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医療専門家が解説する医療・健康サイト「Doctors Me」編集部です。
覚せい剤使用による芸能人の逮捕といえば記憶に新しいところですが、最近では、芸能人ばかりでなく一般社会にも覚せい剤の使用が広がっているようです。警視庁の統計によると平成26年度の覚せい剤での検挙数は、15,355件。そのうち検挙人員が多いのは、40歳代、ついで30歳代との結果がでています。本来なら大人としての常識も分別も備えているべき40歳代の検挙人員が最も多いという事実には、今後、ますます覚せい剤が蔓延する可能性を危惧せずにはいられません。

覚せい剤の蔓延を防ぐためにも今回のコラムで覚せい剤の怖さを再認識していただけたらと思います。

「覚せい剤」ってそもそも何? その起源は?

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覚せい剤とは、メタンフェタミンアンフェタミン、また、その塩類(化合物)やそれらを含有するものをいいます。第二次世界大戦中には、ヒロポンと呼ばれ、兵士を覚醒させるためや軍需工場の労働者などを長時間働かせるためなどに使用されていたという歴史があります。戦後の混乱のなか覚せい剤は市場に出回り、当時の日本では覚せい剤の危険性が認識されていなかったため覚せい剤が蔓延した状況となっていたようです。昭和26年、覚せい剤規制法が制定され規制されるようになりました。

覚せい剤は、スピード、エスなどと呼ばれ、「痩せる」「集中力があがる」などと謳われ、好奇心やファッション感覚で使用してしまったいうケースも多くなっているようです。

知らずに使うと恐ろしい「覚せい剤」の作用って?

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覚せい剤の作用で初期に現れるものは、

・中枢神経の興奮作用
・交感神経の刺激作用
・食欲減退
などです。

それらの作用により、気分は爽快になり体力も向上したような感覚や、仕事や勉強に集中でき、2、3日の不眠も平気になり、食欲減退による体重減少などが現れるといわれています。

しかし、すぐに強い依存が形成されると同時に使用量を増さないと効果を感じないようになる「耐性」が生じ、覚せい剤への関わりを悪化させます。また、中毒性精神病の発現が起こることにより

・不眠
・混乱
・幻覚
・不安
・被害妄想

などを抱くようになり、その一方で攻撃性が増し他人に危害を加える可能性もあります。長期使用すれば体の各臓器に多大な影響があり機能障害など起こす可能性ばかりでなく死に至ることもあります。

「覚せい剤」への依存が形成される理由は?

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覚せい剤は「たった一度の好奇心」で使用しても、あっという間に覚せい剤への依存が形成されてしまう怖い薬物です。覚せい剤だけでなく他の薬物に関してもいえることですが、薬物依存は、「精神的依存」と「身体的依存」が絡み合い形成されます。「精神的依存」とは、精神的に薬物の使用を激しく欲求し、何をしてでも薬物を手に入れようと四六時中、薬物のことを考えるような精神状態をいいます。

これに対し「身体的依存」とは、薬物を使用できなくなることにより禁断症状などの身体的に苦痛な症状が起こる状態をいいます。

また、覚せい剤依存症が進むに従い使用量を増やさないと効果が得られにようになる「耐性」が出現することにより、覚せい剤の使用量を増やしていくことになります。こうして「精神的依存」のためより興奮などを求めると同時に「身体的依存」により体の苦痛を取り除くために覚せい剤の使用が増え依存が進んでしまうのです。

「覚せい剤依存症」の治療

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一度、覚せい剤に侵された脳は、なんらかの回復し難い変化が生じた状態になります。覚せい剤をやめようと決意するだけでは、到底、止めることは不可能です。専門の医療期間等に入院し「覚せい剤のない環境」で計画的な「心理療法」と必要な「薬物療法」を継続することが不可欠です。退院後も支援施設や自助グループなどへの参加と医療期間への通院などを行い「覚せい剤を断ち切る環境」で生活することが大切です。

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恵理先生からのアドバイス

覚せい剤の誘惑に負けないためには、「覚せい剤」と聞いて誰もが自分には、関係ないことと思うことでしょう。しかし、芸能人や著名人の覚せい剤使用による逮捕を見ても現代の社会は、覚せい剤が蔓延しつつある状況といえるでしょう。覚せい剤の誘惑に負けな為にも覚せい剤についての正しい知識を深め「覚せい剤を許さない社会」を作るのは私たち一人ひとりだという強い認識を持つことでが大切ですね。

(監修:薬剤師 吉澤 恵理)

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