エスは埼玉県と東京都の県境のごちゃごちゃした街に住んでる。家の近くには小さな川が流れている。


道は狭くて路地裏にはバラック小屋があり、工場の煙の匂いがする。

歩道のない道沿いのクリーニング屋さん散髪屋さんの店長が


みんなたばこを吸っていてエスの知り合いだった。


「この町は、キューポラの街だ」Lが灰色の空を見上げて言う。


地元でのLは利発でどこか寂し気な少年のようだ。「オイ エス!!真面目に勉強してるのか?がんばれよ!生徒会長!!」散髪屋の店長がたばこを吸いながらいう。エスは名門校の生徒会長で町の誇りのようだ。外でたばこを吸っていて、お客はいつもいない。子供の頃からLを知ってるみたいだ。子供の頃のLは頭がよくて有名な凛々しい少年だったのだろう。16歳の少女秋風は思う。


エスは17歳の天才少年。駅までの道は怪しげな繁華街で

ゲームセンターが多い。

エスはそこによく出入りしてるみたいだ。


秋風はその街にエスと取り残されたように歩く。

エスは地元にいるとあまり話さないのだ。

湯川くんのお父さんは大企業の人で

お母さんは専業主婦みたぃ。

夜の7時位になると湯川くんは家に必ず電話して


「今日は夕飯いらないから、ごめんね」と母親に謝っている。

湯川くんはお母さんを傷つけたかもな?と寂しい顔で秋風を見る。帰ったほうがいいだろうなと秋風は思う。エスがなにをしていてもクリア数学をどんどん解いて秋風に解説してくれる。とてもわかりやすい・・秋風は確実に80点を取れるようになった。勉強するとおなかが空く。



お弁当も全部食べないと母親が可哀そうだからと湯川くんはいうが


量が少し多いらしく、秋風にお弁当をくれる。


食べられないから残しているのか?秋風にあげたいので

食べないのか?わからないが湯川くんのおなかは6時にはグーグー鳴っている。


「湯川先輩に作ったのに、わたしが食べたら悪くないかな?」

秋風は聞く。

「いいんだよ。言わなければわかんないよ」湯川くんは食べてる秋風を見るのが好きだった。


「美味しいか?」湯川くんは聞く。

「うん!!美味しいよ」秋風は答える。


白いご飯が平らにすらーーと入ってる。

湯川くんの手とYシャツのように真っ白だなと秋風は思った。


秋風はある日、湯川くんのお弁当を食べるのは罪だと思い


食べないと決めた。

おなかが空いたな~と思って湯川くんと別れるとまだエスがいた。解散になったはずだった。

「おなかが空いた!!」秋風はエスに言う。

「よし僕が味噌ラーメンをおごってやるから」エスはいう。


エスが住んでる町の味噌ラーメンには工場の匂いがして


でも湯川くんのお弁当より遠慮を感じなかったのだ。「秋風・・今度ギターを持ってうちにこいよ。話がある」エスは言った。

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