これは、とある観光地にある喫茶店での出来事です。

「時間が無いのに…?」

50代後半と思える両親、20代後半と思える息子夫婦に20歳と思える妹の5人家族が「時間がないが…」という父親を先頭に、ほぼ満員に近い店の中に入ってきました。

この父親、店に入ってきてからも席に座るまでの間に何度か「時間がないが…」を口にしていました。

それを、別に聞く気はないのですが聞こえる位置(隣の席)にいる私は、心の中で…〝そんなに時間がないなら、駅のベンチで列車の発車時刻まで待つほうが気をもまずに安心できるのでは?〟…と勝手なことを思っていました。

そしてこの父親、5人の注文を聞き終えた店員さんにひと言「時間が無いんだけど、サンドイッチはどれくらいで出来る?すぐ出来る?」と聞いたのです。

これ、この聞き方では聞かれた方も返事のしように困りますよと思ってしまったのです。

だいたい、時間が無いって…いったい?どれくらい時間がないんだ?ってことになりますから。

まず、「何分しかない」とか、具体的に必要な時間を言って貰わないと、聞かれた方もこたえにくいと思うのです。

例えば、列車の発車時刻とかをはっきりと言ってもらえれば、出来るか出来ないかが分かると思うのですが…

それに、いま注文した5人分それぞれ違う飲み物を作って+「サンドイッチ&食べる時間」を計算しないといけない。

その為にも、サンドイッチは5人分必要なのか?或いは、この父親一人分でいいのか?を言葉にして伝えないと相手には分からない。

案の定、「どれくらいでできる?すぐ出来る?」に、一瞬沈黙した店員さん。

でも、この店員さん、ほんの一瞬こたえに戸惑っていたとは思うけど、笑顔は崩さなかった。これは偉いと思いました。

それに、いくらお客さんとはいえ、お店の人はお客さんの旅行の予定時間などは知らないのだから〝お父さん、それは、お客としてのお店に対する最低限のマナーにもとどいておりませんけれども〟と、心密かなに突っ込んでしまったそのとき…。


「俺なら、その辺で何か買うよ!」

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四人掛けテーブルには、お父さんとお嫁さんが向かいあわせに座り、お母さんと息子さんが向かいあわせに座って、テーブルの端に椅子を一つたして妹さんが座っていたのですが。
いきなり斜め前に座っていた息子さんがイライラしながら父親に対して「そんなに、お腹すいてるんか!」と言ったのです。息子さんの声は、殆ど小さな怒鳴り声に近かったのです。

思わぬ息子さんの言葉にお父さんは「いや…、そんなには」と、返事に詰まっていました。

すると、息子さんが「俺なら、その辺で何か買うよ!」と、お父さんの言葉をすべて却下、その途端にテーブル内はシ~ンと静まり帰りました。
なんだかイヤな感じだなと私は思いました。

なにか?旅行中にあったんやろうか?と思うほどの息子さんのお父さんに対する態度と言葉に私は内心ビックリしてしまいました。

そして、どうやら息子さんだけではなくて…お母さんも、妹さんも、お父さんのことをこのときは快く思っていなかったようなんです。

それは、店員さんが飲み物を運んで来たときでした。

お父さん以外の人の飲み物が次々に運ばれてきて、店員さんが「コーヒーのお客様は?」というと「あっ、こっちです」と、息子さんがにこやかに手で示していたりしたのに、

お父さんの分になる「レモンティーのお客様は?」と店員さんが聞いても…、皆さん知らん顔。

店員さん、一瞬、〝私、間違えましたか?〟という雰囲気でしたが…。でも、笑顔は崩さない。
それを横目でチラリと見た私は、なぜか?頼んだはずのお父さん本人もなにもいわないのか…???…と不思議に思いました。

もう一度、「レモンティーのお客様は?」と店員さんが笑顔で聞いたんです。が、やっぱり頼んだ本人のお父さんもなにもいわなければ、お母さん、息子さん、妹さん…の3人は、前を見たまま知らん顔。

一瞬、どうなるんだろう…と思った瞬間。

お父さんの目の前に座っていたお嫁さんが、ちょっと困たような微妙な笑顔で店員さんを見ました。そして少し身体を後ろに引き、お父さんの方を手で指し示していました。

なんだかそれを見て私は、自分の身体を微妙に後ろに引きながら、でも店員さんには見える程度の指し示した手の位置が、『私は、誰の味方でも敵でもないですよ。でも、頼んだ本人もなにも言わないし。誰も教えてあげないから店員さんが困っているからそうしただけです』といっているように思えました。


そして、この隣の席の家族5人はその後なんの会話もなく…、確か「時間がないが…」と、お父さんが言っていたはずなのに30分以上もそこに座っている。

人ごとながら、30分あったらサンドイッチ作ってもらって食べること出来たよね。店員さんに、自分たちの持ち時間をはっきりと伝えていれば、方法はいくらでもあったのでは?と心密かに思うのでした。

