私の夫の仕事はエンジニア。当初は彼の安定した職業にすごく好感が持てたし、大きな肩に寄りかかっていた当時は、彼の暖かい性格を愛していた。

だけど、1年間の恋愛期間を経た、結婚2年目の現在、彼との生活に飽きてきていると言わざるを得ない。かつて夫を愛していた理由は、今では私に焦燥感を与える原因となっている。

私は情動的なタイプで、特に恋愛関係のことになるとすごく敏感になる。私の心は、まるで小さい女の子がキャンディーを欲しがるかのように、ロマンチックな場面に飢えている。

私は無神経で結婚にロマンチックな場面を持ち込むことができない夫に、落胆させられてしまったのだ。



ある日とうとう「離婚したい」と夫に告げた。夫はショックを受けて「なぜ?」と聞き返した。

「疲れたの!この世にはすべてのことに対して理由があるわけじゃないのよ」

私はこう彼に返事した。夫は一晩中黙りこくり、火のついたタバコとともに何か熟考しているようだった。

その姿にさらに私を落胆させただけだった。これだからダメなのよ。自分の窮地も表現できない夫。一体、彼に何を望めるというの?



そして彼はとうとう口を開いた。「どうしたら気持ちを変えてくれる?」。誰かが言っていた「他人の性格を変えるのは難しい」と、そして私は彼に対する信頼を失い始めていたと思う。

彼の両目をみつめて、私はゆっくり答えた、

「質問があるわ。私の質問に答えて、納得させることができれば、私は考えを変えるわ。たとえば、私は山の絶壁に面している花が欲しい、そして、その花を取りに行くことは、必ず貴方の死を招くという事が明らかだとしたら、貴方は私はのために、その花を取りに行ってくれる?」

夫は「その質問には明日答える」言った。その返事を聞いて私は希望を失った。



次の日の朝、起きると、夫は既にいなくなっていた。扉の前のダイニングテーブルの上、ミルクグラスの下に、走り書きで書かれた手紙があった。手紙にはこう記されていた・・・

「僕は花を取りにはいかない。だけど、どうかその理由を説明させてくれ。」

一行目から既に心を痛められたが、読み続けた・・・

『君はいつもパソコンを使う時、プログラムをぐちゃぐちゃにしてしまい、スクリーンの前で泣いてしまう。だから僕は指を大切にしなければならない、そうすることで、君のためにパソコンのプログラムを復活させることができる。

君はいつも鍵を忘れて外出する、だから僕は急いで家に帰って君のためにドアを開けておくために、脚を大切にしなければならない。

君は大の旅行好きだけど、いつも迷子になる。君を案内するために、僕は眼を大切にしなければならない。

毎月現れる『お友達(女子の日)』が来た時は、君はいつも腹痛になるから、僕は手のひらを大切にしなければならない。そうすることで、君のお腹の痛みを和らげることができる。

君は部屋の中で閉じこもることが好きなので、僕は、君が自閉症のようにならないか不安だ。僕は君が退屈しないように冗談を言ったり、話しをするために、口を大切にしなければならない。

君はいつもパソコンに夢中で眼にとって非常に良くない。僕は自分の眼を大切にしなければならない。そうすることで、年老いた時、僕は君の爪切りの手伝いができるし、忌々しい白髪を抜くのを手伝うこともできる。

そして、 君は太陽の光と美しい砂を楽しむだろうから、僕は海岸を散歩するときに君の手を繋ぐことができる・・・ちょうど君の若い頃の頬の色のような、赤色の花を教えることだってできる。

以上から、愛する妻よ、僕以上に君を愛している誰かがいると確信している訳ではない限り、まだ花を取りに行って死ぬわけにはいかない。」



涙が手紙の上に滴り落ちて、夫の筆跡のインクがにじんだ・・・そして読み進めてみると・・・


「この手紙を読み終えた今、もし満足してくるなら、入口の扉を開けてほしい。君の大好きなパンとフレッシュミルクを抱えて待っているから」

急いでドアの前に行って扉を開いくと、そこには焼きパンとミルクボトルをしっかりと抱えて、不安そうな顔をしている夫が立っていた。



今は夫ほど、私を愛してくれている人はいないと確信している。山の絶壁の花はそっとしておくことにした。

これが人生、愛というもの。人は愛情に包まれている時、刺激的な感情は色褪せ、平穏と単調な中にある真実の愛を見失う。

愛は、あらゆる形おいて現れる。小さく、図太い形の中でも、それは決してモデルのような形ではなく、最も鈍くさくて退屈な形で現れている事もあって、花やロマンチックな場面などは、恋愛初期の頃に使われたり現れたりするもの。

このように愛は成り立っており、それが私たちの人生なのだ。愛は口論で勝ち取るようなものではない。

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シンガポール在住5年目に突入しました。ブログ(http://www.sinlog.asia/)書いています。海外旅行、語学学習、お笑いに興味がありますが、雑多にまとめていこうと思います。

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