観光地である我がふるさと…、そのせいかすごい話を聞くことがあります。

今はそれ度でもなくなりましたが、昔は、女のひとり旅は敬遠されました。
大体、ていのいい断り方(満室ですとか…)をされるのが常であったようです。

今とは違い、昔は、都会のホテルでも女ひとりは断られる率が高かったので、観光地などの地方に行けばなおさら、ひとり旅の女性は泊まるところが無いといった方が正解のような世の中でした。

なんで?女性のひとり旅は断られるのだろう・・・。

では、男性なら良いのか?と疑問を持ったりして〝男女差別か〟とも思いましたが、都会のホテルだと男性は仕事の出張などが多いので、それほどではなかったようですが、やはり、地方の観光地の旅館などは「ひとり旅」というのが男女ともに敬遠されていました。

これはなぜ?かと?不思議だったのですが、観光地…特に有名な温泉街などは海、山が近くにあり…、ひとり旅=自殺願望者、志願者?ではないかと見なされることが多く。

事実、(昔は、自殺をするならここ…というような自殺の名所のような場所が存在しました。今でもまだあるとは思いますが…)昔は温泉地などの旅館にひとりで泊まる人=ほぼ、自殺志願者と見なされていたのです。
逆に言えば、ひとりで知らない土地にくる女性は、ひとりで旅をする女性は自殺をするという目で見られる覚悟が必要だったということです。

随分と失礼な話ですが・・。

「いい加減にしてよ!私はそんなに弱い女じゃないわ!」と叫んでも…、多分、その頃なら、「本当にそうですか?」という疑いの目で見られて余計に気分の悪い思いをしてしまうことが多かったと思います。

だから…、そんな誤解をされてしまう=ひとり旅をすること自体が億劫になる時代といえたかもしれません。

でも、旅館側からすると…、そうでもしないと自分たちの生活=死活問題になるのです。
もし、ひとり旅の女性を安易に受け入れて自殺されれば警察沙汰に発展し、いらぬ噂を流され…、遺族からは「どうして止めてくれなかったのか!」と責められ割に合わない立場に追いやられるので、断るのは仕方がないこと。

つまりは、仕方がないの「女性のひとり旅はお断り」&「とにかくひとり旅の人はお断り」が、その頃の旅館側の対処でもあったのだと思います。

ですが、最近はそんなこともほぼ無くなり。

女性のひとり旅を断る観光地の旅館はほぼ無くなったと思います。逆に、女性の方が豪快にお金を使ってくれたりするので喜ばれるかもしれません。


が、これは母の知り合いから聞いた話です。

もう、ひとり旅の女性だからといって断るのはナンセンスだ。時代の波に乗り遅れている…と、母の知り合いが働いているわりと大きな観光ホテルも、ひとり旅のお客さんを受け入れだした頃…。

ただ、母の知り合いは「都会のホテルなら(女性が喜びそうなお店もいっぱいあって、遊ぶところのたくさんあるだろうから)いざ知らず。なんで、こんな温泉以外になにも無いところに、若い娘さんがひとりでやってくるの?そこがおかしいでしょう」と言っていたそうです。


そして、事件は起こりました。

小さなボストンバッグ一つを持った女性が泊まりに来たのです。
その人はとても明るく、フロントの男性陣はその様子に…良かった。やはり自殺志願者ではなかった…と、ホッと胸を撫で下ろしたそうです。

ですが、母の知り合いは、その女性が部屋に案内される姿をチラリと見て、言葉では言い表せないのですが、「何か違う。何か、変だ」と思ったと後から母に話したそうです。

女性は部屋にはいり、仲居さんが「お食事は何時にしますか?」と尋ねると、「6時でお願いします」と答えて、「それまでは部屋でゆっくり過ごしたいので…」と言ったそうです。

そして、予定通り6時に食事を運んで行くと女性は部屋から消えていました。

荷物はそのまま置かれていたので、部屋担当の仲居さんは、女性がお風呂にでも行ったのかと思い、そのまま食事の用意をしたのですが…、待てど暮らせど女性は帰ってきません。

