エスは17歳の天才少年だ。


親に捨てられてそれを隠してヒーローになる計画は


順調に進んでいた。エスは多くの才を持ち


6歳からひとりで生きてきたが、進学校に入り周りの優等生を圧倒し


多くの秀才の人生観を変えた。


高校2年生になると隣の女子高校の16歳の少女秋風を自分の家で育て始めた。


秋風はエスと似た才を持つ少女だったため恋とも言えない


家族とも言えないそれよりも実は濃い人生を歩き始めている。


秋風は学校と周りの調和を考える少女であったため


エスのことを愛することを拒絶する。


自分が目指す世界の先にいる湯川という17歳の少年と将来は

結婚しようと思っていた、湯川もそのつもりだった。


湯川はエスの親友だった。


エスは秋風に今まで自分が隠して生きて来た人生の歌を歌わせていたが


人を育てた満足感で曲調が変わり


人も変わった。


エスは秋風を育てながら実は自分も育っていたのだ。


秋風は再びエスの住む工場街で暮らし始めた。もう夏休みだった。

エスには仲のよかった友達が湯川の他ふたりいたが

ひとりは生粋の秀才でもうひとりはとてもバランスの取れた少年だった。

エスの変化と共に各々の道をそれぞれが歩き始めている。

エスに流される生徒はなぜか?ひとりもいなかった。

エスはもうヒーローではいられなくなって来た。

進学校であったためにいい大学に入ることが人生の前提になっていて揺るがなかったのだ。

ヒーローになる歌を歌わされた少女秋風はヒーローについて考えていた。

でもなぜだが自然に再び工場街に住み着いたのだ。

猫は家につくというが秋風が居ついたのはエスではなくエスの住む工場街の家だった。

楽器もあるし食べ物は時折エスの父親がもってくるためいつでもあった。

エスは全ての仕事がはやく快適に暮らせて家が散らかっている事もなかった。

秋風はあくまでも育てて貰ってる人としてのポジションを外すことはなかった。

エスにはスナック リーベルという店のマスターの友達がいてエスはそこでライブをして働いている。

ナポリタンとコーヒーのセットで収益をあげていて工場街の人がくるので味噌汁がつぃていてワンコインだった。

エスはピアノ演奏もギター演奏も麺やコーヒー豆の仕入れも全て一人でやっていて経営を任されていたため

秋風はドサ周りの音楽と同じようにエスの支持通り動くだけで時給が貰えた。

秋風には働く気はなく店に入ればカウンターに潜って本も読めるし

できたパスタを運ぶだけだったので働いてる気さえなかったのだ。

エスは店に中古のゲーム機を入れそのテーブルを確保したために工場街の若者がひとりでくるようになり店にはお客がいない時がなくゲーム代がかなり儲かった。


家賃のない店で古かったがエスが綺麗に壁紙を張り替えて中に入ると洞窟のようになっている洒落た作りの店だった。


エスと一緒に演奏のドサ周りをしてた秋風はそのままエスとドサ周りをしていて

その場所がスナックリーベルに変わっただけだ。

夜は本格的なスナックになるらしいのだがその時間にはホステスがくる。

エスも夜にはマスターに店を任せて秋風と家に帰った。

エスの仕入れたゲーム機やスロットマシーンの数々は夜のスナックでも売り上げを上げている。

「秋風!これでなんか?食べよう」エスはゲーム機の売り上げを自由にできたためお金をいつも持っている。


秋風はお金に困った生活をしたことがなくお金の価値を知らないで育った。

エスによってさらにお金は容易く手に入ると思って疑わなかった。

「エス?毎日エスと遊んでてお金貰っていていいのかな?」秋風が聞くと

「接客とかさ!ナポリタンを作ることって僕たちには自然にできることでも実はできない人も多いんだよ!秋風は一回みればすぐナポリタンを作れるけど!普通はなかなかできないんだよ」とエスは言った。

「僕は頭がパーの女の子をたくさん見てこの町で育ったから」とエスは笑った。

「すぐタマネギを焦がすからちゃんと火加減見ろと怒ったら本当に火をじ~とみてるパーとかね!!そんなパーばかりだ!」とエスは笑った。

それも面白いよな!と秋風は思った。

秋風はエスと食べるモーニングのコーヒーの香りの中で夏を迎えて極々自然にナポリタンの作り方を覚えた。

そして時折この店で歌った。エスと秋風はよくカウンターに潜っている。

できたナポリタンの味見をするためだ。

エスは秋風がお客に運ぶ前のナポリタンをカウンターに潜って味見していた。

「エス?きたないでしょ!?フライパンのを味見しなさいな!」と秋風が小さい声でいうと

「いいんだよ!やけどするからそれにみんなゲームやってて見てねぇよ」

と洗った手をエプロンで拭いて笑っている。

秋風はエスの絵を描く速さ!ギターを弾く速さにも驚いていたがナポリタンを作る速さにも驚いていた。

オーダーが来るとあっという間に10人前はできた。


手品の様だなと秋風は思った。

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