環境省福岡事務所(福岡市)で5月、野外で捕獲されたアライグマを冷凍庫に入れて殺処分していたことがわかった。アライグマは特定外来生物として駆除の対象だが、殺処分はできるだけ苦痛を与えない方法が基本とされる。同省九州地方環境事務所(熊本市)は「適切ではなかった」として再発防止策を検討している。
 九州地方環境事務所などによると、福岡県内で5月、子どものアライグマ1匹が一般市民に捕獲され、福岡事務所の自然保護官に引き渡された。アライグマは衰弱しており、事務所の冷凍庫に入れて凍死させたという。冷凍庫は、感染症が疑われる死んだ野鳥を一時保管したり、捕獲された特定外来生物のカミツキガメなどの爬虫(はちゅう)類を殺処分したりするため備えていたものだった。
 九州事務所によると、自治体などが捕獲したアライグマは殺処分されるのが一般化している。環境省は殺処分について、動物愛護法に基づき「できる限り苦痛を与えない」よう求めており、麻酔薬や炭酸ガスによる安楽死を想定している。福岡事務所でアライグマを引き取るのは今回が初めてで、備えがなかったため冷凍庫を使ったという。

出典 http://headlines.yahoo.co.jp

法律では許されているものの…

特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律

出典 http://www.wmo.co.jp

(主務大臣等による防除)
第十一条 特定外来生物による生態系等に係る被害が生じ、又は生じるおそれがある場合において、当該被害の発生を防止するため必要があるときは、主務大臣及び国の関係行政機関の長(以下「主務大臣等」という。)は、この章の規定により、防除を行うものとする。

出典 http://law.e-gov.go.jp

防除(ぼうじょ)は、生物による害を防ぐため、その進入の防止・個体数の管理などを行うことである。害虫制御・害虫駆除・ペストコントロールとも呼ばれる。

出典 https://ja.m.wikipedia.org

「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律施行令」では、アライグマは特定外来生物に定められています。
ですから、行政がアライグマの「防除」を行うことはできるのです。

だからと言って…

衰弱した状態の生き物を、冷凍庫で凍死させるなんて、苦しみを長引かせる方法で殺していいはずはないのです。
「動物愛護法」には、以下のように定められています。

動物愛護法

出典 http://www.shibuya-animal-net.com

(動物を殺す場合の方法)
第四十条 動物を殺さなければならない場合には、できる限りその動物に苦痛を与えない方法によつてしなければならない。

出典 http://law.e-gov.go.jp

一方で、アライグマの野生化が問題に!

「あらいぐまラスカル」とは

40年近くも前に放送されていたにも関わらず、今でも有名な「あらいぐまラスカル」。「ラスカル」は、アライグマの代名詞と言っても過言ではありません。
でも、どんなストーリーだったっけ?という方のためにおさらいしておきます。

『あらいぐまラスカル』は、アメリカの作家・スターリング・ノースが自らの少年時代を回想した小説、『はるかなるわがラスカル』を原作とした日本のテレビアニメ。11歳の少年、スターリング・ノースとあらいぐまの「ラスカル」の友情物語とされるが、その一方で自然と人間の共存の難しさに関しても触れている。フジテレビ系の世界名作劇場枠で放送された作品で、放映期間は1977年1月2日から12月25日で全52話が放送された。

出典 https://ja.m.wikipedia.org

ストーリー
動物の大好きな10歳のスターリングはある日、友人のオスカーや飼い犬のハウザーと一緒に、ウエントワースの森の奥へ釣りに出かけアライグマ親子に遭遇する。飼育のために親子纏めて生け捕りを試みるが、そこに居合わせた猟師が母親のアライグマを射殺。残された、まだ目も開かない幼い子供をスターリングは家に連れ帰って「ラスカル」と名付けミルクを藁のストローで与えるなど、大切に育てる。
やがて無事育ったラスカルは、親友のオスカー、隣家の少女マーサと馬のドニイブルックとも良く遊ぶようになり、「スターリングの変わったペット」として近所でも知れ渡るようになる。菓子屋の息子でいじめっ子のスラミーは、人気者のラスカルをうらやみ、事ある毎にラスカルを譲り渡すよう強硬に迫るが、スターリングはボクシングでこれに対抗したため、一躍、近所の少年らから一目置かれる事となる。鉄道駅の新駅長で越して来た家のお婆さんを助けた事で、この家のアリスという女の子と仲良くなれたりといった出来事も起こったりしている。
だが仲がよく聞き分けもあり、イタズラも程度が知れていたラスカルも、大きくなってくると次第にその行動がエスカレート、近所の畑を荒らしたりするようになり、近所のサーマンさんにひどく憎まれ、射殺すると脅かされる。スターリングは大きな檻を作ってラスカルをその中で飼うことにするが、その後もサーマンさんはラスカルを目の敵にする。
スターリングの身にも辛い出来事が訪れる。病弱だった母親を物語途中で亡くし、またラスカルとの暮らしが1年になった時に父親の事業が失敗したため、進学の事もあってミルウォーキーの姉の家に行くことになる。スターリングは寂しさをこらえてラスカルを森に返す決心をし、手作りのカヌーを使って、人里へ二度と戻って来られないよう・また猟師に狙われなくて済むよう、森の奥深くにラスカルを連れて入っていった。そして間もなく、スターリングも父親や友人達と別れ、ミルウォーキーへと旅立つ。

出典 https://ja.m.wikipedia.org

今でも大活躍しているラスカル

最近でもキャンペーンのナビゲーターになったり、パッケージに登場したりしているラスカル。その一部を紹介します。

しかし…

このアニメの影響で、本来日本にはいない北米原産のアライグマがペットとして持ち込まれた。その後飼えなくなったアライグマが山などに捨てられて野生化し、農作物への被害やタヌキなど既存の野生動物の生息を脅かすなどして問題となってしまった。現在、各自治体で駆除活動が行われている。

出典 https://ja.m.wikipedia.org

実はとても凶暴なアライグマ。
ペットとして飼ったものの、手に負えなくなって山に放したものが繁殖したと言われているのです。

そもそも「終生飼育」が当たり前のはず

平成24年に改正された「動物愛護管理法」では、ペットを「終生飼育する」という理念が明文化されました。

今回は、ペットの飼い主に対して『終生飼養するという』責任が明文化されました。
また、動物取扱業者の責務にも販売が困難になった動物の終生飼養の確保が明記されています。そして、自治体(保護センター等)に持ち込まれた犬猫が終生飼養の原則に反する場合『引き取りを拒否できる』旨が明記されました。
また、これまでも行われてきたことですが、自治体が保護したり引き取った犬猫は飼い主に返還、あるいは新しい飼い主に譲渡する努力が義務付けられました。
これらが法により明記されたということは、とても意義あることだと思っております。
つまり、動物を扱う業者であっても飼い主であっても、終生大切に飼育するという理念が加わりました。
ペットを愛する方であれば当たり前のことですが、その『理念が法により守られた』ということになります。

出典 http://www.animaldonation.org

まとめ

自分が飼ったペットは一生面倒を見る。
当然のことだと思うのですが、それが守られなかった結果が、現在のアライグマの野生化を招いていることは明白です。
そして、すでに野生化が問題となっているにも関わらず、行政が殺処分のための備えをしていなかったこと。
これらが重なって、子どものアライグマは冷凍庫で凍死させられたのです。

二度とこのような悲しいことが起こらないために、ペットを飼う方には安易に飼って安易に手放さないことを、行政に携わる方には徒らに動物を苦しめない備えをしていただくことを、強く要望して今回のまとめとしたいと思います。

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