30分以上たっても部屋に帰ってこないので、食事時の忙しい時間でしたが、手分けをして探したのだそうですが女性は見つかりません。

とうとう夜の9時を過ぎても見つからないので警察に連絡し、警官立ち会いのもと荷物を改めますが…、身元が分からない。ホテルで書かれた宿泊者名簿は嘘だったのです。

ここでフロント担当者は、口には出しませんでしたが・・やはり、自殺志願者だったのか…と、自分の考えの甘さに腹が立ったそうです。


それから一週間、その女性の行方は分かりませんでした。

そうこうしているうちに警察からもたらされた情報で、「結婚を約束していた男性に裏切られ、家出をし…。もしかしたら、自殺の可能性があるかもしれない」と、家族から捜索願が出ていた女性であることが判明しました。


そして、十日後…。
その日、母の知り合いが「もう、私、怖くて仕事にいけない」と、母に話した内容は…、

母の知り合いは、ホテルの裏山に掘られたトンネルを通勤に利用していました。

女性がいなくなった3日後ぐらいだったか、その日はお昼からの出勤で自転車に乗り、いつものようにトンネルを抜けると、左横の山の中腹にあるボイラー室の真上の空を、気味が悪いくらいたくさんのカラスが舞っていたそうです。

「なんだか…、いやな感じ」と、思ったそうですが、次の日も、その次の日もカラスが舞っているので…。

もしかして…、と思った母の知り合いは、フロントの男性に「もしかして、あそこで自殺したんじゃ無いか」と、カラスが気味悪いくらいたくさん山の上を舞っていると…伝えたそうです。が、その時はボイラー室近辺で、女性は見つかりませんでした。

ですが、たまたまその後にボイラーの点検をしに階段を上がり、ボイラー室の扉を開けよとした施設担当者が、頭上から慌てて走り去る狸のあまりに数の多い足音に「なにか?あるのか…」と、木々をかき分け、かき分け山の上の方に登ってくと…。

そこには、いなくなった女性の…、山の野獣にお腹を食い破られた首つり死体が無残な姿で見つかったそうです。


「もう、私。あそこに死体があるだなんて知らずに、ずっとあの道を通っていたのよ。それも、帰りは夜の10時過ぎによ。もう、怖くてあの道を、あのトンネルを通ることなんか出来ない」と母の知り合いは、ホテルで働くことを辞めようかと相談に来たのでした。

確かに、自分がいつも使っているトンネルがある山で自殺した人の死体があった。それも、見つけて貰う間に…、

カラスや狸などの山の動物に…、一番柔らかい、言い換えれば一番美味しい内蔵から食い荒らされていた。
(このことで…人も動物なんだ。だから、その死骸は他の動物からすると…、悲しいことですが、ただの餌でしかないんだと思い知りました。)


知らなかったとはいえ。そんな無残な姿になってしまった女性がいる山の下の道を、その人は毎日、毎日通っていたのです。

普通の人なら、仕事は続けたいが…。もう、そんな道は通りたくないと思うのも当たり前だと思います。

まして、仕事終わりが夜の10時を過ぎるのですから…、なおさらその道を通りたくない気持ちは分かります。私だってイヤだと思うから。

だから、この話を聞いて、初めは「女性のひとり旅=自殺願望」は、考えすぎ違うの?と思いましたが、事実、このようなことが起きると…。
=従業員が辞めていくという、表には見えないことですがホテルや旅館側にとっては大変なマイナス要因が発生してしまうわけです。


だから、ホテルや旅館が自分たちを守る為に自衛の策として「ひとり旅の女性はお断りする」というのは仕方のなかったことだったのだと、このとき初めて理解出来たのでした。

因みに…、施設担当の男性(女性を発見した男性)もホテルを辞めたそうです。





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知らないことが知りたくて、メンタル、カルマ、礼法に漢方スクール…etc.とお勉強。で、ですね、人を動かしているのは無意識、でも、この無意識を味方につけるとスゴいんだ~と気づいたら…、なぜか、「えっ?!そうくるかぁ~」と、色んな場面に遭遇しれしまう…という面白いことが起こりだすのでした。

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