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男性が興奮するあえぎ声があるって噂、耳にしたことありませんか?
例えば、「エッチのときのベストなあえぎ声の音程は“ラ”である」「吐息のようなあえぎ声に男は一番興奮する」等々。インターネットでちょっと調べてみたら、他にも「車のエンジン音が性的興奮を促す」という説がありました。
これだけ色々な噂や説が出回っているということは、普段何気なく耳にしている音や声には、やはり何か不思議なパワーがあるはず。もしかしたら、意外な恋愛テクニックのヒントが見つかるかも!
そう思い、日本音響学会において“萌える声”の研究報告をされたこともある、金沢工業大学教授の山田真司先生にお話を伺ってみることにしました。

■ベストなあえぎ声も産声も都市伝説だった

まず、山田先生によれば、こうした情報のほとんどは俗説の域を出ないのだとか。
例えば、赤ちゃんが産まれて最初に発する泣き声は“ラ”だという話も有名ですよね。この話は、インターネットで調べるといかにも専門的に書かれたおびただしいほどの情報が出てきます。
しかし、今のところ学術的な裏付けはないのだそうです。ある意味、都市伝説みたいなものだった、ということ。絶対に騙されないようにしてくださいね!
ただ、山田先生は、研究で男性が興奮しやすい声の周波数を確認しています。今回は、その研究結果について詳しくご紹介しましょう。

■感情の違いは興奮に影響しないことが判明

突然ですがみなさんは、巷に『おにいちゃんCD』という不思議なCDがあることをご存じでしたか?
これは、12人の声優さんが、甘えた感じ、怒った感じ、大好きな感じなど 、1人100通りのいろんな「おにいちゃん」というセリフのみが収録されたCDです。
山田先生らの研究チームは、このCDの声を用いて、どんな「おにいちゃん」という呼びかけが快感につながるのかを調べました。
その結果、「快い」と回答があった呼びかけは、甘え声でもなければ、大好きという感じの声でもなかったことが明らかに。なんと、声優さんによって快かったり快くなかったりすることがわかったのです!
つまり、怒って言おうがふてくされて言おうが、その声優さんが言うと聞いている人には快感に聞こえていた、というわけ。

■高く明るい“萌え声”に男性は興奮しやすい

そこで、その「快い」と評価された声優さんの発する「おにいちゃん」と他の声優さんを比較し、さらに詳しく調べたところ、声の周波数に違いがあることが判明。
成人女性は通常220Hzくらいですが、快感を呼ぶ声優さんの声は約480Hzと、他の声優さんに比べてもかなり高かったのです。
声の基本周波数は、声帯の振動数によって決まり、小さくて未成熟な声帯から出る声は基周波数が高くなります。また、快感を呼ぶ声の音色は成人女性よりかなり明るいということも分かりました。
声の音色は声帯から口先までの長さに関係があり、この長さが短いと明るい音色になるのだそうです。
それでは、声帯が小さく、(声帯と)口先までの長さも短い人とはどういう人かというと、当然、体のサイズが小さい人、ということになります。要は、行きつくところ“小さな子”になるわけです。
ちなみに人は本能的に、近付いたら得しそうだと感じることに快感を覚えるのだとか。また、人は、小さな存在に近付くと得しそうだと感じるのだそうです。
これは、生き物としての進化の過程において、小さな存在は「簡単に自分のものにできる」「すぐに食える」と学習しているからなのだとか。
つまり、周波数が高くて明るい音色の声を持つ人は小さな存在であり、イコール「簡単に自分のものにできる」「すぐ食える」存在だと感知し、本能的に惹かれてしまうというのです。
なるほど、じつに深い理由があったのですね。

■男性が真に求めているのは“葛藤”だった!

……ということは、「男性はみんな小児愛者なの?」と、思わぬ心配が出てきませんか?
稀にそんな人もいますが、言うまでもなく、人は、人間としての太古からの学習により、強固な理性を持つようにもなりました。それで、目の前に簡単に自分のモノにできる相手がいたとしても、「絶対それはNG!」だと思えているわけです。
ともあれ男性はこうして、高くて明るい声を耳にすると、本能では「簡単に自分のものにできる!」「すぐに食える!」と快感を覚えながらも、理性でそれをセーブしようともします。
そして、この快感と抑圧のいったりきたりで葛藤し続けることが、山田先生曰く萌えを生みだすのだそうです。そしてどんどんハマっていくことになるのだとか!
そういえば、『冷静と情熱のあいだ』という大恋愛映画もありましたが、なるほど納得ですね。
当然ですが、「すぐ食えるもの」「簡単に手に入るもの」にどんなに惹きつけパワーがあったとしても、手に入れて食べてしまえばもうおしまいですよね……。
そうです! 男を惹きつけてやまない女性になるには、ここが肝要。まずは意識して高めのトーンで話すこと。
よく、電話に出るときにトーン高めで応対している女性がいますが、あのイメージです。そして何より、あなたの美声に好感を抱いて近寄ってきた相手に、すぐに食べられてしまわないこと!
食えそうで食えない悶々とした葛藤こそが、萌えという、男達への最高のプレゼントなのですから!
ということで、恋活・婚活中の人、彼氏やパートナーとマンネリ気味の人は、合コンや婚活パーティより、まずはボイストレーニングにいそしんでみてはいかが!?
(文/富士峰子)

【取材協力】
※山田真司・・・金沢工業大学教授。音楽と人との関係に、工学・心理学からアプローチして感動を呼ぶマルチメディアコンテンツを科学的に設計。
レーシング・ゲームで流れるロック音楽をクラシックや演歌に替えると成績や印象はどう変わるか? 最近のアニメの線には黒でなく赤茶色が使われることが多いがそれはなぜか? 「萌える」キャラクタの顔や声はどのように設計すればよいのか?
アニメやゲームなどのコンテンツ設計の方法について、工学・心理学的なアプローチで追求している。

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