米・ジョージア州にあるアニマルサービスは、ある日レスキューの連絡を受け、ある家の庭から子犬を保護しました。子犬のその姿を見たスタッフは、あまりの状態のひどさにショックを受けます。

12年のキャリアを持つスタッフ・クリッシーカチンスキは「これはきっと一晩持ちこたえる事ができないだろう」と感じていました。「12年の間携わったすべての犬の中で最悪のケースでした」

生後4か月の子犬は、完全に脱水症状を起こしミイラのようにやせ細り、爪も伸び放題。この子犬は、歩くことも出来ない状態で、食べ物さえ与えてもらっていなかったのです。

しかし予想を覆し、獣医さんとスタッフの懸命な看護で、子犬は奇跡的な回復を見せます。この子犬は「生きよう!」としている…生命力というものの強さに感動したスタッフは、子犬にゼナ(Xena)という名前と「戦士(warrior)」というニックネームをつけました。

驚異的な回復力を見せた子犬は、少しずつ体重も増え、子犬らしい元気さを取り戻し始めます。スタッフは「戦士・ゼナ」に新しい家族を見つける為、Facebookに写真を掲載します。

リンダ・ヒッキー(Linda Hickey)さんも、Facebookでゼナのことを知った多くの人のひとりでした。その写真を一目見た瞬間から、ゼナのことが大好きになったリンダさんは、ゼナの里親になりたいとアニマルサービスへ連絡します。

リンダさんには、当時8歳になる息子・ジョニー(Jonny)くんがいました。ジョニーくんは自閉症を抱えいて、新しい体験を怖がり、言葉はわかっているのだけれど自分の気持ちを上手に話すことができず、その為、家で1人で遊ぶことが多くかったのだそうです。

リンダさんは、ジョニーくんと一緒にゼナを迎えに行きました。ゼナは、家に向かう車の中で、初めて会ったジョニーくんに、たくさんたくさんキスをして、そのままジョニーくんの膝の上に座りました。最初は驚いたジョニーくんですが、このゼナからの愛の猛攻撃を最後には笑って受け入れたのです。この出会いが、奇跡の始まりでした。

ゼナが家にやってくると、ジョニーくんはゼナに色々な話をする様になりました。今日やった事、見た事、そしてゼナに歌を歌って聞かせたり。その生き生きとした様子は、母親であるリンダさんも初めて見るものでした。

ゼナがやって来て、静かだった家の中に活気が出てきました。「今ではずっと2人でおしゃべりしているの!」とリンダさんは言います。

ジョニーくんは、ゼナと暮らす事でとても生き生きとした表情をする様になり、ゼナ以外の人とも話せる様になってゆきます。

ゼナもジョニーくんが大好き。「大親友なの」とリンダさんは言います。

ゼナとジョニーくんは、もうお互いになくてはならない存在なのです。

自閉症の子供の為のプログラムに、セラピー犬を使うものはありますが、ゼナは特別な訓練を受けていない普通の犬です。しかしゼナのまっすぐな愛をジョニーくんが受け入れた事で、大きな奇跡が起こったのです。

リンダさんは、その後も2匹の犬をシェルターから引き取りました。賑やかで幸せな毎日に「この子達のいない生活はもう考えられない」と話しています。ジョニー君もゼナも、みんなと仲良く暮らしています。

現在リンダさんは、アニマルレスキューと自閉症プログラムの非営利団体を立ち上げて活動しています。その活動には、ゼナとジョニーくんも参加しています。様々な場所で、色々な人たちと話をするジョニーくんの写真が掲載されていて、その姿は堂々としていてとても立派で素晴らしいものです。

ほとんどミイラの様な姿で保護されたゼナ、周りの人たちの深い愛情と献身的な看病、そして自身の素晴らしい生命力の強さで、新しい生活を手にいれる事が出来ました。そしてまた、ジョニーくんもゼナとの出会いで、その世界が広がり、新しい毎日を手にいれる事が出来ました。この素晴らしい出会いと奇跡に感動してしまいますね。

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愛犬と一緒に、海を眺めながら暮らしています。

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