ここ十年ほど、南北アメリカ、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアと世界的にミツバチの数が著しく減り、大きな問題となっています。ミツバチの群れが巣箱から突然消えたり、大量の蜂が巣箱で死んだりする現象が起きており、これを蜂群崩壊症候群と呼んでいます。
みなさんはミツバチと農作物との大きな関連性を知っていますか?

蜂蜜だけではない、ミツバチの農産物への役割とは?

ミツバチと言うと甘い蜂蜜を連想しますが、世界のおよそ三分の一の農産物は、ミツバチを主とするアニマル授粉から産出されている!という事実を知っていましたか?

ナッツ類、メロン、ベリー類、柑橘類、林檎、玉葱、ブロッコリー、キャベツ、芽キャベツ、ズッキニー類、胡椒、ナス、アボカド、キュウリ、ココナッツ、トマト、そら豆、コーヒー豆、ココアはすべて受粉が必要とされます。オーストラリア国内では、80~90%のが国産のミツバチにより授粉されています。

出典 http://www.telegraph.co.uk

ふだん何気なく口にしている多くの食べ物やコーヒー豆などがミツバチの受粉から恩恵を受けています。ミツバチの数が減れば、野菜・果物の生産性が下がり、値段の高騰はもとより、食料不足につながっていくのは一目瞭然と言えましょう。

世界の蜂群崩壊症候群事情とは?

アメリカでは、80年代から大量生産を重視して多量に使用されているネオニクス(Neonicotinoids)と呼ばれるニコチンと関連した殺虫剤(農薬)を蜂群崩壊症候群の原因のひとつとしてあげています。

中国では80年代に使用した農薬により、四川省にある梨果樹園からミツバチが消え、今では手で羽ブラシを使い受粉させて収穫しています。
ドイツ、フランス、イタリアではタバコに入っているネオ二クスという農薬使用がミツバチの群れの死因に関係しているとして、その使用を禁止しています。

出典 http://www.telegraph.co.uk

“もしハチがこの地球上からいなくなったら、人類に残された時間はたったの4年である”

これは、あのアインシュタイン氏の説と言われていますが、彼はミツバチの減少を予測していたのでしょうか?
Robobank Australia(農産業関連貸付機関)によると、「トウモロコシ・麦・米の受粉は風だから、4年で人類が滅亡というアインシュタイン説は大げさと述べています。

注:この説がアインシュタインのものではないという記事もあります

マイクロチップを背負わされたオーストラリアのミツバチが原因解明となるのか?

2015年1月、豪科学産業研究機関(CSIRO)・タスマニア大学・タスマニア養蜂協会は、蜂群崩壊症候群の原因を調べるために5000匹のミツバチの頭に重さ5ミリグラム、大きさ2.5mmのマイクロチップを貼ることを試みました。このチップから研究所のGPSに信号が送られる仕組みになっています。

ミツバチは同じ場所に戻り、予測可能なスケジュールで動くという社会性昆虫であり、行動の変化が環境の変化を示します。調査することにより、ミツバチの危機をモニターすると同様にミツバチの生産性をどうやって最大限にするかを理解する手助けになるでしょう。

出典 http://www.natureworldnews.com

ミツバチにしてみれば、人間が汚染した環境の変化への対応、さらには重いチップを背負わされるなんて、なんだかかわいそうになってしまいますね。

ミツバチ減少の原因は、気候変動・携帯電波塔などからの放射線・菌などさまざまな要素もあげられています。
その要素の一つである農産物の大量生産のために使用された農薬が野菜・果物の受粉に最も重要な役割をしているミツバチを大量に減らしてしまったというのは、まったくの皮肉です。食の豊かさと便利さ、価格を下げることに集中ばかりしている時勢、最終的に痛いしっぺ返しを食らうのは人間ではないのでしょうか?

この記事を書いたユーザー

sydneyshizuko このユーザーの他の記事を見る

Media翻訳・通訳・フリーランスライター。アメリカ&オーストラリア在住歴20数年、日本では得られない海外での舞台裏や感動ストリーなどを紹介します。個人のブログではさらに違った角度から英・米・豪などを追求しています。http://minamijyujisei.cocolog-nifty.com/blog

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス