秋風は16歳の少女だ。


天才少年エス17歳に用事があるので


和光の自衛隊の官舎から足早に実家の倉庫部屋に戻ろうと思った。


育てた伯父はそれをとやかくいう性格ではなかった。


紹介した交際相手の湯川を伯父も伯母も気に入ってくれた。

秋風はきちんと生きる公務員の暮らしが好きなところがあり


最終的にはこちらを選ぶつもりだった。


その理由は規則正しく生きてよく眠れてテレビはみない!

緑と戦闘機とヘリコプターのある暮らしが好きだったからだ。

戦車に掘られた三菱重工・川崎重工を見て、将来はここで国防機を作り社会貢献したいと

思っていたが、その数年後就職活動でまず最初に電話をすると女子学生の求人がなかった。

空が広くて世界に繋がるところで働いてみたいという漠然とした希望が16歳の

秋風にはあった。世界は実は戦争で繋がっている16歳の秋風の感想だった。


交際相手の湯川17歳にその話をすると

「三菱重工?!!いいよね!理系の仕事だよ!」という。

秋風は自分には理系の仕事は無理だろうと思った。

秋風は官舎で食べるクラブハウスサンドが好きだった。


実家の倉庫にはエスが夜中に自由に出入りできる通路があり

エスはそれを大変気に入っていた。


夜中に来て朝方出ていくエスをこっちがどうみてもネズミなんじゃないのか?と

秋風は思ったが、実際のネズミ少年はときおり秋風の前にまだ現れる。

「なに?来ても!もう線香花火ないよ!」家で燃やしてボヤ騒ぎを起こしたからだ!


9月18日の土曜日の午後にひとりでライブをやることになったと

告げると

「こんなところにいないで練習しろよ!」とエスは言って。

秋風は再びエスの家に行った。

「僕が出たらさ!それは曲はよく仕上がるけど


出れないもんな!女子高生!じゃないから!」とエスは嬉しそうだったが

女子高生という言葉にワクワクしているだけだった。

エスのシンセサイザーのないアコギ!一本の音は

それは淋しくエスの部屋に響いた。


「正直ひとりでやりたくない」と秋風は言った。


担任の先生の詩を歌うことをエスは喜んでいたので


秋風はよかったと思った。

「へぇ~!!先生もライバルが僕じゃ~大変だ!!

でも、秋風が幸せだと僕は嬉しいんだ」エスは笑う。

夏の木漏れ日の中でオーディオとシンセサイザーが

古びて見えた。カーテンは茶色がかったオレンジ色と

茶色のチェックだったがここに最初に来た時よりだいぶ古くなってる。

レースのカーテンはなぃ。


学園祭の曲の練習をしてると

「うまくなったな~」とエスはいい。

17歳なのに40歳くらいの顔をしている。

秋風はその顔を見て

「エス?今度新しいカーテン買いに行こうよ!!空のブルーにしよう」

という。

秋風はエスに拾われた捨て猫がやっと家に懐いて逃げて

また帰って来たみたいにエスを見つめた。

でも自分は人間であり言葉が話せる。

「演奏に飾りがないと曲にならないみたいに

エスがいないとわたしの人生はとても空虚だ」と秋風は言った。

自分の舌を確かめてみたがざらざらしてない!わたしは猫ではなく

人間だと秋風は思った。


「なに舌出してるの?僕とキスがしたい?」エスは笑った。


「いや・・自分が猫だか人間だか確かめたけど人間だった」と秋風は笑う。


秋風はエスのベットの上でエスの胸の中にいた。

急に風呂に一緒に入ってこれが純愛だと言っていたエスはもう

いなかった。エスはやっぱり天才だ。


純愛もすぐ覚えるのだ。


「秋風が猫だろうが人間だろうがそんな事どうでもいいや」

エスは秋風にキスをした。

「舌がざらざらしてなかった?」と秋風はエスに聞いた。


「ううん!ざらざらしてないよ」エスはもう一度秋風にキスをした。

演劇部の先輩がエスなら淫行行為をしてもいいと言った

言葉が確実に引き金になっている。


「ほら?僕とずっといてさ?湯川くんに会って?

僕が育てて湯川くんが王様の椅子に座って献上するみたいな?

そういうの嫌なんだよ!!奴隷制度みたぃな?

カースト制度みたいな!世の中は身分の違いで

できる事の範囲が決まってるんだ。」エスは言った。

 「そりゃ~エーブラハムリンカーンも福沢諭吉もキングス牧師も怒りますよ!」と

エスはいい、秋風は暗い顔をした。


「暗い顔するなよ!つまり、僕が育てたのに

湯川くんがなにもしないで?奪っていくだけなのが嫌になっただけだ」とエスは言った。


「湯川くんは王様じゃないよ!王子様!」と秋風が言うと


「王子様はじき王様になるだろ?」とエスはいう。


秋風は考えた。

「湯川くんが王様になったらいやだな!あの人は


死ぬまで王子様だよ!」秋風はいった。

「秋風?そんな人間がこの世にいるわけないだろ!」エスは言った。


それとこれね!!



エスはノートを出した。


かわい~女の子用のノートだった。


「これからなんかあったらこれに書いて」エスは言った。


捲ると最初のページにエスが何か?書いている。


「このかわい~ノート?エスが買ったの?」秋風は聞いた。


「そうだよ!!!」エスは優しく笑った。柄にもないけど


秋風はそのノートがとても嬉しかったのだ。

「こういうノートがわたしは好きでノートを買うのが好きだから」

秋風はノートを大事に持って笑った。

エスも満足気に笑った。

「エス!!こういうの純愛っていうんじゃないのかな?」

秋風は言った。

「僕にできないことはない」エスは笑った。




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