出典photo:Buono/隅本

唐突ですが、ワリと古いモノが好きだったりします。一口に古いモノと言ってもいろいろありますけど、今回はクルマに関する話題だったりします。

さてボク自身が好きな古いモノとは"長く愛せるモノ"のことなんです。なので、なんでもいいというワケではありません。
そもそも"長く愛せるモノ"というのはデザインや質感など、持ち主の気持ちを飽きさせないことが重要です。それは他人にとって良さが理解できないものだったりすることも多いでしょうけど、持ち主にとってだけは常に高揚感や満足感を伴うものだったりするワケです。

そしてもう一つ、耐久性も長く愛するためには大事なポイントだと言えるでしょう。
せっかく気に入って長く愛し続けようと思っても、そのモノ自体がどうにもならなくなってしまってはその思いは叶わないですからね。モノだけに壊れてしまうこともあると思いますが、壊れても修理して直すことができるならなんにも問題ないと考えています。なので作りの良さや丈夫な素材を用いているか、モノによっては修理に必要な部品などが入手可能なのかに注目してしまいます。
最近だとプラスチックが多用されているモノも多いですよね。それだと加工や造形がしやすくデザイン性などはスバラシイんですけど、それらがボクの心を奪うことはありません。耐久性や質感の面で長く愛し続けることがムズカシイと感じてしまうのが理由の一つです。

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もちろんまったく買うことがないということではなくて、必要に応じて買うことだってあります。だけど若いころのボクにとってそういうモノは2年とか3年なら高揚感や満足感が持続することはあっても、30年や50年先の"未来まで気持ちが持続しているイメージ"が湧きませんでした。この"未来まで気持ちが持続しているイメージ"とはずっと手元に置いておきたいかどうかであって、手元に置き続けたいモノだから長く愛し続けていけるモノなのかというところを重要視するワケです。

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さて、そんなボクにとってクルマへの興味はここ15年ほどアメ車一辺倒です。それ以前はアメ車以外に興味の幅を広げて所有したりもしましたけれど、それよ りも遥か前……中学生のころに古本屋で手に入れた「アメリカン・ドラッグレース・ワールド」(←タイトルは覚えてなくてこんなイメージ)的なB4くらいの 大きな判型の本にヤラれました。ビッグエンドを目指すドラッグマシンの大迫力写真ばかりで構成されていて、当時のボクは完全にノックアウト。つまり子ども のころからずっとアメ車がイメージの中にあったんです。

出典photo:Buono/隅本

アメリカに興味を持つようになったきっかけや、潜在意識下にアメ車がすり込まれたと思われるエピソードもあるんですけど、それらについては機会を改めたいと思いますので今回は割愛です。
それで今回、いよいよここからが本題なんですけど、ここまでの流れからお分かりかと思いますが大好きなアメ車についてです。アメ車と一口に言ってももの凄い種類があって、そんな中"長く愛し続けられるアメ車"となればボク自身が乗っているエルカミーノ以外にありません。完全な押し付けです。ええ、分かっていますとも。それでも"大好きなモノとずっと暮らしていこう"という選択をするとき、ボクにとってずっと手元に置いて乗り続けたいクルマとはエルカミーノだったんです。
そんなワケでここからはエルカミーノのことをお話しますが、専門ではないのでぜひツッコミ無しでお願いしますね。

出典photo:Buono/隅本

ボクが乗っているのはシボレー・エルカミーノというモデルなんですが、バイクを載せたいという理由で選びました。そもそもエルカミーノは1959年と1960年に販売され、そこで突然生産がストップされてしまったモデルです。
ところが1964年になって2ndジェネレーションモデルとして復活。ブランクを経た結果、フルサイズだった1stジェネレーションモデルとは異なり少しコンパクトなボディを採用していたんです。これはミッドサイズのシェベルシリーズがベースとなったからで、日本で言うところの5ナンバーサイズをタテ×ヨコともに数センチずつ大きくした程度。おかげでコインパーキングも利用できるし、駐車場で困るシーンは少ないんですよ。

出典photo:Buono/隅本

この2ndジェネレーションモデルは1967年までの生産で、前後左右をスパスパっと切り落としたような見切りの良さで運転しやすいところも特徴。後部ベッドを備えているのでトラックと見られるんですけど、セダンピックアップにカテゴライズされています。
要は"キャビン付きハシゴフレームの後部を荷台に仕立てました"ではなく、"プラットホーム後半を荷台としてデザインしたボディを採用しました"となっているのでボディ前半部との境に切れ目がないこともポイント。

出典photo:Buono/隅本

元々アメリカンたちはトラックが好きなイメージがありますけど、ドーンと押し出し感のあるキャビンによって迫力ある雰囲気を醸し出すピックアップトラックよりも、注目度はスポーティで軽快なルックスを持つセダンピックアップのほうに分があったんじゃないでしょうか。
ただピックアップ自体は実用車だから質実剛健で仕事にも使いやすいというところが求められるため、スタイリシュな方向に仕立てられたエルカミーノは最終的に80年代後半に差し掛かるころにラインナップ落ちしてしまったのかなぁ……と、そんな想像が頭をよぎりました。

それでも60年代中期から始まるマッスルムーブメントに乗っかった感のあるシェベルがベースのエルカミーノだけに、そうしたイメージも人気を後押ししたんじゃないかと感じる次第です。ちなみに写真はすべて1964年式のシボレー・エルカミーノです。

出典photo:Buono/隅本

そうそう、個人的にはアメ車だけでなく、カメラやスクーターなども古いモノが好きだったりします。
道具として考えると実用的であるかも重要ですけど、そこは考え方だと思うんですよ。たとえば……まったくトラブルなく、そして手間や時間も要しないモノこそが道具であると考える人にとっては古いモノってやめておいたほうがいいでしょう。
でも写真を撮るのにフィルムを装填し、巻き上げ、露出を測ってから絞りやシャッタースピードを決めてシャッターを切る。なにもシャッターを切るまでに5分も10分もかかるワケではないし、フィルム装填は最初だけで、それ以外は慣れると数十秒から1~2分程度じゃないでしょうか。この時間と行為を楽しいと感じられる人は古いモノと仲良しになれるんじゃないかと思います。
それと調子を維持するために手をかけてやったり、それでも運悪く故障してしまったとしても「直せばまた使えるから大丈夫」……なんて大らかに考えられる気持ちの人は古いモノと上手に付き合っていけそうです。もしもあなたがそんな気持ちのある人なら、ちょっとだけ古いモノに目を向けてみるっていうのはどうですか?

お気に入りの古いモノを吟味して手に入れる。
手に入れたお気に入りだから手をかけながら長く愛し続けていく。
身の回りにそうしたお気に入りの古いモノを集めるのはステキなこと。
だけど手をかけてあげる必要のあるものばかりでは大変そう。
だからなにか一つだけ……そう考えて探してみよう。
見つかれば気持ちを豊かにしてくれそうな気がする。
たった一つだけでも。
「大好きなモノとずっと暮らしていく」とはそういうことじゃないかと。

出典photo:Buono/隅本

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二輪ジャーナリストとしてバイク&スクーター雑誌を中心として活動中。主に新旧スクーターに関する記事が専門。 とくにベスパを得意としていてベスパ関連書物などの出版もしています。なのでベスパを軸にスクーターやバイクのこと、ときには取材で出かけた食や遊びや旅のことまで書き記していきたいと考えています。

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