うのたろうです。
元サッカー部です。

さて。
高校サッカーの聖地といえば国立競技場。
現在、2020年の東京オリンピックのために建てなおしているさいちゅ……って、まだ壊しただけだったんだっけ?

現在、2015年も終わりに近づき、タイムリミットはあと4年とちょっとというかなりギリギリなタイトスケジュール。もともとあーでもないこーでもないとミソがついて着工がとん挫していたそんな国立競技場の新案が2015年12月14日になりようやく発表されました。

今回の案は2つ。

A案とB案

いったいどんな感じのデザインなのでしょうか?
それぞれの特徴やそれを見た人たちの反応を見ていきましょう。とそのまえに……

どうして「今」新しい案をださなければいけないの?

なぜ今、また新たなデザインを1から選びなおさなければいけないのか――?

今から3年まえ2012年のことでした。
「新国立基本構想国際コンクール」というものがありました。JSCが開催するデザインコンクールです。そこで建てなおしが決定していた国立競技場の新しいデザインを募集していたというわけです。

もちろん、この国立競技場の建てなおしには「オリンピックのウリになるから」というもくろみもあったはずです。それはともかく、そんなコンクールが開催されました。

さまざまな選考を経てイギリスのザハ・ハディドのデザインが最優秀賞に選ばれました。2012年(平成24年)11月15日のことでした。

そして2013年9月7日――2020年のオリンピック開催地が東京に選ばれたことにより、この国立競技場建てなおしの計画はいよいよ現実味を帯びてきました。それがこの案です。

しかし……

【ザハ案の国立競技場】

個人的にはけっこうカッコイと思うんですけどね、このデザイン。光岡自動車のオロチみたいで好きです、ぼく。

このザハ案というものは、完全に予算オーバーの代物だったんです。総工費は2520億円――これがどれほどとんでもない数字かわかりますか?

通常、この手のスタジアムは500億円~800億円もあれば充分に立派なものができます。2520億円に近い数字といえば「六本木ヒルズ」です。

あのあたり一帯の総事業費が約2700億円。
ほぼ街全体という規模で2700億円です。それなのに、国立競技場という建物のみで2520円というのは、いささかやりすぎといいますか、度がすぎています。

「それではさすがにいかんだろ」

そいうった理由から、このザハ案は見なおしを余儀なくされていました。
しかしながら一度決まってしまったものをひっくり返すということは容易ではありません。

違約金、工期の問題などなど……さまざまな問題がありつつもそれをひとつひとつ考慮にいれ2015年8月28日に新しい計画の発表、そして9月より新デザインの公募を開始したというわけです。そして……

公募で決まったのがこの2つの案

2015年12月14日に日本スポーツ振興センターが発表した新国立競技場の新しいデザイン2案はこちらです。ちなみに、今回の公募で政府が上限として設定した総工費は1550億円です……

A案

【発案者】隈研吾

【総工費】
約1489億円(予定)

【コンセプト】 「木と緑のスタジアム」
→特徴はスタジアムをぐるりと囲んだ階層式のテラスにふんだんに緑をとりいれているという点。また屋根にも多くの木材を使用しています。

さらには3層構造の観客席を「同型のフレームを組みあわせて連続させる」というシンプルな構造にすることによって、コスト削減と工期短縮が可能になるそうです。

【アピールポイント】
→木材を多く使用した日本の伝統的デザイン、そして周囲の景観に溶けこむようにも配慮されているという点です。さらには屋根と客席のあいだから風をとりこむことにより夏の暑さや冬の寒さに対応でき、それによって環境への配慮もなされているということです。

B案

【発案者】伊東豊雄

【総工費】
約1496億円(予定)

【コンセプト】「21世紀の新しい伝統」
→A案が古き良き伝統をテーマにしていることに対し、B案では21世紀にふさわしい新たなスタンダードを提唱しているといった形です。
特徴は白磁の器のようなスタンドを72本の木製の柱(約1.5m四方/高さ19m)でささええるデザインになっているというところ。

また合理的な設計や地盤改良工法のくふうをおこない、コストを抑え、さらには掘削する土の量を削減することなどで工期の短縮を図ることができるそうです。

合理性を狙ったのでと新しい伝統というコンセプトになりまして、素材や構造などについては

【アピールポイント】
→スタンド外側のコンコースに壁を設けず半分を屋外にしたり、各所にメンテナンス費用がかかりにくいコンクリートを使用したりし維持管理費を抑えることができるという点。
ほかにもスタジアム周囲に川をつくったり、桜などを植えた緑の広場を設けたりし、環境や神宮外苑の景観にも配慮しているということです。

