あまり世間で知られていないが、イギリスの良い所の一つに「物をむやみに捨てない」「もったいない精神が強い」というのが挙げられる。

英国には日本の何十倍(ひょっとすると何百倍)ものリサイクルショップが立ち並び、人々は使わなくなった衣類や本、家具を全てそこに持っていく。古い家屋もすぐに取り壊したりはせず、出来るだけ昔からある姿を保存しながら、ちょいちょいと必要に応じて修繕していくのが英国流。

そのお陰で今でもイギリスの地方の村や町は、外観だけはおとぎの国である。これはついつい新しいものばかり追求してしまう、現代日本人が見習うべき英国の美点だろう。

とは言えなんでもかんでも古ければ良いというもんでもない。

先日、隣の隣の村に住むドワーフかはたまたサンタさんのような容姿のご老人から、唐突に「あんたスコットランドをどのくらい観光したんだい?」と訊かれた。

正直在英1年目はイングランド方面の開拓に忙しく、スコットランドの観光地にはほとんど行ったことのなかった私。

正直にそう告白するとこのご老人「ではこれを貸してあげよう」と言って、胸元からスコットランドのガイドブックを取り出し、私に差し出して来た。

ミシュランが発行する何やら権威ある人気ガイドブックなのだそうだが、そんなことより私は、この本のあまりの年季の入り様が気になって仕方がない。本人はちょっと前に購入したというが、なんせ世の中に英国企業の「すぐ行きます」とご老人の「ちょっと前」ほど信用出来ない物はないのである。

という訳で帰宅後速攻で本の奥付を調べてみたところ、なんとびっくり発行年が1985年だった。


情報がいかに最新のものであるかが問われるガイドブックで、まさかの30年物まさかの筆者よりも年上

インターネットも無かった時代であるから、書籍内で紹介されている店のホームページやメールアドレスなんぞ当然載っていない。下手すれば電話番号すら載っていない。

そもそもこのガイドブックで紹介されている店は、未だ現存しているのか・・・・・。

英国人の「もったいない精神」の神髄を垣間見た筆者であった。

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スコットランドとドイツの間を行ったり来たりしている旅人。フリーライター兼翻訳家。趣味は写真、料理、お絵描きと睡眠。好きな食べ物はラーメンと広島風お好み焼き。
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