国は、年間20ミリシーベルトを基準とした特定避難勧奨地点の設定自体を今
になって、法的根拠はなかった、単なる事実の通知だ、だから法的根拠のない
ものを解除したこと自体、なんら法に触れるものではない。
つまり、この裁判自体成立しないと主張した。
原告側は、当初、特定避難勧奨は支援を目的とした制度と国が謳っていたのだ
から法的根拠はあると反論した。
これは第一回目の裁判要旨だが、とりあえず国は、裁判要件は認めて、両者
第二回に臨んだ。
第二回目では、国は、特定避難勧奨地点の解除は、合理的基準に基づき、十分
な手続きを経て実施された合理的なものであり、また事後的手当もされている
ことを理由に、裁量権の逸脱または濫用が認められないと主張した。
ここで注目すべきは、国がいう「合理的基準」の二つの根拠である。
一つは「年間20ミリシーベルト」の認識である。国は「年間20ミリシー
ベルト」は、通常の「肥満」や「糖尿病」「喫煙」等のリスクと比べて十分
低い水準である、という国のワーキンググループの報告を引用した。
「肥満」「糖尿病」「喫煙」等のリスクと被ばくのリスクを平気で比較する
先進国は日本においてないだろう。
これは原発作業員のガン、白血病の労災認定基準は年間5ミリシーベルトと
いう過去の判例やチェルノブイリ原発事故の対応の知見を無視したものだ。
二つ目は、国際放射線防護委員会(ICRP)が勧告する参考レベルの100~
20ミリシーベルトの厳しい数値である20を選択したというもの。
しかし、この100~20ミリシーベルトというのは「緊急時」の目安であって、
片や、国は「緊急時」は収束したと野田元首相自ら国民に宣言したはずだし、
その後の首相もその認識を踏襲している。
「平時」は、1ミリシーベルトである。南相馬20ミリシーベルト基準撤回訴訟
の争点もそこにある。
今回の裁判で、弁護団は国側に対し、いつから「緊急時」が「平時」に移行
したのか?を質問した。国側弁護団は答えず、次回の宿題になった。
原告弁護団は国の「平時」資料を入手しているようだ。国が「平時」を認め
たら、20ミリシーベルトの根拠がなくなる。
次回3月28日(月)14:00PM、国は東京地裁103号法廷でなんと答えるの
だろうか?

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