2つの案を見くらべて……

ぼくには難しいことはわかりません。ですので、ものごとをシンプルに考えてみます。総工費の面ではどちらもクリアしているのでOK。そして環境面への配慮についても両方とも突出しているというわけではなく、常識の範囲で同等ていどに考えていると見て間違いありません。すると残りは単純なデザインです。


【A案】古き良き日本の伝統的な建物
【B案】21世紀の新たなスタンダードとしての建物


こうしてくらべるとわかるように、ひじょうにわかりやすい2つが選ばれたのではないでしょうか?

40代50代以上の人にとってはA案の安心感が支持されるだろうし、それよりしたの若い世代にはB案を受けいれられやすいだろうと思います。ちなみに……

2つの案を見た人たちの反応は?

twitter上でこんなアンケートを発見しました。

40代50代はともかく、それ以下の人たちのリアルの半分はすでにビットワールドに浸食されています。ネットとリアルの区別がひと昔まえのように厳密ではなくなっているということです。そういったなかでのリアルな数字がこれなのだろうと個人的に思います。

……まあ。
ひじょうに遠まわりないいかたをしましたがtwitterをやっている(おそらく)若い世代の人たちのなかでもA案の支持率が非常に高いということもわかりました。

ここにビットワールドにでてこない40代50代からうえの層の支持率をくわえると、A案が圧倒的に多いのだろうなという予測が立ちます。

これは現代の若い世代が安定を求める結果でもあるのかもしれません。(多少とはいえ)攻めたデザインやコンセプトのB案よりも「日本の建物っていままでこんな感じだったじゃん」というイメージのA案の方が安心感があるように感じるのでしょう。

それが、現時点でのアンケート結果として数字にあらわれているのではないでしょうか。

ちなみに……

今回のように正式にひとつを決定するまえに2つの案を発表することは非常に異例の事態であるそうです。

この措置の意図は単純です。
われわれが2012年の時点で「新国立競技場(ザハ案)の存在を知っていたか?」ということがそもそもの問題だったのです。

それどころか、そんなコンクールがあったことすら知らなかったはずです。国民が知らないうちになんだかよくわからない案が決まっていて、それが莫大な資金を必要とするものだった――それは横暴というほかありません。

これではあちこちから文句がでてしまうこともうなずけます。


「なんでコストがこんなにかかるんだ?」
「っていうか、審査は本当に公平におこなっていたの?」


なんていう疑念が湧いてしまったことも事実です。そしてげんにこうして新国立競技場の整備計画が白紙撤回されることになりました。

白紙撤回し新たに公募する――

そのさいの時間はもうあまり残っていない。
揉めている時間なんて本当にもうないのです。ですので少しでもスムーズに、そして誰もが納得するような形で進めていかなければいけません。そのためには前回批判された「透明性の欠如」という部分をしっかりと払拭(ふっしょく)したいと考えるのが通常です。

そういった狙いがJSCや文部科学省などにあるのでしょう。
それが今回、この2つの案を発表したことの意図なのです。

まとめ

いかがでしたか?

「新国立競技場」の建てなおし計画。
さまざまな思惑が渦を巻きひじょうにややこしい問題になってしまっているきらいはありますが、単純にお話しするとこんな感じになります。

ザハ案は高いからキャンセル!
新しい案を考えよう。

そこででてきたのが……

「置きにいこう」

という案と……

「攻めるべきだ」

という案だということです。

で。
現在は「置きにいったデザイン案」が優勢という考えです。

ちなみに。
ぼくは……

うーん。
Bがいいかな。
感性がまだまだガキなのでしょうか?
Aは古くさく感じてしまうところがあります。

それよりもBの方がスタイリッシュでいいかなと。

自分が高校でサッカーを今もやっているとしたらA案の国立競技場よりも、B案の国立競技場を目指したいなと、そんなふうに思います。

なにはともあれ、オリンピックまであと4年ちょっと。
素晴らしい国立競技場ができることを願っております。


隈研吾のA案。
伊東豊雄のB案。


あなたはどちらを選びますか?
うのたろうでした。

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