17歳の佐々木はエスの漫画のネタにされて元気がないままだったが

湯川くん(17歳)は16歳の秋風と付き合う事になり

とても幸せそうだった。秋風もとても幸せだった。

しかしそこにはいつもエスがいた。

エスは自分の世界にいつもいるのでふたりともまったく気にならなかったし


北浦和でラーメン食べたりエスがいた方が実はふたりとも楽しかったのだ。

日が暮れると湯川くんと秋風の時間になり


秋風はその大事な時間を生涯誰にも語るまいと思った。

語ることのできないかけがえのない時間だったのだ。


湯川くんは秋風と結婚しようと思っていた。それほどまでに純粋な少年だったのだ。

「まずは僕が先に高校を卒業するけど秋風は秋風の日々を


きちんと生きた方がいいよ」と湯川くんは未来を見つめてそう言った。


佐々木がエスの描いた漫画を怒っているせいか?エスも寂しそうで

湯川くんにだけは嫌われたくないのは秋風にもわかった。


秋風とふたりの世界になると湯川くんはすぐ


「エス!!??」と話しかけて湯川くんはいつもエスを大切にしている。

秋風はそんな湯川くんが好きだったのだ。

エスは土曜日から日曜日がひとりで退屈らしくて一年生の時は湯川くんが時折泊まりに行っていたようだ。

今でも土曜日は湯川くんと秋風でエスの家に行くのだがエスは「ラーメン作ってあげるよ!」ととても親切だった。


秋風はその姿を見てエスは悪い人間ではないと思った。

「秋風?エスのラーメンは卵が入ってるだけなんだよ」湯川くんはとても優しく数学を教える時と同じように解説した。

湯川くんは何回エスの作ったラーメンを食べたのだろうか?と秋風は思った。

秋風は数学をひとりで解けるようになってきた。軌道に乗ったのだ。

エスの家には30個入りの即席ラーメンの箱がいつもあってどんどん減って行く。

味噌が腐っている。「大丈夫だよ!湯川くん!!最近キャベツが入ってるんだ!!」秋風はそういってキャベツを入れた即席ラーメンを湯川くんに出す!湯川くんはそのキャベツ入りの即席ラーメンを感無量で食べた。

秋風はそのことがとても嬉しかった。「いつか湯川くんにお弁当も作ってあげるよ」そう言って微笑むとエスはラーメンの湯気でメガネを曇らせて白い歯を見せて笑う。

「その純愛ぽい感じ?!!湯川くんよかったね~でもキャベツ買ったの僕だから!!」とエスは笑う。湯川くんは親に怒られて土曜日にエスの家にはもう泊まれないみたいだ。代わりに秋風をエスが呼ばないか?とても心配していた。

エスはひとりで暮らしている。「土曜日に泊まれって言われなかった?エスに?」とても不安気に聞く。

「あ~たまに泊まってあげないと可哀そうだよね・・エスはひとりだから泊まらないけど万が一泊まってもでも平気だと思うよ!!エスはわたしのことは音楽の生徒としか思ってないから」秋風は答えた。

「そうなんだよな・・可哀そうなんだよ・・エスは」湯川くんは自分がもう泊まれないことをとても気にしていた。

「湯川くんが泊まれないんじゃ!わたしが泊まるしか?ないんじゃないの?でもさすがにわたしも親に怒られるよ!」そういうと湯川くんは心配するな!って顔で頭をポンポンとする。


「ま~でも!!ほっておけば心配しなくてもエスのことだからどっかにいくんじゃないの!!そこまで心配することないよ!湯川くんは」秋風には物事を纏める力があった。

湯川くんはそうかな?という顔をした。「それになにかあっても全部自己責任だからね!!エスはこの家に生まれた運命を人に迷惑かけずに生きるしかないと思うよ」そう秋風がいうと湯川くんは安心して笑った。

「そうだね・・秋風の言う通りだ・・・それと佐々木だけど佐々木とも遊んであげてくれる?」湯川くんは言う。

「うんわかった!一人っ子なんだよね!!佐々木!」秋風は笑う。「そうそうひとりっ子!秋風にもそう言ったの?佐々木が?!」湯川くんはなんだ?あいつ?はって顔をして笑う。秋風はエスの描いた漫画に激怒していた佐々木を思い出して湯川くんの優しさに感動してしまって涙が目に溜まった。


秋風はエスの家の一階の食卓が新婚家庭のように思えてこんな家庭がいいな~と思った。






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