話は数ヶ月前のことなんですけど、取材帰りの東名高速・富士川SA(サービスエリア)で3人の若きヒッチハイカーがいたんです。男子2人と女子1人なので、3人グループなのかと思ったら男子組と女子という別々の2組ってことでした。そんな彼らを乗せてクルマを走らせつつ、道中にいろいろな話をしたんです。すると彼らなりの大マジメな現在進行形の考えや将来像について話してくれました。

若者たちがなにを考えているのかちょっと興味あったりしませんか?

旅の手段にヒッチハイクを選択する自分と同年代の連中が気になったりしませんか?

そこで彼らに記事にしてもいいか聞いてみたところ、「ぜんぜんOKですよ!」と快諾してくれました。名前も知らない学生たちだけど、彼らとのショートトリップで見えた本音の部分を記事化することにします。

「とにかく東へ」と希望してきた男子2人組の最終目的地は東京ということだったので、こちらの目的地に近いJR浜松町駅まで乗せてあげることにしました。女子のほうは福島へ行きたいと話すので、クルマも多くてヒッチハイクもしやすいだろうという判断から、東京に最寄りのサービスエリアである海老名SAまで乗せてあげることで決定です。

そして道中には彼らとヒッチハイクのこと、将来の夢や野望などを話してみたりしました。逆に何屋なのかとか、ヒッチハイカーをよく乗せるのかなんて質問されたりもしましたけどね。
まあ、こっちのことはともかく彼らの話を要約すると、女子は「子どもが大好き! 今までになかったカフェみたいな居心地の……子どもから大人まで、それこそお年寄りまで集まれて夢を語り合えるような空間を提供できるお店をやってみたいんです」というのが目標だと言います。
そして男子のうち眼鏡クンは「現実派なんで将来は金融関係の仕事に就きたいって考えてます。かわいい奥さんと子どもたちがいる幸せな家庭を築くのが夢」だと言い、 もういっぽうの男子は「好きなアパレル関係で仕事してみたいですね。好きなことをやってる人っていつまでも若くいられるイメージがあるし、それに楽しそ う」と、それぞれの思いを教えてくれました。

じつは彼ら2組(男子2人、それと女子)も富士川SAで出会ったばかりでしたが、奇しくも大学3年生同士であり、2組それぞれが春休みを利用してヒッチハイク旅をしようとなって行動開始したんだそうです。
彼らの具体的な旅話しも聞いてみたところ、女子は「震災の爪痕を見てみたい。原発の現在も気になります」という思いを抱え、1ヶ月ほどの春休みをフルに使って日本一周するのが目標なんだそうです。
するとほどなくして海老名SAに到着し、彼女は元気よく、そして挨拶を忘れずに次なるヒッチハイク旅を続けるべく雑踏の中に消えていきました。

残る男子2人は一週間のヒッチハイク旅を計画。まずは大阪へ。そこから広島へ行って原爆ドームを見るのことを目標に東京を出発したそうです。移動手段がヒッチハイクなので計画よりも遅れてしまったそうですが、なんとか目標はクリア。あとは東京まで帰るのみという状況だったということです。
旅の詳細を聞いてみると、道中の宿泊はマン喫オンリー。いわゆるマンガ喫茶のことですけど仮眠程度であれば十分だし、なにより宿泊費を抑えられるのが魅力だと言ってました。実際、あまり熟睡はできなかったそうですが、宿泊問題の心配は必要なかったのでそこはお勧めらしいです。

ヒッチハイクについては、それなりに苦労したようでした。男子2人を快く乗せてくれる人となかなか巡りあえなかったということですが、このご時世では他人を車内に招き入れることに抵抗があるのも無理はないなと感じました。それと土日はマイカーファミリーばかりで、結果的に近距離しか同乗させてもらえないことが多く、なかなか移動距離を稼げないことが難点だと言ってましたね。
ともあれ無事に東京まで舞い戻り、予定通り彼らを浜松町でリリース。最後は走り去るまで頭を下げ、見送ってくれていたのが印象的でした。

ひょんなことから若者×3人を同乗させましたが、そろって言っていたのが「ヒッチハイクさせてくれるのは自分もしたことがあるとか、過去に1度でも乗せたことがあるという人だけでした」とのことです。
これはボクの持論なんですけど、「旅を経験すると人に優しくなれる」……そんな風に思っています。旅の経験は人それぞれだから、少なからず恐い体験をした ことがあるなら同じように思わないかもしれません。だけど旅を通していろいろな人から助けてもらったり、応援されたという経験から、恩返しというワケでも ないのだけれど、目の前の旅人に自分が受けたのと同じような助け舟を出したり、応援をしてあげたくなるんじゃないかと思うんです。
なので、たぶんこれからもボクは自分のできる範囲で旅人を応援し続けていくだろうと思うワケです。

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Buono/隅本辰哉 このユーザーの他の記事を見る

二輪ジャーナリストとしてバイク&スクーター雑誌を中心として活動中。主に新旧スクーターに関する記事が専門。 とくにベスパを得意としていてベスパ関連書物などの出版もしています。なのでベスパを軸にスクーターやバイクのこと、ときには取材で出かけた食や遊びや旅のことまで書き記していきたいと考えています。

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