岡崎友紀さんは1970年代のアイコンと言えるほどのアイドルでした。 特に有名なのが「おくさまは18歳」「なんたって18歳!」などのラブコメ風ドラマで、やはりこの辺りが代表作ではないかと思いますね。

出典 YouTube

自分は岡崎さんの特にファンではなかったけど、「おくさまは18歳」や「なんたって18歳!」とかよく見てました。

そんな岡崎さんはレコードもわりと出してるんです。

岡崎友紀さんでソフト&メロウ系とかシティポップス系なら1981年に出た「ソー・メニー・フレンズ」が有名ですが、

「明日のスケッチ」(1976年)は、70年代型ソフト&メロウないい感じの好盤です。


こちらは全曲歌謡曲の編曲多しの萩田光雄アレンジで、作曲は二曲を除いて、
荒井由実、
イルカ、
小坂明子、
高木麻早、
りりィ、
五輪真弓
といった錚々たる女性シンガーソングライターの方々が担当してますけど、中々に70年代型ソフト&メロウテイストがちゃんと出てる一枚なんで、長いこと聴いてるアナログ盤です。


バックには、
羽田健太郎(ピアノ他)、
水谷公生、松木恒秀、矢島賢(ギター)、
穴井忠臣(パーカッション)、
村岡健(サックス他)、
山川恵子(ハープ)、
伊集加代子、タイムファイブ(バックボーカル)

他などなどが参加。



1976年というと、ちょうど岡崎さんが「おくさまは18歳」を数年前に終え、一般ドラマとか「カリキュラマシーン」とか東宝映画「おしゃれ大作戦」などに出ていた頃。


由美かおる主演の「おしゃれ大作戦」は、クレイジーキャッツ映画や若大将シリーズなど東宝の看板喜劇映画で鳴らした才人・古澤憲吾監督の最後の作品で、「仮名手本忠臣蔵」を服飾専門学校を舞台に現代劇化したような喜劇映画だったけど、まあまあ面白かったですね。


岡崎さんにもまだアイドルっぽさが残ってましたし。


でもこのアルバムでは、確かな歌唱力、それも歌謡曲歌手っぽくない朗々とした本格派の歌いっぷりの見事な歌唱に大人っぽさもあり、特にA面アレンジはメロウなエレピが随所に効いていて、中々メランコリックにしてアダルティなソフト&メロウ感があるんですね。


A面最初は萩田氏作曲のインスト、次は小坂明子作曲の「明日のスケッチ」ですが、ソフト&メロウアレンジと本格派歌唱が融合したような佳曲で、お次のイルカ作曲「スカーフ」なんてイルカの曲をメロウエレピでマイケル・フランクス風アレンジにしたような秀逸さ。


A面最後の「ハートを食べて」とB面最初の曲「グッドラック・アンド・グッドバイ」は荒井由実の曲で、これが歌い方や音の感じからモロ荒井由実テイストを意識したものになっていて、あくまで松任谷由実ではなく荒井由実っぽさがよく出た良曲。


特に「グッドラック・アンド・グッドバイ」のサビ部分なんて完璧に荒井由実テイスト満点でして、これは中々の名曲ですな☆(ユーミンバージョンは同年の「14番目の月」収録)


でもB面の曲が進むとソフト&メロウテイストは薄れ、イルカや高木麻早、りりィの曲を岡崎さんなりに歌ってるんだなって感じになってくんだけど、ところが最後の最後に、このアルバム最高の名曲にして最もソフト&メロウテイストな「風に似ているあなた」が来て見事にアルバムを締めております。


素晴らしくメロウなエレピをバックに岡崎さんの朗々たる本格歌唱を聴かせる名曲ですが、最後がポエトリーリーディングになるんですけど、これが見事に決まっていますね。


元々自分は日本語ポップスにポエトリーリーディングが挿入されるのは大概ダサいので好きじゃないんですが、しかしながらこれはエレピのメロウ感と相俟って、実に決まっております。


作曲は高木飛鳥☆

そう、「おくさまは18歳」の岡崎さんの役名です。


つまりこの曲は岡崎さん作詞作曲の曲なのです。


それが錚々たる実力派シンガーソングライターの曲の数々を凌駕してしまうとは。



この曲最後のポエトリーリーディングで、「もうすぐ明日」って囁く岡崎さんのvoiceがメロウなエレピをバックに繰り返されるのを、早朝5時頃の白々と夜が明けてきた時間に聴いてると、本来はもう翌日になっているんだけど、なんだかとても清々しくも深いメロウグルーヴ感が味わえて、結局このアルバムはこの曲が聴きたくて長年聴いてるようなところがありますね。

「グッド・ラック・アンド・グッドバイ」荒井由実&ハイファイセット(LIVE)

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大口和久/これまで「季刊カイエ デュ シネマ ジャポン」(フィルムアート社)、「文藝別冊」(河出書房新社)、「映画芸術」(編集プロダクション映芸)、「観ずに死ねるか!傑作ドキュメンタリー88」(鉄人社)他に書きました。

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