)

東京のど真ん中に突如出現した外苑富士。富士山を借景にして絵画館を建設した先人には驚くばかりだが、いまのところは新国立競技場が姿を現すまでの期間限定となるらしい。

「何とかスタジアムとの共存を図って、いつまでも富士山が望める場所であってほしいですよね」(尾﨑さん)という声は、一度現場に足を運べば、誰でも思い抱くことではないだろうか。

(ライター・野川果音)



【画像】
※ Fuchsia / PIXTA

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