ご飯にお箸を突き立てたり、食べ物をつかんで箸から箸へ人に渡して「行儀が悪い」と怒られた経験はないでしょうか?

実はこれらは葬式でのみ行なわれる作法です。日常忌み嫌われる行動には葬式特有の作法に由来するものが多くあります。

ご飯に箸を突き立てる

死者の枕元に供える「枕飯」に箸が立てられていることから、日常では避けられます。

箸から箸へ食べ物を渡す

火葬場で骨拾いをする時は長さの異なった箸で骨を拾い、骨壷に納めため。

新しい靴を家の中で履いてはいけない

家の中で新しい靴を履き、そのまま屋外へ出るのは良くないとされています。

昔は多くの地域で出棺の際、棺の担ぎ手たちが座敷や縁で草鞋を履き、そのまま棺を担いで庭へ出るという慣習があったからです。

水に湯を足してぬるま湯を作ってはいけない

ぬるま湯を作る時、熱い湯に水を足す方法と水に熱い湯を注ぐ方法がありますが、皆さんはどちらでしょうか?後者は作法的にはしてはいけないことになっています。

これは遺体の体を拭く時に用いる「湯灌」が水の上にお湯を足してぬるま湯を作ることからきています。

以上から分かるように、葬式の時だけに行なわれる特別な作法は日常では「禁忌」として避けられてきました。記事タイトルの◯◯とはつまり「禁忌」です。

ことわざの中にも「座敷履きはいけない」「さかさ水は不吉」という言葉が残っています。親に叱られたくない一心で覚えた作法にも、ちゃんとした理由があったんですね。

【参考文献】
『こんなに面白い民俗学』(八木透・政岡伸洋著/ナツメ社)
『日本人のしきたり』(飯倉晴武著/青春出版社)

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華蓮 このユーザーの他の記事を見る

子供の頃から不思議なものを見つけたら調べずにはいられない性格。ちょっと恥ずかしがり屋なのはご愛嬌。一般の人が知らない「面白い」を探すのが私の喜びです。

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