10歳になるパターデール・テリアのベンジー。
今ではレークランド・テリアの一種と見なされている犬種で、茶系の毛並みが多いなか、黒い毛並みとつぶらな瞳で大勢の人々を魅了してきました。事実、ベンジーを迎え入れた家はたくさんあったのです。

ところがしばらくすると、戻されて来てしまいます。
理由は、ベンジーが糖尿病で12時間ごとにインシュリン注射をしなければならず、決まった時間に血糖値を計って、定期的に血液検査も受けなければならないから…

それでここ7年のほとんどを、ベンジーはアニマル・サンクチュアリで暮らしています。2008年からずっとということになります。

戻されて来るのは医療費がかかるからではありません。サンクチュアリの責任者は、ベンジーがもらわれていった後もその費用を全額負担する事にしています。施設のスタッフもみな、ベンジーが老い先短い生涯を暖かい家庭で過ごす事を願っています。

「ベンジーはすごく可愛いんです。いつもサンクチュアリの入口にいて、来る人みんなに挨拶するんです。注意を向けられるのが好きですから。でもベンジーが糖尿病だと分かると、誰もが断ってくるんです。でもね、犬として家庭を知らないまま一生を終えてしまうようになるのを見ているにしのびなくて」

出典 http://www.dailymail.co.uk

それでも、新たに飼い犬を探している人達はベンジーの状態を知ると、自分達が病犬を迎え入れる準備が出来ていない、そこまでの重い責任を負いたくないと思ってしまうようです。

このサンクチュアリに来るまでベンジーはアニマル・シェルターにいました。つまり、飼い犬だった記憶というものがありません。隔離された育ち方をしたために、最初のうちはまわりとどう接していいのか分からなかったようです。

「でも年を追うごとに落ち着いて来て、今でもちょっと面白い犬ではありますが、まわりにいる人がみんな自分を愛してくれていると思っているところがあります」

出典 http://www.dailymail.co.uk

テリアという犬種は「頑固だが忠実」というのがもともとの性格です。もし飼い主が言うなりに聞いてくれることが分かれば、犬は我がままになっていきます。だからこそサンクチュアリでは経験のある貰い主を探し、今後の医療費も負担することにしました。

その生い立ちから、小さい子供や猫も苦手です。そういう犬はいくらでもいるのですが、ベンジーの場合はやはり糖尿病の手当てにかかる手間が、戻されて来てしまう一番の理由になっているようです。

今までの「全英で最も欲しがられない犬」の記録の持ち主はラーチャー種のジェッドという犬で、やはり7年間待ってやっと迎えてくれる家庭が見つかりました。
ですから、このまま行けばベンジーがその記録を更新していくことになります。もう10歳という年で活発に運動する事もなくなり、「テレビを見て、たまに散歩が出来れば幸せ」なのだそうです。

ベンジーはそれほど大きくないので何かの時には抱いて連れて行けますし、12時間ごとの注射も信頼関係が築ければ難しい事ではないように思います。もっとも、うちに同じ病気でインシュリン注射と血糖値検査を日に2度ずつする家族がいるので、それが生活の一部になってしまっていてそう思うのかもしれませんが…

もしかしたら若い頃は真っ黒な毛並みだったのかなとも思いますが、10歳になって何となくモソモソとおじいさんぽくなってきたのが可愛いベンジー、元気なうちにお家が見つかるといいですね。

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