「でも、このお父さんはそうしなかった」

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逆に、相手に判断材料である情報を伝えずに、サンドイッチを自分がすぐと思う時間内で作れるよね?と、「どれくらいでできる?すぐ出来る?」の言葉の裏側には、自分の願望を相手に判断させるが入っているように感じてしまいました。

だから、もし、それで相手が失敗したとしても、それは自分のせいではない。相手が悪いのだ。

この場合は、「どれくらいでできる?すぐ出来る?」と聞いたことに対して、「出来ます」と仮に店員さんが返事したとすると=店員が悪い。

悪いから…、そのことで自分が店員に怒ったとしてもなんら問題はないとなるかもしれない。

そう考えると、このお父さんには、日頃から家庭の中で起こる出来事に対して誰かに責任転換してきたのかもしれないのではと思ってしまったのです。

だからだろうか…、その家庭内の歴史を知っている息子さんは、自分の判断を丸投げすることにイライラして「俺なら、その辺で何か買うよ!」と、きつい言葉をお父さんに投げ掛け、お父さんの飲み物だけは、お母さんも息子さんも妹さんも知らん顔をしたのかもしれない…。

おまけに、本人も知らん顔…は、息子や娘に「あっ、それは、お父さんの分です」と構って貰いたいから黙っていたのかもしれませんが…と思いつつ。

結局、このとき、お父さんを構ってくれたのは…、息子さんのお嫁さんただ一人。

そして、最後の支払いの段階になって、お母さん、息子さん、妹さんがとっとと席を立ち出口に向かっても…。

お父さんは席に座ったまま、帰る気が無いように見えるほどゆっくりとコートのポケットをガサゴソといわせ、小さな小銭入れをだし、小銭を探している。

多分、3人はいつものことと、お父さんのことなど殆ど無視に近い知らん顔でさっさと席を立って出口に向かいましたが、お父さんの真正面に座るお嫁さんはそうは出来なかったんでしょうね。

立ち上がりかけた微妙な姿勢で、お父さんが支払いを済ませるのを待っています。店員さんも黙って、でも、笑顔は崩さず お父さんの小銭を探す時間を待っています

そして、やっと小銭で支払いを済ませると、お嫁さんが立ち上がり、店員さんに対してにっこり笑ってテーブルを離れるまで、三回「ありがとう」を言いました。

なぜに?お嫁さんは店員さんに三回も?嬉しそうに「ありがとう」を言ったのか?と一瞬疑問が過ぎりました。



そして、これは私の勝手な考えなのですが…。

お嫁さんは、お父さんが言った「時間が無いんだけど、サンドイッチはどれくらいで出来る?すぐ出来る?」に対して、息子さんの「そんなにお腹すいてるんか!」「俺なら、その辺で何か買うよ!」の親子の険悪な会話中も(店は、ほぼ満席で早く注文をとり次のお客さんに行きたいだろうに)笑顔を崩さずに店員さんが黙って待っていてくれたこと

この店員さん、けっしてイヤな顔はぜず終始笑顔でした。

そして、「レモンティーのお客様は?」と聞いたとき、本人でさえも返事をしなかったのにイヤな顔をせずににこやかに対応してくれことは新しく家族になったお嫁さんにとって、すくわれた気持ちになったのでは無いのかと思ったのです

なぜなら、もし店員さんがイヤな顔をしたり、ややこしい客だと思い「決まったら呼んでください」と、忙しいからと愛想なく言って、さっさと次のお客さんに行ってしまえば、お父さんと息子さんとの間に…、「そんなにお腹すいてるんか!」は、もっと険悪なムードになったかもしれないと思ったのです。

そうなると、この家族にとって新参者のお嫁さんは辛い立場になるのでは無いか?

でも、この店員さんは余計なことを言わなかった。言葉よりも笑顔で待つことを選んだ。

このとき思ったのですが、接客は、なにも言葉巧みなだけが良いとは限らない。

ときには、その場の雰囲気をくみ取って、一瞬波が立ちはじめたかと思われるときに、波が沈むまで『待つ』お客さんの為に『時間を使っていますという対応』は、有効なことだと思いました。

それも、笑顔で待つことは一見地味なよう見えて、実は、とても有効な接客の仕方(方法)なのだと思いました。
だから、お客さんであるお嫁さんは、笑顔を崩さなかったこの店員さんに対して、三回「ありがとう」を言ったのではないかと思うのでした。

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知らないことが知りたくて、メンタル、カルマ、礼法に漢方スクール…etc.とお勉強。で、ですね、人を動かしているのは無意識、でも、この無意識を味方につけるとスゴいんだ~と気づいたら…、なぜか、「えっ?!そうくるかぁ~」と、色んな場面に遭遇しれしまう…という面白いことが起こりだすのでした。

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