出典Suzie

大競争時代といえる現代において、企業は生き抜くためにさまざまな戦略を駆使して戦っています。「戦略」がとても重要だということです。
きょうは、各企業の戦略を明かしている『強みを磨き、競争を勝ち抜く 企業戦略 (VISIONARY SEMINARS 4)』(鈴木貴博著、KADOKAWA/中経出版)から、「パナソニックはなぜ研究開発に5000億円も使うのか?」を見てみましょう。

■パナソニックが研究開発費を惜しまない理由

パナソニックは、日本の大企業のなかでも特に研究開発費が多い企業。毎年必ずトップ10の上位に入るほど、研究開発に多額のお金を使っているそうです。
不況にもかかわらず、どんなに苦しいときでも5000億円もの投資資金を研究開発に計億的につぎ込むとは驚きです。そこには、どんな理由があるのでしょうか?
ここでのキーワードは、「R&D」という考え方。
R&Dとは「リサーチ・アンド・デベロップメント(Research and Development)」の略称で、「リサーチ」は、長期の未来に向けた研究を、「デベロップメント」は、比較的未来に発売される商品の開発をさしています。
どちらも、将来のための投資というわけです。

■研究開発費に関して「もったいない」は禁止

企業は、長期的な優位性構築のために投資を行なうもの。いまの利益を生んでいる商品は、基本的には過去に投資があったからこそ存在するということです。
つまりR&D投資をやめてしまうと、いまの利益にはつながるものの、長期的には会社を衰退させてしまうことになります。
だからこそ、成功している大企業ほど多額の研究開発費を使っているのです。
たとえばパナソニックだけでなく、トヨタも8000億円強、グーグルにいたっては1兆円を超える研究開発投資を行なっているのだとか。
「いま儲かっている」「いま勢いがある」ことを武器として長期的な繁栄につなげるためには、思い切ってR&Dに投資をしていくことが重要だということ。「もったいない」と考えてはいけないのだそうです。

■新しい基準のせいで産業界の大問題が勃発中

ところがR&D戦略に関して、近い将来、重要な構造変化が起きるかもしれないと著者は指摘しています。
現在の日本の会計基準では、研究開発費は発生したときにすべて費用として処理することが可能。節税にもつながるということで、各企業が積極的に投資をするという現象が起きているのだといいます。
しかし、この会計基準に「IFRS」という新しい世界共通基準を入れようという動きがあるというのです。この新しい基準のなかでは、研究開発費のうちの開発費の部分を資産化しなければいけないのだとか。
そうなると、どんな大企業であっても、従来の研究開発投資のやり方を続けられなくなるかもしれないということで、産業界の大問題になっているのだそうです。
なお本書には、ほぼ同内容の講義動画を、PCやスマホで視聴できるサービスもついています。読むだけではなく多角的に利用できるので、コストパフォーマンスの高さも注目に値します。
(文/印南敦史)

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